単相交流の直列回路【電験3種-理論】

単相交流の直列回路 理論

電験3種の理論で出題される単相交流の直列回路について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験3種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。

$R,L,C$ 単独回路

抵抗 $R$ が単独の交流回路

抵抗 $R$ の両端に電圧 $v=\sqrt{2}Vsinωt$[V]の電圧を加えます。流れる電流を $i$[A] 、電流の実効値を $I$[A]とすると、次のようになります。

$i =\sqrt{2}\displaystyle \frac{V}{ R }sinωt$[A]

$ I = \displaystyle \frac{ V}{ R }$ [A]

つまり、オームの法則が成立します。電圧 $v$[V],電流 $i$[A]を平面ベクトル $\dot{V}$[V],$\dot{I}$[A]で表します。

電流ベクトル $\dot{I}$ と電圧ベクトル $\dot{V}$ は、同じ方向になります。

$\dot{I}= \displaystyle \frac{\dot{ V}}{ R }$[A]

コイル(インダクタ)

コイル(インダクタ)は素子を流れる電流 $i $[A]と素子が発生する磁束 $Φ$[Wb]が比例する素子です。

$Φ = Li$

比例定数 $L$ をインダクタンス(単位:H 読み[ヘンリー])といいます。インダクタンスが $L$ であるコイルのことを、「コイル $L$ 」と呼びます。

コイル $L$ の両端に電圧 $v=\sqrt{2}Vsinωt$[V]の電圧を加えます。流れる電流を $i$[A] 、電流の実効値を $I$[A]とすると、次のようになります。

$i =\sqrt{2}\displaystyle \frac{ V}{ ωL }sin(ωt-\displaystyle \frac{ π}{ 2 })$[A]

$ I = \displaystyle \frac{ V}{ ωL }$ [A]

電圧 $v$[V],電流 $i$[A]を平面ベクトル $\dot{V}$[V],$\dot{I}$[A]で表します。

電流ベクトル $\dot{I}$ は、電圧ベクトル $\dot{V}$ より $\displaystyle \frac{ π}{ 2 }$(90度)遅れます。

$\dot{I}= \displaystyle \frac{\dot{ V}}{ jωL }= -j\displaystyle \frac{\dot{ V}}{ωL }$[A]

コンデンサ(キャパシタ)

コンデンサ(キャパシタ)は素子に蓄えら れている電荷 $q$[C] が素子の端子間電圧 $v$[V] に比例する素子です。

$ q=Cv $

比例定数 $C$ をキャパシタンス又は静電容量(単位:F 読み[ファラド])といいます。静電容量が $C$ であるコ ンデンサのことを、「コンデンサ $C$」と呼びます。

コンデンサ $C$ の両端に電圧 $v=\sqrt{2}Vsinωt$[V]の電圧を加えます。流れる電流を $i$[A] 、電流の実効値を $I$[A]とすると、次のようになります。

$i =\sqrt{2}×\displaystyle \frac{ V}{ \frac{ 1}{ ωC } }sin(ωt+\displaystyle \frac{ π}{ 2 })=\sqrt{2}ωCVsin(ωt+\displaystyle \frac{ π}{ 2 })$[A]

$ I = ωCV$ [A]

電圧 $v$[V],電流 $i$[A]を平面ベクトル $\dot{V}$[V],$\dot{I}$[A]で表します。

電流ベクトル $\dot{I}$ は、電圧ベクトル $\dot{V}$ より $\displaystyle \frac{ π}{ 2 }$(90度)進みます。

$\dot{I}= \displaystyle \frac{\dot{ V}}{ \frac{ 1}{ jωC } }= jωC\dot{ V}$[A]

誘導性リアクタンスと容量性リアクタンス

コイルとコンデンサにおいて、電圧と電流の実効値に注目すると、$ωL$ と $\displaystyle \frac{ 1 }{ ωC }$ は抵抗と同様の働きをしていることが分かります。これらは、誘導性リアクタンス $X_L$ と容量性リアクタンス $X_C$ と定義されています。どちらも単位はオーム[Ω]です。

誘導性リアクタンス:$X_L=ωL$[Ω]

容量性リアクタンス:$X_C=\displaystyle \frac{ 1 }{ ωC }$ [Ω]

インピーダンスとアドミタンス

インピーダンス

交流回路で素子の両端の電圧を $\dot{V}$[V]、素子を流れる電流を $\dot{I}$[A]とするとき、インピーダンス $Z$[Ω]と呼ばれる量が定義されています。

$Z = \displaystyle \frac{ \dot{V} }{ \dot{I} } $

この関係式は、直流回路におけるオームの法則と同じ形で、抵抗 $R$ をインピーダンス $Z$ に置き換えたものです。ただし、一般的にはインピーダンスは複素数になりますので、計算は直流回路に比べて複雑になります。各基本素子のインピーダンスは次のとおりになります。

抵抗のインピーダンス

$Z=R$

コイルのインピーダンス

$Z=jωL=jX_L$

コンデンサのインピーダンス

$Z = \displaystyle \frac{ 1 }{ jωC } =-jX_C$

インピーダンス三角形

インピーダンス $Z$ をベクトル図で表すと、$R$ が抵抗分、$X$ がリアクタンス分になります。リア クタンス分が正のときは誘導性で、負のときは容量性といいます。

インピーダンス$Z$ を、$Z=|Z|∠θ_Z$ とすると、$|Z|$ をインピーダンスの大きさ、$θ_Z$ をインピーダンス角といい、次のとおりになります。

$|Z|=\sqrt{R^2+X^2}$

$tanθ_Z= \displaystyle \frac{ X }{ R } $

アドミタンス

インピーダンス$Z$ の逆数をアドミタンス$Y$(単位:S 読み[ジーメンス]) といいます。インピーダンスと同様に、アドミタンスも複素数になります。

$Y=\displaystyle \frac{ 1}{ Z } = \displaystyle \frac{ I }{ V } $

各基本素子のアドミタンスは次のとおりになります

抵抗のアドミタンス

$Y=\displaystyle \frac{ 1}{R } $

コイルのアドミタンス

$Y=\displaystyle \frac{ 1}{ jωL } =-jX_L$

コンデンサのアドミタンス

$Y=jωC=jX_C$

アドミタンス三角形

アドミタンス $Y$ をベクトル図で表すと、$G$ がコンダクタンス分、$B$ がサセプタンス分といいます。サセプタンス分が正のときは容量性で、負のときは誘導性になります。

アドミタンス$Y$ を、$Y=|Y|∠θ_Y$ とすると、$|Y|$ をアドミタンスの大きさ、$θ_Y$ をアドミタンス角といい、次のとおりになります。

$|Y|=\sqrt{G^2+B^2}$

$tanθ_Y= \displaystyle \frac{ B }{ G } $

交流の直列回路

合成インピーダンス

図のようなインピーダンス $Z_1$,$Z_2$,… $Z_n$ が直列に接続された回路の合成インピーダンス $\dot{Z}$ は次のようになります。

$\dot{Z}=\dot{Z_1}+\dot{Z_2}+…\dot{Z_n}$

合成インピーダンスはベクトル計算になります。

$RL$ 直列回路

図のように、抵抗 $R$ とコイル $L$ からなる直列回路は、次のような関係式が成り立ちます。尚、$X_L$ は、コイルの誘導性リアクタンスとします。

$\dot{V_R}=R\dot{I}$
$\dot{V_L}=jωL\dot{I}=jX_L\dot{I}$
$\dot{V}=\dot{V_R}+\dot{V_L}=(R+jωL)\dot{I}$

電流 $I$ を基準としたフェーザ図は次のようになります。

電流の大きさ $I$[A]と電源電圧 $\dot{V}$,電流 $\dot{I}$ 間の位相差 $θ$ は次のようになります。

$I= \displaystyle \frac{ V }{ \sqrt{R^2+(ωL)^2}}$

$θ=tan^{-1} \displaystyle \frac{ V_L }{ V_R } =tan^{-1} \displaystyle \frac{ ωL }{ R } $

インピーダンス $\dot{Z}$ の大きさを $Z$[Ω]とすると、

$Z= \sqrt{R^2+(ωL)^2}$

インピーダンス三角形は、電流 $I$ を基準とした電圧のフェーザ図と相似になります。

$RC$ 直列回路

図のように、抵抗 $R$ とコンデンサ $C$ からなる直列回路は、次のような関係式が成り立ちます。尚、$X_C$ は、コンデンサの容量性リアクタンスとします。

$\dot{V_R}=R\dot{I}$
$\dot{V_C}= \displaystyle \frac{ \dot{I} }{ jωC }=-j \displaystyle \frac{ \dot{I} }{ ωC }=-jX_C\dot{I} $
$\dot{V}=\dot{V_R}+\dot{V_C}=(R-j \displaystyle \frac{ 1}{ ωC })\dot{I} $

電流 $I$ を基準としたフェーザ図は次のようになります。

電流の大きさ $I$[A]と電源電圧 $\dot{V}$ ,電流 $\dot{I}$ 間の位相差 $θ$ は次のようになります。

$I= \displaystyle \frac{ V }{ \displaystyle \sqrt{R^2+(\frac{ 1 }{ ωC })^2}}$

$θ=tan^{-1} \displaystyle \frac{ V_C }{ V_R } =tan^{-1} ( \frac{ -\frac{ 1 }{ ωC } }{ R } )= tan^{-1} (-\frac{ 1 }{ ωCR })$

インピーダンス $\dot{Z}$ の大きさを $Z$[Ω]とすると、

$Z=\displaystyle \sqrt{R^2+(\frac{ 1 }{ ωC })^2}$

インピーダンス三角形は、電流 $I$ を基準とした電圧のフェーザ図と相似になります。

$RLC$ 直列回路

図のように、抵抗 $R$ とコイル $L$ 及びコンデンサ $C$ からなる直列回路は、次のような関係式が成り立ちます。

$\dot{V_R}=R\dot{I}$
$\dot{V_L}=jωL\dot{I}=jX_L\dot{I}$
$\dot{V_C}= \displaystyle \frac{ \dot{I} }{ jωC }=-j \displaystyle \frac{ \dot{I} }{ ωC }=-jX_C\dot{I} $
$\dot{V}=\dot{V_R}+\dot{V_L}+\dot{V_C}=\left(R+j(ωL-\displaystyle \frac{1}{ωC})
\right)\dot{I}$

電流 $I$ を基準としたフェーザ図は次のようになります。

電流の大きさ $I$[A]と電源電圧 $\dot{V}$ ,電流 $\dot{I}$ 間の位相差 $θ$ は次のようになります。

$I= \displaystyle \frac{ V }{ \displaystyle \sqrt{R^2+(ωL-\frac{ 1 }{ ωC })^2}}$

$θ=tan^{-1} \displaystyle \frac{ V_L+V_C }{ V_R } =tan^{-1}( \frac{ ωL-\frac{ 1 }{ ωC } }{ R } )$

インピーダンス $\dot{Z}$ の大きさを $Z$[Ω]とすると、

$Z=\displaystyle \sqrt{R^2+(ωL-\frac{ 1 }{ ωC })^2}$

インピーダンス三角形は、電流 $I$ を基準とした電圧のフェーザ図と相似になります。

$RLC$ 直列回路の例題

図の回路の誘導性リアクタンス $X_L$[Ω]、容量性リアクタンス $X_C$[Ω]、合成インピーダンス $Z$[Ω]、電流 $I$[A]、$R$,$L$,$C$に生じる電圧降下 $V_R$,$V_L$,$V_C$ を求めてみます。

誘導性リアクタンスと容量性リアクタンス

誘導性リアクタンス

$\begin{eqnarray}X_L&=&ωL\\\\&=&400×17.5×10^{-3}=7[Ω]\end{eqnarray}$

容量性リアクタンス

$\begin{eqnarray}X_C&=&\displaystyle \frac{ I }{ ωC }\\\\&=&\displaystyle \frac{ I }{400×1250×10^{-6} }\\\\&=&\displaystyle \frac{1 }{0.5 }=2[Ω]\end{eqnarray}$

合成インピーダンス

$RLC$ 直列回路の合成インピーダンスは、各インピーダンスのベクトル合計です。

$\begin{eqnarray}\dot{Z}&=&R+\dot{X_L}+\dot{X_C}\\\\&=&R+jX_L-jX_C\\\\&=&R+j(X_L-X_C)\\\\&=&5\sqrt{3}+j(7-2)\\\\&=&5\sqrt{3}+j5[Ω]\end{eqnarray}$

フェーザ図は次のようになります。

図よりインピーダンス $\dot{Z}$ の大きさと、偏角 $θ_Z$ を求めてみます。

$\begin{eqnarray}|Z|&=&\sqrt{(5\sqrt{3})^2+5^2}\\\\&=&\sqrt{75+25}=\sqrt{100}=10[Ω]\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}θ_Z&=&tan^{-1}\displaystyle \frac{ 5 }{5\sqrt{3} }\\\\&=&tan^{-1}\displaystyle \frac{ 1}{\sqrt{3} }\\\\&=&\displaystyle \frac{ π }{6 }\end{eqnarray}$

電流

$RLC$ 直列回路に流れる電流のベクトル $\dot{I}$ は、電圧の実効値を $\dot{V}$ とすると、オームの法則より

$\begin{eqnarray}\dot{I}&=&\displaystyle \frac{ \dot{V} }{\dot{Z} }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 10 }{5\sqrt{3}+j5 }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 10(5\sqrt{3}-j5) }{(5\sqrt{3}+j5)(5\sqrt{3}-j5) }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 50\sqrt{3}-j50 }{(5\sqrt{3})^2-(j5)^2 }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 50\sqrt{3}-j50 }{75+25 }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 50\sqrt{3}-j50 }{100 }\\\\&=&\displaystyle \frac{ \sqrt{3} }{2 }-j\displaystyle \frac{ 1 }{2 }\end{eqnarray}$

フェーザ図は次のようになります。

図より電流 $\dot{I}$ の大きさ(実効値)と、偏角(位相) $θ_I$ を求めてみます。

$\begin{eqnarray}I&=&\displaystyle\sqrt{\left( \frac{ \sqrt{3} }{2}\right)^2+\left( \frac{ 1 }{2}\right)^2}\\\\&=&\displaystyle\sqrt{ \frac{ 3 }{4}+ \frac{ 1 }{4}}=1[A]\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}θ_I&=&tan^{-1}\displaystyle \frac{ -\displaystyle \frac{1 }{2 } }{\displaystyle \frac{ \sqrt{3} }{2 } }\\\\&=&tan^{-1}(- \frac{ 1}{\sqrt{3} })\\\\&=&-\displaystyle \frac{ π }{6 }\end{eqnarray}$

電流を瞬時値 $i$[A]で表してみると、

$i=\sqrt{2}sin(400t-\displaystyle \frac{ π }{6 })$[A]

電圧降下

$R$,$L$,$C$に生じる電圧降下 $V_R$,$V_L$,$V_C$ を求めてみます。

$\begin{eqnarray}\dot{V_R}&=&R\dot{I}\\\\&=&5\sqrt{3}\left(\displaystyle \frac{ \sqrt{3} }{2 }-j\displaystyle \frac{ 1 }{2 }\right)\\\\&=&\displaystyle \frac{ 5\sqrt{3}×\sqrt{3} }{2 }-j\displaystyle \frac{ 5\sqrt{3} }{2 }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 15 }{2 }-j\displaystyle \frac{ 5\sqrt{3} }{2 }\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}\dot{V_L}&=&jX_L\dot{I}\\\\&=&j7\left(\displaystyle \frac{ \sqrt{3} }{2 }-j\displaystyle \frac{1 }{2 }\right)\\\\&=&\displaystyle \frac{ 7 }{2 }+j\displaystyle \frac{7 \sqrt{3} }{2 }\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}\dot{V_C}&=&-jX_C\dot{I}\\\\&=&-j2\left(\displaystyle \frac{ \sqrt{3} }{2 }-j\displaystyle \frac{1 }{2 }\right)\\\\&=&-1-j\sqrt{3} \end{eqnarray}$

キルヒホッフの法則は、交流回路においても成り立ちます。キルヒホッフの電圧測が成り立つのかを試してみます。電源電圧の実効値 $\dot{V}$ は、$\dot{V}=\dot{V_R}+\dot{V_L}+\dot{V_C}$ ですので、

$\begin{eqnarray}\dot{V}&=&\dot{V_R}+\dot{V_L}+\dot{V_C}\\\\&=&(\displaystyle \frac{ 15 }{2 }-j\displaystyle \frac{ 5\sqrt{3} }{2 })+(\displaystyle \frac{ 7 }{2 }+j\displaystyle \frac{7 \sqrt{3} }{2 })+(-1-j\sqrt{3} )\\\\&=&(\displaystyle \frac{ 15 }{2 }+\displaystyle \frac{ 7 }{2 }-1)+j(-\displaystyle \frac{ 5\sqrt{3} }{2 }+\displaystyle \frac{7 \sqrt{3} }{2 }-\sqrt{3})\\\\&=&10+j0\end{eqnarray}$

電験3種-理論(交流回路)過去問題

1998年(平成10年)問7

図のような交流回路において、抵抗 $R$ の両端の電圧 $V_R$[V]の値が電源電圧 $V$[V]の値の $\displaystyle \frac{ 1 }{\sqrt{2}}$ 倍であった。このときの抵抗 $R$[Ω]とインダクタンス $L$[H]との関係を表す式として、正しいのは次のうちどれか。ただし、電源電圧の各周波数は $ω$[rad/s]とする。

(1)$R=L$ (2)$L=ωR$ (3)$ωLR=1$ (4)$R=ωL$ (5)$ω=LR$

1998年(平成10年)問7 過去問解説

誘導性リアクタンスを $X_L=ωL$[Ω]とすると回路の合成インピーダンス $Z$[Ω]は、

$Z=\sqrt{R^2+{X_L}^2}$[Ω]

分圧の法則より

$\begin{eqnarray}V_R&=&\displaystyle \frac{ R }{Z}×V\\\\&=&\displaystyle \frac{ R }{\sqrt{R^2+{X_L}^2}}×V=\displaystyle \frac{ 1 }{\sqrt{2}}V\end{eqnarray}$

$\sqrt{2}R=\sqrt{R^2+{X_L}^2}$
$2R^2=R^2+{X_L}^2$
$R=X_L=ωL$

答え(4)

2000年(平成12年)問9

図のような回路において、電源電圧が $e=200sin(ωt+\displaystyle \frac{ π }{4})$[V]であるとき、回路に流れる電流 $i$[A]を表す式として正しいのは次のうちどれか。

(1)$i=10sin(ωt+\displaystyle \frac{ π }{12})$
(2)$i=5\sqrt{2}sin(ωt-\displaystyle \frac{ π }{6})$
(3)$i=10\sqrt{2}sin(ωt+\displaystyle \frac{ π }{6})$
(4)$i=5\sqrt{2}sin(ωt-\displaystyle \frac{ π }{12})$
(5)$i=10sin(ωt-\displaystyle \frac{ π }{12})$

2000年(平成12年)問9 過去問解説

回路の合成インピーダンス $Z$[Ω]は

$Z=\sqrt{R^2+X_L^2}=\sqrt{(10\sqrt{3})^2+10^2}=20$[Ω]

電流の実効値を $I$[A]とすると、

$I=\displaystyle \frac{ V }{Z}=\displaystyle \frac{\frac{200 }{\sqrt{2}} }{20}=\displaystyle \frac{10 }{\sqrt{2}}$

電源電圧 $e$[V]と電流 $I$[A]の位相差を $ θ$ とすると、

$\begin{eqnarray}θ&=& tan^{-1}\displaystyle \frac{ X_L }{ R } \\\\&=& tan^{-1}\displaystyle \frac{10}{ 10\sqrt{3} }\\\\&=& tan^{-1}\displaystyle \frac{1}{ \sqrt{3} } = \displaystyle \frac{π}{ 6 } \end{eqnarray}$

合成負荷は誘導性なので、電流の瞬時値 $i$[A]は電源電圧 $e$[V]より、$ \displaystyle \frac{π}{ 6 } $ 遅れます。したがって、

$\begin{eqnarray}i&=&\displaystyle \frac{10 }{\sqrt{2}}×\sqrt{2}sin(ωt+\displaystyle \frac{ π }{4}-\displaystyle \frac{π}{ 6 })\\\\&=&10sin(ωt+\displaystyle \frac{ π }{12})[A]\end{eqnarray}$

答え(1)

2003年(平成15年)問16 

図1のように、抵抗 $R_0=16$[Ω]、インピーダンス $\dot{Z}$[Ω]の誘導性負荷(抵抗 $R$[Ω]、誘導性リアクタンス $X$[Ω])を直列に接続した交流回路がある。 正弦波交流電圧 $\dot{E}=10\sqrt{3}$[V]の電源をこの回路に接続したところ、$R_0$ の端子間電圧の大きさ、誘導性負荷の端子間電圧の大きさは、それぞれ $10$[V]であった。 次の(a)及び(b)に答よ。

(a)回路に流れる電流を $\dot{I}$[A]とすれば、$\dot{E}$、$R_0\dot{I}$、$\dot{Z}\dot{I}$ の関係をベクトル図で表すと図2のようになる。電流 $\dot{I}$[A]の大きさの値と、電圧 $\dot{E}$ と電流 $\dot{I}$ の位相差 $θ$[°]の値として、正しいものを組み合わせたものは次のうちどれか。

(b)$\dot{E}$、$(R_0+R)\dot{I}$、$X\dot{I}$ の関係をベクトル図で表すと図3のようになる。これより、$R$[Ω]と $X$[Ω]の値として、最も近いものを組み合わせたものは次のうちどれか。

2003年(平成15年)問16 過去問解説

(a)抵抗 $R_0$ の電圧降下は $10$[V]ですので、

$I=\displaystyle \frac{10}{R_0}=\displaystyle \frac{10}{16}=0.625$[A]

抵抗 $R$ による電圧降下を $R_L$[Ω]、誘導性リアクタンス $X$ による 電圧降下を $V_X$[Ω]とすると、

$10^2={V_R}^2+{V_X}^2$ … (1)

$(10\sqrt{3})^2=(10+V_R)^2+{V_X}^2$
$300=100+20V_R+{V_R}^2+{V_X}^2$
$200=20V_R+{V_R}^2+{V_X}^2$ … (2)

(1),(2)式より

$200=20V_R+100$
$V_R=5$[V]

$\begin{eqnarray}θ&=&cos^{-1}\left(\displaystyle \frac{R_0I+V_R}{E}\right)\\\\&=&cos^{-1}\left(\displaystyle \frac{10+5}{10\sqrt{3}}\right)\\\\&=&cos^{-1}\left(\displaystyle \frac{3}{2\sqrt{3}}\right)\\\\&=&cos^{-1}\left(\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}\right)=\displaystyle \frac{π}{6}\end{eqnarray}$

(b)$R$[Ω]と $X$[Ω]の値は、

$R=\displaystyle \frac{V_R}{I}=\displaystyle \frac{5}{0.625}=8$[Ω]

(1)式より

$10^2=5^2+{V_X}^2$
${V_X}^2=75$
$V_X=5\sqrt{3}$ [Ω]

$X=\displaystyle \frac{V_L}{I}=\displaystyle \frac{5\sqrt{3}}{0.625}=13.9$[Ω]

答え(a)-(4)、(b)-(2)

2004年(平成16年)問8

図1のような抵抗 $R$[Ω]と誘導性リアクタンス $X$[Ω]との直列回路がある。この回路に正弦波交流電圧 $E=100$[V]を加えたとき、回路に流れる電流は $10$[A]であった。この回路に図2のように、更に抵抗 $11$[Ω]を直列接続したところ、回路に流れる電流は $5$[A]になった。抵抗 $R$[Ω]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)5.5 (2)8.1 (3)8.6 (4)11.4 (5)16.7

2004年(平成16年)問8 過去問解説

図1の回路の合成インピーダンスを $Z_1$[Ω]とすると、

$Z_1=\displaystyle \frac{100}{10}=10$[Ω]
${Z_1}^2=R^2+X^2$
$R^2+X^2=100$ … (1)

図2の回路の合成インピーダンスを $Z_2$[Ω]とすると、

$Z_2=\displaystyle \frac{100}{5}=20$[Ω]
${Z_2}^2=(R+11)^2+X^2$
$R^2+22R+X^2=279$ … (2)

(1),(2)式より、

$22R+100=279$
$22R=179$
$R=\displaystyle \frac{179}{22}≒8.14$[Ω]

答え(2)

2006年(平成18年)問9

図のように、$R$[Ω]の抵抗インダクタンス $L$[H]のコイルを直列に接続した回路がある。この回路に角周波数 $ω$[rad/s]の正弦波交流電圧 $\dot{E}$[V]を加えたとき、この電圧の位相[rad]に対して回路を流れる電流 $\dot{I}$[A]の位相[rad]として、正しいのは次のうちどれか。

2006年(平成18年)問9 過去問解説

抵抗 $R$ の電圧降下を $V_R$、インダクタンス $L$ の電圧降下を $V_L$ とすると、

$\dot{V_R}=R\dot{I}$
$\dot{V_L}=jωL\dot{I}$

電源電圧 $\dot{E}$ と電流 $\dot{I}$ の位相差 $θ$ は、

$θ=tan^{-1} \displaystyle \frac{ V_L }{ V_R } =tan^{-1} \displaystyle \frac{ ωL }{ R } $

合成負荷は誘導性なので、電流は電源電圧 より、$ tan^{-1} \displaystyle \frac{ ωL }{ R } $ 遅れます。

答え(5)

2009年(平成21年)問8

図のように、$R=\sqrt{3}ωL$[Ω]の抵抗、インダクタンス $L$[H]のコイル、スイッチ S が角周波数 $ω$[rad/s]の交流電圧 $\dot{E}$[V]の電源に接続されている。スイッチ S を開いているとき、コイルを流れる電流の大きさを $I_1$[A]、電源電圧に対する電流の位相差を $θ_1$[°]とする。また、スイッチ S を閉じているとき、コイルを流れる電流の大きさを $I_2$[A]、電源電圧に対する電流の位相差を $θ_2$[°]とする。このとき、$\displaystyle\frac{I_1}{I_2}$ 及び $|θ_1-θ_2|$[°]の値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

2009年(平成21年)問8 過去問解説

スイッチ S を開いているとき、電流の大きさと $I_1$[A]と電源電圧 $\dot{E}$ ,電流 $\dot{I_1}$ 間の位相差 $θ_1$ は、

$\begin{eqnarray}I_1&=& \displaystyle \frac{ E }{ \sqrt{R^2+(ωL)^2}}\\\\&=& \displaystyle \frac{ E }{ \sqrt{(\sqrt{3}ωL)^2+(ωL)^2}}\\\\&=& \displaystyle \frac{ E }{ \sqrt{R^2+(ωL)^2}}= \displaystyle \frac{ E }{ 2ωL}\end{eqnarray}$

$\begin{eqnarray}θ_1&=& tan^{-1}\displaystyle (\frac{ ωL }{ R }) \\\\&=& tan^{-1}\displaystyle( \frac{ ωL }{ \sqrt{3}ωL } )\\\\&=&tan^{-1}\displaystyle( \frac{ 1 }{ \sqrt{3} } )=30[°]\end{eqnarray}$

スイッチ S が閉じているとき、電流の大きさと $I_2$[A]と電源電圧 $\dot{E}$ ,電流 $\dot{I_2}$ 間の位相差 $θ_2$ は、

$I_2= \displaystyle \frac{ E }{ ωL}$

$θ_2= tan^{-1}\displaystyle (\frac{ ωL }{ 0 }) = tan^{-1}∞=90[°]$

したがって、$\displaystyle\frac{I_1}{I_2}$ 及び $|θ_1-θ_2|$[°]のは、

$\displaystyle\frac{I_1}{I_2}=\displaystyle\frac{\displaystyle \frac{ E }{ 2ωL}}{\displaystyle \frac{ E }{ ωL}}=\displaystyle\frac{1}{2}$

$|θ_1-θ_2|=|30-90|=60$[°]

答え(2)

2011年(平成23年)問9

図のように、$1000$[Ω]の抵抗と静電容量 $C$[μF]のコンデンサを直列に接続した交流回路がある。いま、電源の周波数が $1000$[Hz]のとき,電源電圧 $\dot{E}$[V]と電流 $\dot{I}$[A]の位相差は $\displaystyle\frac{π}{3}$[rad]であった。このとき、コンデンサの静電容量 $C$[μF]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.053 (2)0.092 (3)0.107 (4)0.159 (5)0.258

2011年(平成23年)問9 過去問解説

インピーダンス角 $θ$ は、電源電圧 $\dot{E}$[V]と電流 $\dot{I}$[A]の位相差に等しくなりますので、

$tan\displaystyle\frac{π}{3}=\displaystyle \frac{ X_C }{ R}$
$X_C=Rtan\displaystyle\frac{π}{3}=1000\sqrt{3}$[Ω]

容量性リアクタンス $X_C$[Ω]は、

$X_C=\displaystyle \frac{ 1 }{ ωC×10^{-6} }=\displaystyle \frac{ 1 }{ 2πfC ×10^{-6}}$

$1000\sqrt{3}=\displaystyle \frac{ 1 }{ 2π×1000×C ×10^{-6}}$

これを計算すると、

$C=0.092$[μF]

答え(2)

2013年(平成25年)問7

$4$[Ω]の抵抗と静電容量が $C$[F]のコンデンサを直列に接続したRC回路がある。このRC回路に、周波数 $50$[Hz]の交流電圧 $100$[V]の電源を接続したところ、$20$[A]の電流が流れた。では、このRC回路に、周波数 $60$[Hz]の交流電圧 $100$[V]の電源を接続したとき、RC回路に流れる電流[A]の値として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 16.7 (2) 18.6 (3) 21.2 (4) 24.0 (5) 25.6

2013年(平成25年)問7 過去問解説

周波数 $50$[Hz]の電源を接続したときのコンデンサのリアクタンスを $X_{50}$ とすると、

$I_{50}=\displaystyle \frac{ 100 }{ \sqrt{4^2+{X_{50}}^2 }}=20$
$16+{X_{50}}^2=25$
$X_{50}=3$[Ω]

$X_C=\displaystyle \frac{ 1}{ 2πfC }$ なので、

$X_{50}=\displaystyle \frac{ 1}{ 2π×50×C }=3$

$C=\displaystyle \frac{ 1}{ 300π }$

周波数 $60$[Hz]の電源を接続したときのコンデンサのリアクタンスを $X_{60}$ とすると、

$X_{60}=\displaystyle \frac{ 1}{ 2π×60×\displaystyle \frac{ 1}{ 300π } }=2.5$ [Ω]

周波数 $60$[Hz]の電源を接続したときに流れる電流 $I_{60}$[A]は、

$I_{60}=\displaystyle \frac{ 100 }{ \sqrt{4^2+{2.5}^2 }}≒21.2$

答え(3)

理論電験3種
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