電験三種の理論の勉強法

電験三種の理論の勉強法 理論

このページでは、電験三種の理論科目の正しい勉強法を紹介しています。電験三種の試験に合格するには、要点を押さえた効率的な勉強法がポイントになります。 試験を知り、効率よく合格できる学習戦略を立てましょう。

電験三種の理論について

電験三種の理論科目は、電気理論,電子理論,電気計測,電子計測より出題されます。電験三種試験科目の中では計算問題の割合が多く、その知識は「電力科目」や「機械科目」、「法規科目」の計算問題を解く基礎となります。

科目をさらに詳しく分けると、静電気,電磁気,直流回路、交流回路、三相交流回路,電気電子工学,電子回路,電気・電子計測の8分野に分けることができます。各分野で必要とされる知識が共通していることも多いので、満遍なく勉強する必要があります。

電験三種の理論科目

このサイトでは、電験三種の理論について、分野ごとに勉強がしやすいように解説と過去問題を1ページごとにまとめています。

静電気

  1. クーロンの法則とは
  2. 電界とガウスの法則
  3. 静電界中の電位と電圧
  4. 静電誘導と誘電分極
  5. 平行平板コンデンサの静電容量
  6. コンデンサの直列接続と並列接続
  7. 静電エネルギー
  8. 誘電体とコンデンサ
  9. 導体球と同心球導体の静電容量

電磁気

  1. 磁力線と磁束
  2. アンペールの法則
  3. フレミングの左手の法則
  4. 電流が磁界から受ける力
  5. ヒステリシス曲線と損失
  6. 電磁誘導(レンツの法則とファラデーの法則)
  7. 自己インダクタンス
  8. 相互インダクタンス
  9. 磁気エネルギー

直流回路

  1. 直流回路の基本問題
  2. ホイートストンブリッジ回路
  3. キルヒホッフの法則とブリッジ回路の合成抵抗
  4. 重ね合わせ・ノートン・テブナンの定理
  5. 直流回路の消費電力

交流回路

  1. 正弦波交流の波形
  2. 単相交流の直列回路
  3. 単相交流の並列回路
  4. RLC直列共振回路
  5. RLC並列共振回路
  6. 単相交流の電力と力率

三相交流回路

  1. 三相交流回路
  2. 三相交流の電力と力率

電気電子工学

  1. 電気の単位と抵抗温度係数
  2. 電界中の電子の運動
  3. ローレンツ力の向きと円運動
  4. 電子放出と熱起電力の原理
  5. 過渡現象と時定数とは

電子回路

  1. p型半導体とn型半導体
  2. ダイオードとトランジスタの特性
  3. トランジスタ増幅回路
  4. トランジスタのバイアス回路
  5. トランジスタの等価回路
  6. FET増幅回路
  7. 多段・負帰還・電力増幅回路
  8. オペアンプ(反転・非反転増幅回路)
  9. 発振回路と変調回路の原理
  10. 波形整形回路(クリッパ回路とリミッタ回路)

電気・電子計測

  1. 指示計器の種類と特徴
  2. 計測と測定誤差
  3. 電圧と電流の測定(倍率器と分流器)
  4. 抵抗の測定(電圧降下法・ダブルブリッジ法)
  5. 電力計の原理と二電力計法
  6. オシロスコープの周波数測定

電験三種の理論の試験について

電験三種の理論科目の試験は、A問題とB問題に分かれており、A問題は基本問題、B問題は応用問題(ほぼ計算問題)となっています。A問題は14問出題され、B問題は2問が必須で、1問が二つの内どちらか1問を選んで解答する選択性で計3問解答します。尚、B問題は設問が2つに解かれています。つまり、電験三種の理論では、A問題14個と、 B問題 3問×2設問の6個、計20個に解答することとなります。

1問あたりの点数は5点で、合格基準点は60点ですが、合格率の高い(簡単な)年と低い(難しい)年の差が激しいといった印象です。そのため、合格点が60点を割ることが、結構あります。

初めて電験三種を受験する方が、理論科目の勉強を開始して、思うように進まなくなる原因の一つに、数学の知識不足が挙げられます。電験三種に合格するためには数学は必須科目です。特に理論は計算問題の割合が非常に高く、約8割が計算問題です。また、理論の計算問題は電力や機械、法規の計算問題を解く基礎にもなります。

これらの計算問題を解くためには、必要最小限の数学知識が必要です。必要な数学の範囲は中学~高校2年までに習う、正と負の四則演算などの「計算の基礎」、三角形などの「図形の基礎」、比例・反比例などの「関数の知識」、三角形を応用した「三角比と三角関数」、虚数などを使った「ベクトルと複素数」の分野です。

このサイトでも数学の基礎範囲を解説していますので、参考にしてみてください。

  1. 初心者のための電験三種に必要な数学の基礎
  2. 基礎からわかる電験三種の数学図形
  3. 電験三種の基礎数学。初心者のための関数の知識
  4. 電験3種の基礎数学。三角比と三角関数
  5. 電験3種の基礎数学。初心者向けのベクトルと複素数

ただし、数学は電験三種の問題を解く「ツール」に過ぎません。あまり深追いせずに勉強は必要最小限に留めて、本来の電験三種の勉強に時間を費やしましょう。

電験三種の理論の勉強法

電験三種の理論の出題傾向は、だいたい次のようになります。

  • 静電気 … A問題 2問(10点)程度,選択B問題 ※
  • 電磁気 … A問題 2問(10点)程度,選択B問題 ※
  • 直流回路 … A問題 2問(10点)程度
  • 交流回路と三相交流回路 … A問題 3問(15点),B問題 1問(10点)程度
  • 電気電子工学… A問題 2問(10点)程度,選択B問題 ※
  • 電子回路 … A問題 2問(10点),選択B問題 1問
  • 電気・電子計測 … A問題 1問(5点)程度,B問題 1問(10点)程度

※ 選択B問題は「電子回路」分野から1題、「静電気」「電磁気」「電気電子工学」分野の中から1題が出題されることが多いようです。

どの分野からも、満遍なく出題されています。理論を攻略するお薦めの勉強法としては、「静電気」と「電磁気」、「電気電子工学の電子の運動やローレンツ力」は関連性の深い分野です。これらの分野は、まとめて勉強しましょう。勉強方法としては、理解するよりもまずは、「問題を公式を当てはめてみる」ことです。公式を覚えながら、単位に注意して問題に当てはめていくと、だんだんと解けるようになってきます。過去問などを参考にして、たくさんの問題に公式を当てはめてみましょう。

また、「直流回路」と「交流回路と三相交流回路」、「電気電子工学の過渡現象」、「電気・電子計測」も関連性の深い分野です。これらの分野は、まとめて勉強しましょう。勉強方法としては、法則や定理を理解することです。そして、法則や定理を理解した上で過去問などを解いていきます。ただし、初見で過去問を解けるほど甘くありません。解らなければ、解説を見て「解き方」を覚えましょう。「解き方」を覚えていくと、だんだんと初見の問題でも、解けるようになってきます。繰り返し同じ問題を解き、「解き方」を覚えることが効率よく勉強するポイントです。

「電子回路」は、 広範囲な割には、出題数が少ないといった印象です。また、選択問題は非常に難解な問題が出題されます。 「電子回路」分野を得点源にするには、労力対効果的には、かなり不利だと思います。電子回路分野は、過去問のA問題だけに的を絞って、簡単な問題は取りこぼさないようにするためだけの勉強法をお薦めします。

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