電験三種の電力で出題される太陽光発電や風力発電などの新分野の発電方式について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。
- 太陽光発電
- 風力発電
- 燃料電池
- 地熱発電
- バイオマス発電
- 電験三種-電力(その他の発電)過去問題
- 2001年(平成13年)問1
- 2001年(平成13年)問1 過去問解説
- 2002年(平成14年)問4
- 2002年(平成14年)問4 過去問解説
- 2003年(平成15年)問5
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- 2004年(平成16年)問5
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- 2005年(平成17年)問5
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- 2006年(平成18年)問3
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- 2007年(平成19年)問5
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- 2008年(平成20年)問5
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- 2009年(平成21年)問5
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- 2010年(平成22年)問5
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- 2011年(平成23年)問5
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- 2012年(平成24年)問5
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- 2013年(平成25年)問5
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- 2014年(平成26年)問5
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- 2015年(平成27年)問5
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- 2016年(平成28年)問5
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- 2017年(平成29年)問5
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太陽光発電
太陽光発電は、太陽電池が光を受けると電気を発生することを利用した発電方式です。太陽電池は、P型半導体とN型半導体をつなぎ合わせた構造で、太陽光が当たると、P型半導体内で発生した自由電子(-)はN型半導体に、N型半導体内で発生した正孔(+)はP型半導体に移動し、半導体間に電位が生じます。この半導体の両側に負荷を接続すると、直流電流が流れ、電気エネルギーを得ることが出来ます。
太陽光発電システムには、発電した電気を蓄えるバッテリーや、直流を交流に変換するインバータ装置、電力系統と連系する系統連系装置、インバータ装置と系統連系装置が一体となったシステム全体の運転を自動的に管理するパワーコンディショナなどが必要です。
太陽電池の種類
結晶型シリコン太陽電池
単結晶と多結晶のタイプが有ります。エネルギー変換効率は単結晶型で15~20%、多結晶型で10~15%です。
アモルファス太陽電池
エネルギー変換効率は8%前後と低いのですが、量産による低価格化が実現するので、広く普及しています。
太陽光発電の特徴
- エネルギー源は太陽光であるため、地球上どこにでも存在する
- エネルギー密度は低い
- 発電に燃焼や回転を伴わない
- 発電システムが単純で、保守が容易である
- 分散型電源として期待できる
- 天候不良時や夜間は発電ができないため、発生電力の変動が大きい
- イニシャルコストが高い
- 出力は周囲温度の影響を受ける
- 発生電力が直流のため、一般の用途にはインバータによる変換が必要である
- エネルギーの変換効率は10%~20%で低い
分散型電源とは、太陽光発電、風力発電、燃料電池発電など需要地に隣接して小規模に設置する発電設備全般のことです。水力発電や火力発電は、大規模な集中型電源です。分散型電源は、送電距離が短いため送電によりロスが少なく、災害時などの非常用電源として利用できるなどのメリットがあります。 しかし出力が不安定であり発電コストが高いなどのデメリットもあります。
風力発電
風力発電は、風の持つエネルギーを、風車で機械エネルギー(回転力)に変換し、発電機を回します。風車によって取り出せるエネルギーは、風車の受面積に比例し、風速の3乗に比例します。風のエネルギーの約40%を電気エネルギーに変換できます。しかし、年間を通じて平均風速の大きい場所にしか適用できないことと、翼が風を切るため騒音を発生することが欠点です。
実際に運用されている風車は、水平軸形のプロペラ風車と呼ばれるものが多く普及しています。風力発電は、一般に風速に関して発電を開始する発電開始風速(カットイン風速)と停止する発電停止風速(カットアウト風速)が設定されています。
一般的に風力発電では同期発電機、永久磁石式発電機、誘導発電機が用いられる。特に、大形の風力発電機には、同期発電機又は誘導発電機が使われている。
風力発電の特徴
- 自然エネルギーを利用したクリーンな発電方法であるが、現状では発電コストが高い
- CO2の発生がないクリーンなエネルギーである
- エネルギー源は地球上どこにでも存在するが、エネルギー密度が低い
- 設置場所、景観に配慮が必要である
- 発電コストが他の新型エネルギーと比較すると優れている
- 風況により出力が変化する
燃料電池
燃料電池発電は、水素と酸素を化学反応させ、電気エネルギーを取り出します。水の電気分解と逆の化学反応を利用した発電方式です。
燃料電池本体は,燃料に水素を使うため、天然ガス、LPG、ナフサ等の炭化水素系の燃料から水素を作るための改質装置が必要となります。また、燃料電池本体で発生する電気は直流ですので、電力系統と連系する場合は、直流から交流に変換するインバータ装置が必要となります。
燃料電池は電解質により、りん酸形、溶融炭酸塩形、固体高分子形などに分類されています。
燃料電池の特徴
- 発電効率が45%以上と非常に高い
- 回転や燃焼を伴わないので、振動、騒音、大気汚染といった環境への影響が少ない
- 発電時に熱が発生し、この廃熱を給湯や暖房に有効利用すれば、熱効率が80%程度になる
- 燃料として天然ガス、LPG、ナフサ、メタノールなど各種の燃料が使用できる
- 比較的小容量でも高い発電効率が得られ、部分負荷運転での効率低下も少ない
- 分散形電源の一つとして注目されている
地熱発電
地熱発電は、火山地帯の地下の蒸気を利用して、タービンを回転させ発電をする方式です。地熱発電は、天然蒸気をそのままタービンに送り利用する方式と不純物を除去して利用する方式とがあります。どちらとも天然蒸気を背圧タービンに送り、仕事を終えた蒸気を大気に排出します。また、天然蒸気や熱水を熱源として利用し、熱交換器を設置して蒸気を作り発電する方式もあります。
地熱発電の特徴
- 燃料が不要で汽力発電のようなボイラや給水装置が不要なため、発電原価は安い
- 低温・低圧蒸気であり、タービン効率は低い
- 蒸気に腐食性不純物等を含む場合があり、防食対策が必要になる
- 設置場所が、山間部等に限定される
バイオマス発電
バイオマス発電は、植物などの有機物から得られる燃料や廃棄物を利用した発電方式です。さとうきびから得られるエタノールや、家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いて蒸気を作り、タービンを回転させ発電をする方式です。
バイオマス燃料を燃やすとCO2が発生しますが、燃料として使われる植物の成長中にCO2を吸収してくれるので、CO2発生量はトータルすると少なくなるのが特徴です。尚、サトウキビ等を燃料として使う場合は、食料との関わりがあり量的に確保することが課題となっています。
電験三種-電力(その他の発電)過去問題
2001年(平成13年)問1
太陽光発電に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
- システムが単純であり、保守が容易である。
- 沈発生電力の変動が大きい。
- 発生電力が直流である。
- エネルギーの変換効率が高い。
- 出力は周囲温度の影響を受ける。
2001年(平成13年)問1 過去問解説
太陽光発電のエネルギーの変換効率は10%~20%で低い。
答え (4)
2002年(平成14年)問4
中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴について、同期発電機と比較した記述として、誤っているのは次のうちどれか。
- 励磁装置が不要で、建設及び保守のコスト面で有利である。
- 始動、系統への並列などの運転操作が簡単である。
- 負荷や系統に対して遅れ無効電力を供給することができる。
- 単独で発電することができず、電力系統に並列して運転する必要がある。
- 系統への並列時に大きな突入電流が流れる。
2002年(平成14年)問4 過去問解説
中小水力や風力発電に使用されている誘導発電機の特徴は、負荷や系統に対して進み無効電力を供給することができます。
答え (3)
2003年(平成15年)問5
燃料電池に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
- 水の電気分解と逆の化学反応を利用した発電方式である。
- 燃料は外部から供給され、直接、交流電力を発生する。
- 燃料として、水素、天然ガス、メタノールなどが利用される。
- 太陽光発電や風力発電に比べて、発電効率が高い。
- 電解質により、りん酸形、溶融炭酸塩形、固体高分子形などに分類される。
2003年(平成15年)問5 過去問解説
燃料電池によって得られる電力は、化学反応によって得られる直流電力です。
答え (2)
2004年(平成16年)問5
風力発電及び太陽光発電に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。
- 自然エネルギーを利用したクリーンな発電方法であるが。現状では発電コストが高い。
- エネルギー源は地球上どこにでも存在するが、エネルギー密度が低い。
- 気象条件による出力の変動が大きく、電力への変換効率が低い。
- 太陽電池の出力は直流であり、一般の用途にはインバータによる変換が必要である。
- 風車によって取り出せるエネルギーは、風車の受風面積及び風速にそれぞれ正比例する。
2004年(平成16年)問5 過去問解説
風車によって取り出せるエネルギーは、風車の受面積に比例し、風速の3乗に比例します。
答え (5)
2005年(平成17年)問5
各種の発電に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
- 溶融炭酸塩型燃料電池は、電極触媒劣化の問題が少ないことから、石炭ガス化ガス、天然ガス、メタノールなど多様な燃料を容易に使用することができる。
- シリコン太陽電池には、結晶系の単結晶太陽電池や多結晶太陽電池と非結晶系のアモルファス太陽電池などがある。
- 地熱発電所においては、蒸気井から得られる熱水が混じった蒸気を、直接蒸気タービンに送っている。
- 風力発電は、一般に風速に関して発電を開始する発電開始風速(カットイン風速)と停止する発電停止風速(カットアウト風速)が設定されている。
- 廃棄物発電は、廃棄物を焼却するときの熱を利用して蒸気を作り、蒸気タービンを回して発電をしている。
2005年(平成17年)問5 過去問解説
蒸気井から得られる蒸気には熱水も含まれています。蒸気はタービンに利用し、熱水は還元井に戻されます。
答え (3)
2006年(平成18年)問3
電力の発生に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
- 地熱発電は、地下から発生する蒸気の持つエネルギーを利用し、タービンで発電する方式である。
- 廃棄物発電は、廃棄物焼却時の熱を利用して発電を行うもので、最近ではスーパごみ発電など、高効率化を目指した技術開発が進められている。
- 太陽光発電は、最新の汽力発電なみの高い発電効率を持つ、クリーンなエネルギー源として期待されている。
- 燃料電池発電は、水素と酸素を化学反応させて電気エネルギーを発生させる方式で、騒音、振動が小さく分散型電源として期待されている。
- 風力発電は、比較的安定して強い風が吹く場所に設置されるクリーンな小規模発電として開発され、近年では単機容量の増大が図られている。
2006年(平成18年)問3 過去問解説
太陽光発電の効率は10~20%で、汽力発電の効率は30%以上です。
答え (3)
2007年(平成19年)問5
地球温暖化の主な原因の一つといわれる二酸化炭素の排出量削減が、国際的な課題となっている。発電時の発生電力量当たりの二酸化炭素排出量が少ない順に発電設備を並べたものとして、正しいのは次のうちどれか。
ただし、発電所の記号は次のとおりとし、ここでは、汽力発電所の発電効率は同一であるとする。
a.原子力発電所
b.LNG燃料を用いたコンバインドサイクル発電所
c.石炭専焼汽力発電所
d.重油専焼汽力発電所
- a<b<c<d
- a<d<c<b
- b<a<d<c
- a<b<d<c
- b<a<c<d
2007年(平成19年)問5 過去問解説
原子力発電は二酸化炭素の排出はありません。化石燃料で二酸化炭素の排出量が多い順に並べると、石炭>重油>LNG(液化天然ガス)となります。
答え (4)
2008年(平成20年)問5
電気エネルギーの発生に関する記述として、誤っているのは次のうちどれか。
- 風力発電装置は風車、発電機、支持物などで構成され、自然エネルギー利用の一形態として注目されているが、発電電力が風速の変動に左右されるという特徴を持つ。
- わが国は火山国でエネルギー源となる地熱が豊富であるが、地熱発電の商用発電所は稼働していない。
- 太陽電池の半導体材料として、主に単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンが用いられており、製造コスト低減や変換効率を高めるための研究が継続的に行われている。
- 燃料電池は振動や騒音が少ない、大気汚染の心配が少ない、熱の有効利用によりエネルギー利用率を高められるなどの特徴を持ち、分散形電源の一つとして注目されている。
- 日本はエネルギー資源の多くを海外に依存するので、石油、天然ガス、石炭、原子力、水力など多様なエネルギー源を発電に利用することがエネルギー安定供給の観点からも重要である。
2008年(平成20年)問5 過去問解説
東北地方と九州地方を中心に、地熱発電は商用発電所として稼働しています。
答え (2)
2009年(平成21年)問5
バイオマス発電は、植物等の( ア )性物質を用いた発電と定義することができる。森林樹木、サトウキビ等はバイオマス発電用のエネルギー作物として使用でき、その作物に吸収される( イ )量と発電時の( イ )発生量を同じとすることができれば、環境に負担をかけないエネルギー源となる。ただ、現在のバイオマス発電では、発電事業として成立させるためのエネルギー作物等の( ウ )確保の問題や( エ )をエネルギーとして消費することによる作物価格への影響が課題となりつつある。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 無機 | 二酸化炭素 | 量的 | 食料 |
(2) | 無機 | 窒素化合物 | 量的 | 肥料 |
(3) | 有機 | 窒素化合物 | 質的 | 肥料 |
(4) | 有機 | 二酸化炭素 | 質的 | 肥料 |
(5) | 有機 | 二酸化炭素 | 量的 | 食料 |
2009年(平成21年)問5 過去問解説
バイオマス発電は、植物等の( 有機 )性物質を用いた発電と定義することができる。森林樹木、サトウキビ等はバイオマス発電用のエネルギー作物として使用でき、その作物に吸収される( 二酸化炭素 )量と発電時の( 二酸化炭素 )発生量を同じとすることができれば、環境に負担をかけないエネルギー源となる。ただ、現在のバイオマス発電では、発電事業として成立させるためのエネルギー作物等の( 量的 )確保の問題や( 食料 )をエネルギーとして消費することによる作物価格への影響が課題となりつつある。
答え (5)
2010年(平成22年)問5
次の文章は、風力発電に関する記述である。
風として運動している同一質量の空気が持っている運動エネルギーは、風速の( ア )乗に比例する。また、風として風力発電機の風車面を通過する単位時間当たりの空気の量は、風速の( イ )乗に比例する。したがって、風車面を通過する空気の持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換する風力発電機の変換効率が風速によらず一定とすると、風力発電気の出力は風速の( ウ )乗に比例することとなる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
(1) | 2 | 2 | 4 |
(2) | 2 | 1 | 3 |
(3) | 2 | 0 | 2 |
(4) | 1 | 2 | 3 |
(5) | 1 | 1 | 2 |
2010年(平成22年)問5 過去問解説
風として運動している同一質量の空気が持っている運動エネルギーは、風速の( 2 )乗に比例する。また、風として風力発電機の風車面を通過する単位時間当たりの空気の量は、風速の( 1 )乗に比例する。したがって、風車面を通過する空気の持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換する風力発電機の変換効率が風速によらず一定とすると、風力発電気の出力は風速の( 3 )乗に比例することとなる。
答え (2)
2011年(平成23年)問5
太陽光発電は、( ア )を用いて、光の持つエネルギーを電気に変換している。エネルギー変換時には、( イ )のように( ウ )を出さない。すなわち、( イ )による発電では、数千万年から数億年間の太陽エネルギーの照射や、地殻における変化等で優れた燃焼特性になった燃料を電気エネルギーに変換しているが、太陽光発電では変換効率は低いものの、光を電気エネルギーへ瞬時に変換しており長年にわたる( エ )の積み重ねにより生じた資源を消費しない。そのため環境への影響は小さい。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 半導体 | 化石燃料 | 排気ガス | 環境変化 |
(2) | 半導体 | 原子燃料 | 放射線 | 大気の対流 |
(3) | 半導体 | 化石燃料 | 放射線 | 大気の対流 |
(4) | タービン | 化石燃料 | 廃熱 | 大気の対流 |
(5) | タービン | 原子燃料 | 排気ガス | 環境変化 |
2011年(平成23年)問5 過去問解説
太陽光発電は、( 半導体 )を用いて、光の持つエネルギーを電気に変換している。エネルギー変換時には、( 化石燃料 )のように( 排気ガス )を出さない。すなわち、( 化石燃料 )による発電では、数千万年から数億年間の太陽エネルギーの照射や、地殻における変化等で優れた燃焼特性になった燃料を電気エネルギーに変換しているが、太陽光発電では変換効率は低いものの、光を電気エネルギーへ瞬時に変換しており長年にわたる( 環境変化 )の積み重ねにより生じた資源を消費しない。そのため環境への影響は小さい。
答え (1)
2012年(平成24年)問5
風力発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 風力発電は、風の力で風力発電機を回転させて電気を発生させる発電方式である。風が得られれば燃焼によらずパワーを得ることができるため、発電するときにCO2を排出しない再生可能エネルギーである。
- 風車で取り出せるパワーは風速に比例するため、発電量は風速に左右される。このため、安定して強い風が吹く場所が好ましい。
- 離島においては、風力発電に適した地域が多く存在する。離島の電力供給にディーゼル発電機を使用している場合、風力発電を導入すれば、そのディーゼル発電機の重油の使用量を減らす可能性がある。
- 一般的に、風力発電では同期発電機、永久磁石式発電機、誘導発電機が用いられる。特に、大形の風力発電機には、同期発電機又は誘導発電機が使われている。
- 風力発電では、翼が風を切るため騒音を発生する。風力発電を設置する場所によっては、この騒音が問題となる場合がある。この騒音対策として、翼の形を工夫して騒音を低減している。
2012年(平成24年)問5 過去問解説
風車によって取り出せるエネルギーは、風車の受面積に比例し、風速の3乗に比例します。
答え (2)
2013年(平成25年)問5
次の文章は、太陽光発電に関する記述である。
現在広く用いらている太陽電池の変換効率は太陽電池の種類により異なるが、およそ( ア )[%]である。
太陽光発電を導入する際には、その地域の年間( イ )を予想することが必要である。
また、太陽電池を設置する( ウ )や傾斜によって( イ )が変わるので、これらを確認する必要がある。さらに、太陽電池で発電した直流電力を交流電力に変換するためには、電気事業者の配電線に連系して悪影響を及ぼさないための保護装置などを内蔵した( エ )が必要である。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 7~20 | 平均気温 | 影 | コンバータ |
(2) | 7~20 | 発電電力量 | 方位 | パワーコンディショナ |
(3) | 20~30 | 発電電力量 | 強度 | インバータ |
(4) | 15~40 | 平均気温 | 面積 | インバータ |
(5) | 30~40 | 日照時間 | 方位 | パワーコンディショナ |
2013年(平成25年)問5 過去問解説
現在広く用いらている太陽電池の変換効率は太陽電池の種類により異なるが、およそ( 7~20 )[%]である。
太陽光発電を導入する際には、その地域の年間( 発電電力量 )を予想することが必要である。
また、太陽電池を設置する( 方位 )や傾斜によって( 発電電力量 )が変わるので、これらを確認する必要がある。さらに、太陽電池で発電した直流電力を交流電力に変換するためには、電気事業者の配電線に連系して悪影響を及ぼさないための保護装置などを内蔵した( パワーコンディショナ )が必要である。
答え (2)
2014年(平成26年)問5
二次電池に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- リチウムイオン電池、NAS電池、ニッケル水素電池は、繰り返し充放電ができる二次電池として知られている。
- 二次電池の充電法として、整流器を介して負荷に電力を常時供給しながら二次電池への充電を行う浮動充電方式がある。
- 二次電池を活用した無停電電源システムは、商用電源が停電したとき、瞬時に二次電池から負荷に電力を供給する。
- 風力発電や太陽光発電などの出力変動を抑制するために、二次電池が利用されることもある。
- 鉛蓄電池の充電方式として、一般的に、整流器の定格電圧で回復充電を行い、その後、定電流で満充電状態になるまで充電する。
2014年(平成26年)問5 過去問解説
鉛蓄電池は放電すると内部抵抗値が下がるので、充電初期は電流が定格値を超えないように定格電流で充電をします。満充電状態になると少しでも電流が流れると過充電となりバッテリーの寿命が短くなりますので、定格電圧で充電します。
答え (5)
2015年(平成27年)問5
分散型電源の配電系統連系に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するために、受電点の力率は系統側から見て進み力率とする。
- 分散型電源からの逆潮流等により他の低圧需要家の電圧が適正値を維持できない場合は、ステップ式自動電圧調整器(SVR)を設置する等の対策が必要になることがある。
- 比較的大容量の分散型電源を連系する場合は、専用線による連系や負荷分割等配電系統側の増強が必要になることがある。
- 太陽光発電や燃料電池発電等の電源は、電力変換装置を用いて電力系統に連系されるため、高調波電流の流出を抑制するフィルタ等の設置が必要になることがある。
- 大規模太陽光発電等の分散型電源が連系した場合、配電用変電所に設置されている変圧器に逆向きの潮流が増加し、配電線の電圧が上昇する場合がある。
2015年(平成27年)問5 過去問解説
進み力率にするとフェランチ効果により、系統の電圧を上昇させてしまいます。系統の電圧上昇を抑制するためには,遅れ力率にする必要があります。
答え (1)
2016年(平成28年)問5
各種の発電に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 燃料電池発電は、水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。化学反応で発生する熱は給湯などに利用できる。
- 貯水池式発電は水力発電の一種であり、季節的に変動する河川流量を貯水して使用することができる。
- バイオマス発電は、植物などの有機物から得られる燃料を利用した発電方式である。さとうきびから得られるエタノールや、家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いられている。
- 風力発電は、風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風力発電で取り出せる電力は、損失を無視すると、風速の2乗に比例する。
- 太陽光発電は、太陽電池によって直流の電力を発生させる。需要地点で発電が可能、発生電力の変動が大きい、などの特徴がある。
2016年(平成28年)問5 過去問解説
風車によって取り出せるエネルギーは、風車の受面積に比例し、風速の3乗に比例します。
答え (4)
2017年(平成29年)問5
次の文章は、地熱発電及びバイオマス発電に関する記述である。
地熱発電は、地下から取り出した( ア )によってタービンを回して発電する方式であり、発電に適した地熱資源は( イ )に多く存在する。
バイオマス発電は、植物や動物が生成・排出する( ウ )から得られる燃料を利用する発電方式である。燃料の代表的なものには、木くずから作られる固形化燃料や、家畜の糞から作られる( エ )がある。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 蒸気 | 火山地域 | 有機物 | 液体燃料 |
(2) | 熱水の流れ | 平野部 | 無機物 | 気体燃料 |
(3) | 蒸気 | 火山地域 | 有機物 | 気体燃料 |
(4) | 蒸気 | 平野部 | 有機物 | 気体燃料 |
(5) | 熱水の流れ | 火山地域 | 無機物 | 液体燃料 |
2017年(平成29年)問5 過去問解説
地熱発電は、地下から取り出した( 蒸気 )によってタービンを回して発電する方式であり、発電に適した地熱資源は( 火山地域 )に多く存在する。
バイオマス発電は、植物や動物が生成・排出する( 有機物 )から得られる燃料を利用する発電方式である。燃料の代表的なものには、木くずから作られる固形化燃料や、家畜の糞から作られる( 気体燃料 )がある。
答え (3)