三相交流回路

理論

このページでは、三相交流回路の計算問題について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の理論科目で、実際に出題された三相交流回路の過去問題の解き方も解説しています。

三相交流の瞬時値

磁界の中でコイルを回転させると、正弦波交流が発生します。このときコイルを 120°ずつずらして回転させると、同じ周波数で3つの正弦波交流が発生します。

3つの正弦波交流
3つの正弦波交流

この3つの起電力の瞬時値を $e_a$,$e_b$,$e_c$ とし、$e_a$ を基準にとり、$t=0$ のときの位相角を $0$ とすると、各相の起電力は次のように表すことができます。

$e_a=\sqrt{2}Esinωt$
$e_b=\sqrt{2}Esin(ωt-\displaystyle \frac{ 2}{ 3 }π)$
$e_c=\sqrt{2}Esin(ωt-\displaystyle \frac{ 4}{ 3 }π)$

このように、3つの相の角速度 $ω$ が同じで、位相の違う起電力を1つのものとして取り扱う場合を三相交流といいます。周波数が等しく、位相の異なる3個の起電力を含む回路といえます。尚、おのおのの最大値が等しく、位相が互いに 120°ずつ異なるものを特に対称三相交流といいます。対称三相交流では、どの時刻においても、各交流の大きさの和は $0$ になります。つまり、瞬時値 $e_a$,$e_b$,$e_c$ の和は $0$ になります。

$e_a+e_b+e_c=0$

三相交流のベクトル表示と複素数表示

三相交流の各相の瞬時値 $e_a$,$e_b$,$e_c$ をベクトル $\dot{ E _a}$,$\dot{ E _b}$,$\dot{ E _c}$ で表すと次のようになります。尚、$\dot{ E _a}$ を基準に考えています。

三相交流のベクトル
三相交流のベクトル

$\dot{ E _a}=E∠0$
$\dot{ E _b}=E∠-\displaystyle \frac{ 2}{ 3 }π$
$\dot{ E _c}=E∠-\displaystyle \frac{ 4}{ 3 }π$

複素数表示では、次のように表すことができます。

三相交流の複素数表示
三相交流の複素数表示

$\begin{eqnarray}\dot{ E _a}&=&E∠0\\&=&E(cos0+jsin0)\\&=&E\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}\dot{ E _b}&=&E∠-\displaystyle \frac{ 2}{ 3 }π\\&=&E(cos(-\displaystyle \frac{ 2}{ 3 }π)+jsin(-\displaystyle \frac{ 2}{ 3 }π))\\&=&E(-\displaystyle \frac{ 1}{ 2 }-j\displaystyle \frac{ \sqrt{3}}{ 2 })\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}\dot{ E _c}&=&E∠-\displaystyle \frac{ 4}{ 3 }π\\&=&E(cos(-\displaystyle \frac{ 4}{ 3 }π)+jsin(-\displaystyle \frac{ 4}{ 3 }π))\\&=&E(-\displaystyle \frac{ 1}{ 2 }+j\displaystyle \frac{ \sqrt{3}}{ 2 })\end{eqnarray}$

対称三相交流では、どの時刻においても、各交流の大きさの和は $0$ になります。このことは、次のように計算で確認することができます。

$\begin{eqnarray}\dot{ E _a}+\dot{ E _b}+\dot{ E _c}&=&E+E(-\displaystyle \frac{ 1}{ 2 }-j\displaystyle \frac{ \sqrt{3}}{ 2 })+E(-\displaystyle \frac{ 1}{ 2 }+j\displaystyle \frac{ \sqrt{3}}{ 2 })\\&=&E-\displaystyle \frac{ 1}{ 2 }E-\displaystyle \frac{ 1}{ 2 }E+E(-j\displaystyle \frac{ \sqrt{3}}{ 2 }+j\displaystyle \frac{ \sqrt{3}}{ 2 })\\&=&0\end{eqnarray}$

電流も同様に、大きさの和は $0$ になります。

三相交流回路の結線方式

三相交流回路の結線方式のに、Y(スター)結線とΔ(デルタ)結線があります。三相電源の各相に $\dot{ Z }=∠θ$ のインピーダンスを持った負荷を接続した場合の、電圧と電流について考えてみます。

Y(スター)結線

次の図のように電源がY結線、負荷がY結線された回路を考えます。電源の O 点と負荷の O’ 点を中性点といい、 O 点と O’間を結ぶ線を中性線といいます。中性線を流れる電流は、各相の電流の和であり、平衡負荷の時は 0 となります。そのため、取り外しても全体の回路の電流分布には変化がありませんので、省略できます。このときは、単相交流回路が3つあるものとして考えることができます。

Y(スター)結線
Y(スター)結線

ここで、電源側に注目してみます。相電圧($\dot{ E _a}$,$\dot{ E_b}$,$\dot{ E _c}$)と線間電圧($\dot{ V_{ab}}$,$\dot{ V_{bc}}$,$\dot{ V_{ca}}$ )の関係は次のようになります。

$\dot{ V_{ab}}=\dot{ E _a}-\dot{ E _b}$
$\dot{ V_{bc}}=\dot{ E _b}-\dot{ E _c}$
$\dot{ V_{ca}}=\dot{ E _c}-\dot{ E _a}$

線間電圧 $\dot{ V_{ab}}$ を相電圧 $\dot{ E _a}$ で表わします。相電圧 $\dot{ E _a}$ を基準にしたベクトル図は次のようになります。尚、Y結線では、 相電流($\dot{ I_a’}$、$\dot{ I_b’}$、$\dot{ I _c’}$)と線電流($\dot{ I_{a}}$、$\dot{ I_{b}}$、$\dot{ I_{c}}$ )は等しくなります。

Y(スター)結線ベクトル図
Y(スター)結線ベクトル図

$\dot{ V_{ab}}=\dot{ E _a}cos\displaystyle \frac{ π}{ 6 }×2∠\displaystyle \frac{ π}{ 6 }=\sqrt{3}\dot{ E _a}∠\displaystyle \frac{ π}{ 6 }$

となります。つまり、Y結線の線間電圧の大きさは、相電圧の $\sqrt{3}$ 倍で、位相は相電圧に対して $\displaystyle \frac{ π}{ 6 }$ 進みます。

Δ(デルタ)結線

次の図のように電源がΔ結線、負荷がΔ結線された回路を考えます。Δ結線では、 相電圧($\dot{ E _a}$、$\dot{ E_b}$、$\dot{ E _c}$)と線間電圧($\dot{ V_{ab}}$、$\dot{ V_{bc}}$、$\dot{ V_{ca}}$ )は等しくなります。

Δ(デルタ)結線
Δ(デルタ)結線

ここで、電源側に注目してみます。線電流( $\dot{ I _a}$,$\dot{ I _b}$,$\dot{ I _c}$)と相電流($\dot{ I _{ab}}$,$\dot{ I _{bc}}$,$\dot{ I _{ca}}$ )の関係は次のようになります。

$ \dot{ I _a}=\dot{ I _{ab}}-\dot{ I _{ca}}$
$ \dot{ I _b}=\dot{ I _{bc}}-\dot{ I _{ab}}$
$ \dot{ I _c}=\dot{ I _{ca}}-\dot{ I _{bc}}$

線電流 $\dot{ I _a}$ を相電流 $\dot{ I _{ab}}$ で表わします。相電流 $\dot{ I _{ab}}$ を基準にしたベクトル図は次のようになります。尚、各相の電流の大きさは同じですので、相電流の大きさを $I_p$ とします。

Δ(デルタ)結線ベクトル図
Δ(デルタ)結線ベクトル図

$\dot{ I _a}=\dot{ I_p}cos\displaystyle \frac{ π}{ 6 }×2∠-\displaystyle \frac{ π}{ 6 }=\sqrt{3}\dot{ I_p}∠-\displaystyle \frac{ π}{ 6 }$

となります。つまり、Δ結線の線電流の大きさは、相電流の $\sqrt{3}$ 倍で、位相は相電圧より $\displaystyle \frac{ π}{ 6 }$ 遅れます。

負荷のYーΔの相互変換

三相回路で、電源と負荷の結線方法が異なる場合には、負荷側を Y⇒ΔまたはΔ⇒Yに変換して、計算を簡単にすることができます。

Y⇒Δに変換

$\dot{ Z _{ab}}=\displaystyle \frac{ \dot{ Z _a}\dot{ Z _b}+ \dot{ Z _b}\dot{ Z _c}+\dot{ Z _c}\dot{ Z _a}}{ \dot{ Z _c} }$

$\dot{ Z _{bc}}=\displaystyle \frac{ \dot{ Z _a}\dot{ Z _b}+ \dot{ Z _b}\dot{ Z _c}+\dot{ Z _c}\dot{ Z _a}}{ \dot{ Z _a} }$

$\dot{ Z _{ca}}=\displaystyle \frac{ \dot{ Z _a}\dot{ Z _b}+ \dot{ Z _b}\dot{ Z _c}+\dot{ Z _c}\dot{ Z _a}}{ \dot{ Z _b} }$

尚、各相のインピーダンスが等しいときは、$\dot{ Z _Y}=\dot{ Z _a}=\dot{ Z _b}=\dot{ Z _c}$、$\dot{ Z _Δ}=\dot{ Z _{ab}}=\dot{ Z _{bc}}=\dot{ Z _{ca}}$ とすると、

$\dot{ Z _Δ}=3\dot{ Z _Y}$

Δ⇒Yに変換

Δ⇒Yに変換
Δ⇒Yに変換

$\dot{ Z _a}=\displaystyle \frac{ \dot{ Z _{ca}}+\dot{ Z _{ab} } }{ \dot{ Z _{ab}} +\dot{ Z _{bc}}+\dot{ Z _{ca} } }$

$\dot{ Z _b}=\displaystyle \frac{ \dot{ Z _{ab}}+\dot{ Z _{bc} } }{ \dot{ Z _{ab}} +\dot{ Z _{bc}}+\dot{ Z _{ca} } }$

$\dot{ Z _c}=\displaystyle \frac{ \dot{ Z _{bc}}+\dot{ Z _{ca} } }{ \dot{ Z _{ab}} +\dot{ Z _{bc}}+\dot{ Z _{ca} } }$

尚、各相のインピーダンスが等しいときは、$\dot{ Z _Y}=\dot{ Z _a}=\dot{ Z _b}=\dot{ Z _c}$、$\dot{ Z _Δ}=\dot{ Z _{ab}}=\dot{ Z _{bc}}=\dot{ Z _{ca}}$ とすると、

$\dot{ Z _Y}=\displaystyle \frac{\dot{ Z _Δ}}{3}$

電源のYーΔの相互変換

三相回路で、電源と負荷の結線方法が異なる場合には、電源側を Y⇒ΔまたはΔ⇒Yに変換して、計算を簡単にすることもできます。

電源のYーΔの相互変換
電源のYーΔの相互変換

Y結線側の相電圧が $\dot{ E _a}$,$\dot{ E _b}$,$\dot{ E _c}$ のとき、これと等価なΔ結線の相電圧 $\dot{ E _a′}$,$\dot{ E _b’}$,$\dot{ E _c’}$ は次のようになります。

$\dot{ E _a’}=\dot{ V _{ab}}=\sqrt{3}\dot{ E _a}∠\displaystyle \frac{\dot{ π}}{6}$

$\dot{ E _b’}=\dot{ V _{bc}}=\sqrt{3}\dot{ E _b}∠\displaystyle \frac{\dot{ π}}{6}$

$\dot{ E _c’}=\dot{ V _{ca}}=\sqrt{3}\dot{ E _c}∠\displaystyle \frac{\dot{ π}}{6}$

Y結線の相電圧の大きさ
Y結線の相電圧の大きさ

尚、Y結線の相電圧の大きさを $E_Y$、Δ結線の相電圧の大きさを $E_Δ$とすると、

$E_Δ=\sqrt{3}E_Y$
$E_Y=\displaystyle \frac{E_Δ}{\sqrt{3}}$

  

電験三種-理論(三相交流回路)過去問題

1998年(平成10年)問8

図のような平衡三相回路において、線電流の値が 60 [A] のとき、電源の相電圧 $V$ [V] の大きさとして、正しいのは次のうちどれか。

1998年(平成10年)問8

(1) 116 (2) 140 (3) 200 (4) 245 (5) 346

1998年(平成10年)問8 過去問解説

負荷側をΔ⇒Y変換すると、各相のインピーダンスが等しいので、インピーダンスは $\displaystyle \frac{1}{3}$になります。電源の相電圧 $V$ [V] の大きさは、

$\begin{eqnarray}V&=&IZ\\\\&=&I×\sqrt{r^2+x^2}\\\\&=&60×\sqrt{\left(\displaystyle \frac{8}{3}\right)^2+\left(\displaystyle \frac{6}{3}\right)^2}\\\\&=&200 [V] \end{eqnarray}$

答え (3)

2000年(平成12年)問6

図のような平衡三相回路において、線電流 $I$ [A] の値として、正しいものは次のうちどれか。

2000年(平成12年)問6

(1) 14.0 (2) 17.3 (3) 24.2 (4) 30.6 (5) 42.0

2000年(平成12年)問6 過去問解説

電源側をΔ⇒Y変換すると、Yに変換後の相電圧 $E_Y$ [V] は、

$E_Y=\displaystyle \frac{E_Δ}{\sqrt{3}}=\displaystyle \frac{420}{\sqrt{3}}≒242$ [V]

線電流 $I$ [A] は、

$I=\displaystyle \frac{E_Y}{Z}=\displaystyle \frac{242}{\sqrt{8^2+6^2}}=24.2$ [A]

答え (3)

2001年(平成13年)問11

図のような平衡三相回路の負荷において、誘導性リアクタンス $X_L$ [Ω] に流れる電流の大きさを $I_L$ [A] 、容量性リアクタンス $X_C$ [Ω] に流れる電流の大きさを $I_C$ [A] とするとき、次の(a)及び(b)に答えよ。

2001年(平成13年)問11

(a) $X_L$ [Ω] によるΔ結線の負荷をこれと等価なY結線の負荷に変換したとき、変換後の1相の誘導性リアクタンス $X_L’$ [Ω] に流れる電流 $I_L’$ [A] の大きさとして、正しいのは次のうちどれか。

(1) $\sqrt{3}I_L$ (2) $\sqrt{2}I_L$ (3) $I_L$ (4) $\displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{2} }I_L$ (5)$\displaystyle \frac{ 1 }{ \sqrt{3} }I_L$

(b) 図の回路において、電流 $I_L$ と$I_C$ が $I_L=\displaystyle \frac{ 2 }{ \sqrt{3} }I_C$の関係にあるとき、 $X_L$ [Ω] の値として、正しいのは次のうちどれか。

(1) 5 (2) 10 (3) 15 (4) 20 (5) 25

2001年(平成13年)問11 過去問解説

(a) Δ結線で、誘導性リアクタンス $X_L$ [Ω] に流れる電流の大きさを $I_L$ [A] は、

$I_L=\displaystyle \frac{V}{X_L}$ [A]

誘導性リアクタンス $X_L$ [Ω] をΔ⇒Y変換したときのリアクタンスを ${X_L}’$ [Ω] とすると、各相のインピーダンスは等しいので、

${X_L}’=\displaystyle \frac{X_L}{3}$

相電圧は $E=\displaystyle \frac{V}{\sqrt{3}}$ [V] ですので、Y回路に流れる電流 ${I_L}’$ は、

${I_L}’=\displaystyle \frac{E}{\displaystyle \frac{X_L}{3}}=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{V}{\sqrt{3}}}{\displaystyle \frac{X_L}{3}}=\sqrt{3}\displaystyle \frac{V}{X_L}=\sqrt{3}I_L$ [V]

答え (1)

(b) $I_C=\displaystyle \frac{E}{X_C}$ ですので、題意より

$I_L=\displaystyle \frac{ 2 }{ \sqrt{3} }I_C$

$\displaystyle \frac{V}{X_L}=\displaystyle \frac{ 2 }{ \sqrt{3} }\displaystyle \frac{E}{X_C}=\displaystyle \frac{ 2 }{ 3 }\displaystyle \frac{V}{X_C}$

$X_L=\displaystyle \frac{ 3 }{ 2 }X_C=\displaystyle \frac{ 3 }{ 2 }×10=15$ [Ω]

答え (3)

2002年(平成14年)問7

図のように、三つの交流電圧源から構成される回路において、各相の電圧 $\dot{ E_a }$ [V] ,$\dot{ E_b }$ [V] ,及び$\dot{ E_c }$ [V] は、それぞれ次のように与えられる。 ただし、式中の $∠Φ$は、$(cosΦ+jsinΦ)$ を表す。

$\dot{ E_a }=200∠0$ [V]
$\dot{ E_b }=200∠-\displaystyle \frac{ 2π }{ 3 }$ [V]
$\dot{ E_c }=200∠\displaystyle \frac{ π }{ 3 }$ [V]

このとき、図中の線間電圧 $\dot{ V }_{ca}$ [V] と $\dot{ V }_{bc}$ [V] の大きさ(スカラ量)の値として、 正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

2002年(平成14年)問7
線間電圧 $\dot{ V }_{ca}$ [V] の電圧線間電圧 $\dot{ V }_{bc}$ [V] の電圧
(1)$200$$0$
(2)$200\sqrt{3}$$200\sqrt{3}$
(3)$200\sqrt{3}$$400\sqrt{3}$
(4)$200\sqrt{3}$$400$
(5)$200$$400$

2002年(平成14年)問7 過去問解説

問をベクトル図で示します。

2002年(平成14年)問7 過去問解説

図より、線間電圧 $\dot{ V }_{ca}$ の電圧は 200 [V] 、線間電圧 $\dot{ V }_{bc}$ の電圧は 400 [V]

答え (5)

2003年(平成15年)問7

図の対称三相交流電源の各相の電圧は、それぞれ $\dot{ E _a}=200∠0$ [V] ,$\dot{ E _b}=200∠-\displaystyle \frac{ 2π }{ 3 }$ [V] 及び $\dot{ E_c }=200∠-\displaystyle \frac{ 4π }{ 3 }$ [V] である。この電源には、抵抗 40 [Ω] をΔ結線した三相平衡負荷が接続されている。このとき、線間電圧 $\dot{ V }_{ab}$ [V] と線電流 $\dot{ I_a}$ [A] の大きさ(スカラ量)の値として、最も近いものを組み合わせたのは次のうちどれか。

2003年(平成15年)問7
線間電圧 $\dot{ V }_{ab}$ [V] の大きさ線電流 $\dot{ I_a}$ [A] の大きさ
(1)2835
(2)2838.7
(3)3468.7
(4)34615
(5)40015

2003年(平成15年)問7 過去問解説

線間電圧 $\dot{ V_{ab} }$ [V] の大きさは、相電圧 $\dot{ E _a}$ [V] の $\sqrt{3}$ 倍ですので、

$ V_{ab}=\sqrt{3} E _a=\sqrt{3}×200=346$ [V]

相電流を $I_p$ [A] とすると、

$I_p=\displaystyle{ V_{ab}}{R}=\displaystyle{ 346}{40}=8.65$ [A]

線電流 $I_a$ [A] と、相電流を $I_p$ [A] は、$I_a=\sqrt{3}I_p$ [A] の関係がありますので、

$I_a=\sqrt{3}I_p=\sqrt{3}×8.65=15$ [A]

答え (4)

2009年(平成21年)問16

平衡三相回路について、次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) 図1のように、抵抗 $R$ [Ω] が接続された平衡三相負荷に線間電圧 $E$ [V] の対称三相交流電源を接続した。この時、図1に示す電流 $\dot{ I_1}$ [A] の大きさの値を示す式として、正しいのは次のうちどれか。

2009年(平成21年)問16(a)

(b) 次に、図1を図2のように、抵抗 $R$ [Ω] をインピーダンス $\dot{ Z}=12+j9$ [Ω] の負荷に置き換え、線間電圧 $E=200$ [V] とした。このとき、図2に示す電流 $\dot{ I_2}$ [A] の大きさの値として、最も近いのは次のうちどれか。

2009年(平成21年)問16(b)

2009年(平成21年)問16 過去問解説

(a) 抵抗負荷の中央部分をΔ⇒Y変換すると、抵抗値は $\displaystyle \frac{R}{3}$ になります。一相分の抵抗は、$R+\displaystyle \frac{R}{3}$ ですので、電流 $\dot{ I_1}$ [A] は、

2009年(平成21年)問16 過去問解説(a)

$\dot{ I_1}=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{E}{\sqrt{3}}}{R+\displaystyle \frac{R}{3}}=\displaystyle \frac{\sqrt{3}E}{4R}$ [A]

答え (3)

(b) 中央部分をΔ⇒Y変換すると、次の図のようになります。 電流 $\dot{ {I_2}’}$ [A] は、

2009年(平成21年)問16 過去問解説(b)

$\dot{ {I_2}’}=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{200}{\sqrt{3}}}{(12+j9)+(4+j3)}=\displaystyle \frac{200}{\sqrt{3}(16+j12)}$

$\dot{ {I_2}’}$ の大きさは

$ {I_2}’=\displaystyle \frac{200}{\sqrt{3}×\sqrt{16^2+12^2}}=5.77$ [A]

${I_2}’$ は線電流ですので、相電流の大きさ $I_2$ は、

$I_2=\displaystyle \frac{5.77}{\sqrt{3}}=3.3$ [A]

答え (2)

2012年(平成24年)問16

図のように、相電圧 200 [V] の対称三相交流電源に、複素インピーダンス $\dot{ Z}=5\sqrt{3}+j5$ [Ω] の負荷がY結線された平衡三相負荷を接続した回路がある。
次の(a)及び(b)の問に答えよ。

2012年(平成24年)問16

(a) 電流 $I_1$ [A] の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) $20.00∠-\displaystyle \frac{ π }{ 3 }$ (2) $20.00∠-\displaystyle \frac{ π }{ 6 }$ (3) $16.51∠-\displaystyle \frac{ π }{ 6 }$ (4) $11.55∠-\displaystyle \frac{ π }{ 3 }$ (5) $11.55∠-\displaystyle \frac{ π }{ 6 }$

(b) 電流 $I_{ab}$ [A] の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) $20.00∠-\displaystyle \frac{ π }{ 6 }$ (2) $11.55∠-\displaystyle \frac{ π }{ 3 }$ (3) $11.55∠-\displaystyle \frac{ π }{ 6 }$ (4) $6.67∠-\displaystyle \frac{ π }{ 3 }$ (5) $6.67∠-\displaystyle \frac{ π }{ 6 }$

2012年(平成24年)問16 過去問解説

(a) 電源側をΔ⇒Y変換し、Δ側の相電圧 $\dot{ E _a}$ を基準にしたベクトル図を示します。

図より、Δ結線をY結線に変換すると、相電圧は線間電圧の $\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}}$ になり、位相は $\displaystyle \frac{π}{6}$ 遅れます。

$\dot{ E _{Ya}}=\displaystyle \frac{\dot{ E _a}}{\sqrt{3}}∠-\displaystyle \frac{π}{6}=\displaystyle \frac{200}{\sqrt{3}}∠(0-\displaystyle \frac{π}{6})=\displaystyle \frac{200}{\sqrt{3}}∠-\displaystyle \frac{π}{6}$

一相分の負荷のインピーダンス $\dot{Z}$ [Ω] は、大きさが 10 [Ω] で、インピーダンス角が $\displaystyle \frac{π}{6}$ ですので、

$\dot{Z}=10∠\displaystyle \frac{π}{6}$ [Ω]

したがって、電流 $I_1$ [A] は、

$I_1=\displaystyle \frac{\dot{ E _{Ya}}}{\dot{Z}}=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{200}{\sqrt{3}}∠-\displaystyle \frac{π}{6}}{10∠\displaystyle \frac{π}{6}}=11.55∠-\displaystyle \frac{π}{3}$ [A]

答え (4)

(b) a相の電流をの関係をベクトル図を示します。

図より、相電流は線電流の $\displaystyle \frac{1}{\sqrt{3}}$ になり、位相は $\displaystyle \frac{π}{6}$ 進みます。

$\dot{I_{ab}}=\displaystyle \frac{\dot{I_{1}}}{\sqrt{3}}∠\displaystyle \frac{π}{6}=\displaystyle \frac{11.55}{\sqrt{3}}∠-\displaystyle \frac{π}{3}+\displaystyle \frac{π}{6}=6.67∠-\displaystyle \frac{π}{6}$ [A]

答え (5)

2016年(平成28年)問15

図のように、$r$ [Ω] の抵抗6個が線間電圧の大きさ $V$ [V] の対称三相電源に接続されている。b相の×印の位置で断線し、c-a相間が単相状態になったとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、電源の線間電圧の大きさ及び位相は、断線によって変化しないものとする。

2016年(平成28年)問15

(a) 図中の電流 $I$ の大きさ [A] は、断線前の何倍となるか。その倍率として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 0.50 (2) 0.58 (3) 0.87 (4) 1.15 (5) 1.73

(b) ×印の両側に現れる電圧の大きさ [V] は、電源の線間電圧の大きさ $V$ [V] の何倍となるか。その倍率として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 0 (2) 0.58 (3) 0.87 (4) 1.00 (5) 1.15

2016年(平成28年)問15 過去問解説

(a) 断線前の負荷側をΔ⇒Y変換した一相分の等価回路は、次の図のようになります。断線前では、相電流の大きさ $I_p$[A]は、

$I_p=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{V}{\sqrt{3}}}{r+\displaystyle \frac{r}{3}}=\displaystyle \frac{\sqrt{3}V}{4r}$ [A]

Δ結線の電流 $I$ [A] は、

$I=\displaystyle \frac{I_p}{\sqrt{3}}=\displaystyle \frac{V}{4r}$ [A]

b相の×印の位置で断線した時の等価回路を示します。流れる電流の大きさを $I’$ [A] とすると、

$I’=\displaystyle \frac{V}{2r+\displaystyle \frac{r×2r}{r+2r}}×\displaystyle \frac{r}{r+2r}=\displaystyle \frac{V}{8r}$

したがって、断線前の倍率は、

$\displaystyle \frac{I’}{I}=\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{V}{8r}}{\displaystyle \frac{V}{4r}}=0.5$

答え (1)

(b) 電圧のベクトル図を示します。

断線後、断線部の両側の電圧は、点aと点cの中点Pの電位と、点bの電位差になります。線間電圧の大きさを $V$ とすると、点Pの電位と、点bの電位差 OP は $\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}V$ ですので、その倍率は、

$\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}V}{V}=0.87$

答え (3)

コメント

  1. cube より:

    修正しました。
    いつも、ご指摘ありがとうございました。

    Y⇆Δの考え方は、平衡していることが条件ですが、ご質問の考えで大丈夫です。

    平衡している場合は、
    Y→Δ変換、電源√3倍、負荷3倍
    Δ→Y変換、電源1/√3倍、負荷1/3倍
    と、私は覚えました。

  2. Dai より:

    位相は相電圧より \displaystyle \frac{ π}{ 6 } 進みます。
    うまく変換されていないようです。
    →相電圧に対してπ/6進みます。だと思うのですが、確認お願いします。
    また、
    Y結線の相電圧の大きさを EY、Δ結線の相電圧の大きさを EΔとすると、
    EΔ=√3EY
    EY=EΔ/√3とありますが、

    Y-Δ変換するとEΔ=√3EY
    Δ-Y変換するとEY=EΔ/√3と考えて良いのでしょうか。
    お手数をお掛けしますが宜しくお願いします。