このページでは、電験三種の電力科目の正しい勉強法を紹介しています。電験三種の試験に合格するには、要点を押さえた効率的な勉強法がポイントになります。 試験を知り、効率よく合格できる学習戦略を立てましょう。
電験三種の電力について
電験三種の電力科目は、発電所及び変電所の設計及び運転,送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用,電気材料の 3つの分野より出題されます。電験三種試験科目の中で、電力は実務に近い知識が問われます。発変電所や送電線などの機器の役割を勉強する科目が電力です。
電力科目は、知識科目と思われがちですが、知識問題と計算問題がほぼ半々で出題されます。電力科目は勉強量に比例して点数が伸びやすく、複雑な計算式を理解したり、専門性の高い暗記を要求されることが少ないです。そのため、誰にでも勉強のし易い科目といえます。
電験三種の電力科目
このサイトでは、電験三種の電力について、単元ごとに勉強がしやすいように解説と過去問題を1ページごとにまとめています。
水力発電所
火力発電所
原子力発電所など
変電所
- 変電所の断路器と遮断器
- 変電所に設置されている避雷器の仕組み
- 調相設備(電力用コンデンサ、分路リアクトル、同期調相機など)
- 保護継電器の種類
- 変電所の変圧器
- 短絡容量と短絡電流の計算
- 変圧器の並行(並列)運転と負荷分担
送電線路
- 架空送電線路の構成
- 架空送電線路のコロナ放電・フェランチ効果・線路定数とねん架
- 架空送電線路の障害
- 電線のたるみと実長
- 送配電線路の中性点接地と非接地方式
- 地中電線路の布設方式
- 地中送電線の損失と故障点標定
- ケーブルの静電容量と線路定数
- 直流送電とそのメリット
配電線路
- 配電線の供給方式(バンキング/ネットワークなど)
- 配電線路の電圧調整と保護
- 架空配電線路に使われる機器
- 線路損失と電圧降下
- 力率補正と送電電力
- 分岐回路とループ回路の送電電力
- 単相3線式や三相4線式などの配電理論
電気材料
電験三種の電力の試験について
電験三種の電力科目の試験は、A問題とB問題に分かれており、A問題は基本問題、B問題は応用問題(ほぼ計算問題)となっています。A問題は14問出題され、B問題は3問で設問が2つに解かれています。つまり、電験三種の電力では、20個の問題に解答することとなります。
1問あたりの点数は5点で、合格基準点は60点ですが、合格率の高い(簡単な)年と低い(難しい)年の差が激しいといった印象です。そのため、合格点が60点を割ることが、結構あります。
電験三種の電力科目は、発電の種類や構造、効率など、電力の発生から始まり、電圧を上げたり下げたりする変電所の設備や需要家まで送電する過程にある設備や現象、各配電方式などを学習します。他の科目に比べ、学習内容をイメージしやすいという点からも、比較的学習しやすい科目と思います。
電験三種の電力の勉強法
電験三種の電力の出題傾向は、だいたい次のようになります。
- 水力発電所 … A問題 2問(10点)程度
- 火力発電所 … A問題 1問(5点),B問題 1問(10点)程度
- 原子力発電所と新分野の発電方式 … A問題 2問(10点)程度
- 変電所 … A問題 2問(10点)程度
- 送電線路と配電線路 … A問題 6問(30点),B問題 2問(20点)程度
- 電気材料 … A問題 1問(5点)程度
各分野の出題配分は、年によって多少の変動はありますが、だいたい同じような配分で出題されています。毎年、送電線路と配電線路の問題は非常に多く出題されています。つまり、送電線路と配電線路の分野を得点源にすることが、電力科目を攻略するポイントです。
電力科目の送電線路と配電線路で出題される計算問題は、理論科目の「直流回路」「交流回路」「三相交流回路」を理解しておく必要があります。理論科目の理解が浅ければ、計算問題はかなりの強敵となります。送電線路と配電線路の計算問題は、理論科目の応用力を問われる問題が出題されているといえます。
なお、理論科目が苦手な方は、「水力発電所」「火力発電所」「原子力発電所と新分野の発電方式」などの発電に関することをメインに勉強することをお薦めします。これらの分野は、理論の知識がなくても学習できる分野です。知識問題をメインに勉強し、計算問題は発電分野部分に的を絞って、勉強する分野をうまく組み合わせることで、効率よく60点を取ることが可能です。
発電分野の勉強法としては、広い知識が必要です。浅くてもかまいませんので、過去問を解きながら、その解説も含めて覚えていくことが、電験三種合格への近道だと思います。