電験三種の法規で出題される電気設備の接地について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。
- 接地工事の目的
- 各種接地工事の細目
- 電気機械器具の外箱等の接地
- 電験三種-法規(電気設備技術基準)過去問題
- 1999年(平成11年)問2
- 1999年(平成11年)問2 過去問解説
- 2000年(平成12年)問5
- 2000年(平成12年)問5 過去問解説
- 2002年(平成14年)問7
- 2002年(平成14年)問7 過去問解説
- 2003年(平成15年)問6
- 2003年(平成15年)問6 過去問解説
- 2005年(平成17年)問3
- 2005年(平成17年)問3 過去問解説
- 2006年(平成18年)問8
- 2006年(平成18年)問8 過去問解説
- 2008年(平成20年)問9
- 2008年(平成20年)問9 過去問解説
- 2011年(平成23年)問3
- 2011年(平成23年)問3 過去問解説
- 2012年(平成24年)問6
- 2012年(平成24年)問6 過去問解説
- 2013年(平成25年)問4
- 2013年(平成25年)問4 過去問解説
- 2013年(平成25年)問9
- 2013年(平成25年)問9 過去問解説
- 2015年(平成27年)問5
- 2015年(平成27年)問5 過去問解説
- 2016年(平成28年)問2
- 2016年(平成28年)問2 過去問解説
接地工事の目的
電気機器の外箱や鉄台を、電線で大地とつなぐことを接地といいます。外箱や鉄台には、ふつう電気は通じていませんが、落電や機器の故障、老朽化などによって電気が漏れ出ると、感電や火災などが発生する恐れがあります。そこで接地工事を施しておけば、もし電気が漏れた場合には、電気は大地に流れ、感電や火災などの危険を防ぐことができます。
電気設備技術基準 第10、11条では、接地について、次のように規定されています。
- 電気設備の接地(電技 第10条)
電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。
- 電気設備の接地の方法(電技 第11条)
電気設備に接地を施す場合は、電流が安全かつ確実に大地に通ずることができるようにしなければならない。
接地工事の種類と接地抵抗
接地工事には、A種・B種・C種・D種の4種類に区分されています。このうちB種接地は、主に変圧器の2次側中性線の接地です。A種・C種・D種接地は、電気機器などの外箱や鉄台に接地をするものです。
接地工事は大地に銅板や炭素鋼などの接地極を埋め込みます。その接地極と大地間には電気抵抗が発生します。その電気抵抗のことを接地抵抗といいます。
接地工事の種類により、接地抵抗値は規定の値以下に保つように電気設備技術基準で以下のとおりに定められています。
接地工事の種類 | 機械器具の区分 | 接地抵抗値 |
A種接地工事 | 高圧用又は特別高圧用のもの | 10[Ω]以下 |
B種接地工事 | 高圧電路又は特別高圧電路と 低圧電路とを結合する変圧器 の低圧側の中性点に施すもの | $\displaystyle \frac{ 150 }{ 線路の1線地絡電流 }$[Ω]以下 混触の際に高圧電路を1秒を超え2 秒以内に遮断すれば $\displaystyle \frac{ 300 }{ 線路の1線地絡電流 }$[Ω]以下 混触の際に高圧電路を1秒以内に遮断すれば $\displaystyle \frac{ 600 }{ 線路の1線地絡電流 }$[Ω]以下 |
C種接地工事 | 300Vを超える低圧用のもの | 10[Ω]以下 (地絡を生じたときに0.5 秒以内に遮断すれば 500[Ω]) |
D種接地工事 | 300V以下の低圧用のもの | 100[Ω]以下 (地絡を生じたときに0.5 秒以内に遮断すれば 500[Ω]) |
各種接地工事の細目
接地に用いる接地線は、腐食し難い金属線で、故障の際に流れる電流を安全に大地に通じることが必要です。電気設備技術基準の解釈 第17条では、接地工事の種類及び施設方法について、次のように規定されています。
接地工事の種類 | 接地線の種類 |
A種接地工事 | 引張強さ 1.04kN以上の金属線または直径 2.6mm以上の軟銅線 |
B種接地工事 | 引張強さ 2.46kN以上の金属線または直径 4mm以上の軟銅線 |
C種接地工事及びD種接地工事 | 引張強さ 0.39kN以上の金属線または直径 1.6mm以上の軟銅線 |
人が触れるおそれのある箇所の接地工事の施設方法
故障時に接地線に電流が流れると、接地抵抗により大地間に電位を生じ危険なため、人が触れるおそれのある箇所のA種またはB種の接地工事は、次の規定にしたがう必要があります。
- 接地工事の種類及び施設方法(解釈 第17条)
- 接地極は、地下 75cm以上の深さに埋設すること。
- 接地極を鉄柱その他の金属体に近接して施設する場合は、次のいずれかによること。
- 接地極を鉄柱その他の金属体の底面から 30cm以上の深さに埋設すること。
- 接地極を地中でその金属体から 1m以上離して埋設すること。
- 接地線には、絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用すること。ただし、接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合以外の場合には、接地線の地表上 60cmを超える部分については、この限りでない。
- 接地線の地下 75cmから地表上 2mまでの部分は、電気用品安全法の適用を受ける合成樹脂管(厚さ 2mm未満の 合成樹脂製電線管及びCD管を除く。)又はこれと同等以上の絶縁効力及び強さのあるもので覆うこと。
接地工事の特例
電気設備技術基準の解釈 第17条では、金属体の接地の省略について、次のように規定されています。
- 金属体の接地の省略(解釈 第17条)
C種またはD種の接地工事を施さなければならない金属体と大地の間の電気抵抗が、C種の場合 10[Ω]以下、D種の場合 100[Ω]以下であれば、それぞれ接地工事を施したものとみなされ、接地を省略できる。
金属製水道管は地下に網のように埋没されているため、接地抵抗値が低いので、接地極として使用することができます。電気設備技術基準の解釈 第18条では、次の条件を満たしている場合に使用できると規定されています。
- 金属製水道管を使用する場合(解釈 第18条)
- 接地抵抗が 3[Ω]以下であること。
- 接地線は金属製水道管の内径 75[mm]以上の部分、またはこれから分岐する点から 5[m]以内(接地抵抗値が 2[Ω]以下の場合は、5[m]を超えてもよい)の部分に取り付けること。
- 量水器を挾んで接地線を接続する場合は、堅ろうなボンドを取り付ける。接地線と金属製水道管との接続では腐食を生じないようにする。
- 接地箇所を人が触れるおそれのある場所には損傷防止の防護装置を取り付ける。
ビルに使用されている鉄骨などは接地抵抗値が低いので、A種・B種接地工事の接地極として使用することができます。電気設備技術基準の解釈 第18条では、次の条件を満たしている場合に使用できると規定されています。
- 建築物の鉄骨、鉄筋を使用する場合(解釈 第18条)
- 鉄骨、鉄筋と大地の間の接地抵抗値は 2[Ω]以下であること。
- 非接地式高圧電路にのみ使用すること。
電気設備技術基準 第28条では、計器用変成器の2次側電路の接地について、次のように規定されています。
- 計器用変成器の2次側電路の接地(解釈 第28条)
- 高圧計器用変成器の2次側電路には、D種接地工事を施すこと。
- 特別高圧計器用変成器の2次側電路には、A種接地工事を施すこと。
電気機械器具の外箱等の接地
電動機などの電気機械器具は、内部の絶縁劣化や不良、静電誘導などにより電位が生じると危険なため、電気機械器具の鉄台や金属製外箱には、使用電圧に応じた接地工事を施します。
ただし、機械器具が小出力発電設備である燃料電池発電設備の場合を除いて、次のように感電の恐れが小さい場合は、接地工事の省略が認められています。
- 交流の対地電圧が 150V以下、または直流の使用電圧が 300V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
- 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床などの上で取り扱うように施設する場合
- 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
- 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に絶縁変圧器(2次側線間電圧が 300V以下であって、容量が 3kVA以下のものに限る。)を施設し、その負荷側の電路を接地しない場合
- 水気のない場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、漏電遮断器(定格感度電流が 15mA以下、動作時間が 0.1秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合
- 金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける場合
- 外箱のない計器用変成器がゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したものである場合
- 人が触れるおそれがない木柱などの上に施設する場合
電験三種-法規(電気設備技術基準)過去問題
1999年(平成11年)問2
次の文章は、「電気設備基準の解釈」に基づく接地工事の接地線に関する記述である。
接地工事の接地線には、原則として、A種接地工事では引張強さ 1.04[kN]以上の容易に腐食し難い金属線又は直径( ア )[mm]以上の軟銅線、B種接地工事では引張強さ 2.46[kN]以上の容易に腐食し難い金属線又は直径( イ )[mm]以上の軟銅線、C種接地工事及びD種接地工事では引張強さ 0.39[kN]以上の容易に腐食し難い金属線又は直径( ウ )[mm]以上の軟銅線であって、故障の際に流れる電流を安全に通ずることができるものを使用すること。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に記入する数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
(1) | 2.0 | 2.6 | 1.6 |
(2) | 2.6 | 4.0 | 1.6 |
(3) | 2.6 | 4.0 | 2.0 |
(4) | 3.2 | 5.0 | 2.0 |
(5) | 3.2 | 5.0 | 2.6 |
1999年(平成11年)問2 過去問解説
電気設備技術基準の解釈 第17条「接地工事の種類及び施設方法」の規定です。
接地工事の接地線には、原則として、A種接地工事では引張強さ1.04[kN]以上の容易に腐食し難い金属線又は直径( 2.6 )[mm]以上の軟銅線、B種接地工事では引張強さ2.46[kN]以上の容易に腐食し難い金属線又は直径( 4.0 )[mm]以上の軟銅線、C種接地工事及びD種接地工事では引張強さ0.39[kN]以上の容易に腐食し難い金属線又は直径( 1.6 )[mm]以上の軟銅線であって、故障の際に流れる電流を安全に通ずることができるものを使用すること。
答え (2)
2000年(平成12年)問5
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、接地抵抗に関する記述である。
低圧電路に施設する 300[V]以下の機械器具の金属製外箱等に施すD種接地工事の接地抵抗値は、原則として 100[Ω]以下とするが、当該電路に地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは、( )[Ω]以下とすることができる。
上記の記述中の空白箇所に記入する数値として、適切なものは次のうちどれか。
(1) 1000 (2) 500 (3) 300 (4) 200 (5) 150
2000年(平成12年)問5 過去問解説
電気設備技術基準の解釈 第29条「機械器具の金属製外箱等の接地」の規定です。
低圧電路に施設する 300[V]以下の機械器具の金属製外箱等に施すD種接地工事の接地抵抗値は、原則として 100[Ω]以下とするが、当該電路に地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは、( 500 )[Ω]以下とすることができる。
答え (2)
2002年(平成14年)問7
次の文章は、電気設備の接地に関する記述であるが、「電気設備の技術基準の解釈」から判断して不適切なものは次のうちどれか。
- 使用電圧 200[V]の機械器具の鉄台に施す接地工事の接地抵抗値を 90[Ω]とした。
- 使用電圧 100[V]の機械器具を屋内の乾燥した場所で使用するので、その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。
- 使用電圧 440[V]の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が0.1秒の漏電遮断器が施設されているので、その機械器具の鉄台の接地工事の接地抵抗値を 300[Ω]とした。
- 水気のある場所で使用する使用電圧 100[V]の機械器具に電気を供給する電路に動作時間が 0.1秒の漏電遮断器が施設されているので、その機械器具の鉄台の接地工事を省略した。
- 使用電圧 3,300[V]の機械器具の鉄台に施す接地工事の接地線に、直径 2.6[mm]の軟銅線を使用した。
2002年(平成14年)問7 過去問解説
電気設備技術基準の解釈 第29条「機械器具の金属製外箱等の接地」の規定です。
水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流が 15mA以下、動作時間が 0.1秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合は、接地工事を省略することができます。
水気のある場所では、省略することができませんので、(4)の記述が誤りです。
答え (4)
2003年(平成15年)問6
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく接地工事に関する記述である。
電気使用場所においてA種接地工事又はB種接地工事に使用する接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合は、次によることとしている。
- 接地線は、地下( ア )[cm]以上の深さに埋設すること。
- 接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合には、接地極を鉄柱の底面から( イ )[cm]以上の深さに埋設する場合を除き、接地極を地中でその金属体から( ウ )[m]以上離して埋設すること。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に記入する数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
(1) | 60 | 40 | 1 |
(2) | 75 | 40 | 1 |
(3) | 60 | 30 | 2 |
(4) | 75 | 40 | 2 |
(5) | 75 | 30 | 1 |
2003年(平成15年)問6 過去問解説
電気設備技術基準の解釈 第17条「接地工事の種類及び施設方法」の規定です。
- 接地線は、地下( 75 )[cm]以上の深さに埋設すること。
- 接地線を鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合には、接地極を鉄柱の底面から( 30 )[cm]以上の深さに埋設する場合を除き、接地極を地中でその金属体から( 1 )[m]以上離して埋設すること。
答え (5)
2005年(平成17年)問3
次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく保安原則に関する記述の一部である。
電気設備の必要な箇所には、異常時の( ア )、高電圧の侵入等による感電、火災その他( イ )を及ぼし、又は物件への損害を与えるおそれがないよう、( ウ )その他の適切な措置を講じなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に記入する語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
(1) | 過電流 | 公衆に危害 | 接地 |
(2) | 過電流 | 公衆に危害 | 過電流遮断器の設置 |
(3) | 電位上昇 | 財産に危害 | 過電流遮断器の設置 |
(4) | 過電流 | 人体に危害 | 接地 |
(5) | 電位上昇 | 人体に危害 | 接地 |
2005年(平成17年)問3 過去問解説
電気設備技術基準 第10条「電気設備の接地」の規定です。
電気設備の必要な箇所には、異常時の( 電位上昇 )、高電圧の侵入等による感電、火災その他( 人体に危害 )を及ぼし、又は物件への損害を与えるおそれがないよう、( 接地 )その他の適切な措置を講じなければならない。
答え (5)
2006年(平成18年)問8
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく高圧屋内配線等に関する記述での一部である。
がいし引き工事における電線の支持点間の距離は( ア )[m]以下であること。ただし、電線を造営材の面に沿って取り付ける場合は、( イ )[m]とすること。
ケーブル工事においては、管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、( ウ )接地工事を施すこと。ただし、人が触れるおそれがないように施設する場合は、( エ )接地工事によることができる。
上記の記述の空欄箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組合せたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 3 | 1 | A種 | C種 |
(2) | 3 | 1 | A種 | D種 |
(3) | 3 | 2 | B種 | D種 |
(4) | 6 | 2 | A種 | D種 |
(5) | 6 | 2 | B種 | C種 |
2006年(平成18年)問8 過去問解説
電気設備技術基準 第202条「高圧屋内配線等の施設」の規定です。
がいし引き工事における電線の支持点間の距離は( 6 )[m]以下であること。ただし、電線を造営材の面に沿って取り付ける場合は、( 2 )[m]とすること。
ケーブル工事においては、管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、( A種 )接地工事を施すこと。ただし、人が触れるおそれがないように施設する場合は、( D種 )接地工事によることができる。
答え (4)
2008年(平成20年)問9
「電気設備技術基準の解釈」に基づくB種接地工事を施す主たる目的として、正しいのは次のうちどれか。
- 低圧電路の漏電事故時の危険を防止する。
- 高圧電路の過電流保護継電器の動作を確実にする。
- 高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路との混触時の、低圧電路の電位上昇の危険を防止する。
- 高圧電路の変圧器の焼損を防止する。
- 避雷器の動作を確実にする。
2008年(平成20年)問9 過去問解説
B種接地工事の主たる目的は、高圧または特別高圧電路と低圧電路との接触時に、低圧電路の電位上昇の危険を防止することです。
答え (3)
2011年(平成23年)問3
次の文章は、「電気設備技術基準」における、保安原則に関する記述の一部である。
- 電気設備の必要な箇所には、異常時の( ア )、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損害を与えるおそれがないよう、( イ )その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電路に係る部分にあっては、この基準の別の規定に定めるところによりこれを行わなければならない。
- 電気設備に( イ )を施す場合は、電流が安全かつ確実に( ウ )ことができるようにしなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる組み合わせとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | |
(1) | 電位上昇 | 絶縁 | 遮断される |
(2) | 加熱 | 接地 | 大地に通ずる |
(3) | 過電流 | 絶縁 | 遮断される |
(4) | 電位上昇 | 接地 | 大地に通ずる |
(5) | 過電流 | 接地 | 大地に通ずる |
2011年(平成23年)問3 過去問解説
電気設備技術基準 第10条「電気設備の接地」、11条「電気設備の接地の方法」の規定です。
- 電気設備の必要な箇所には、異常時の( 電位上昇 )、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損害を与えるおそれがないよう、( 接地 )その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電路に係る部分にあっては、この基準の別の規定に定めるところによりこれを行わなければならない。
- 電気設備に( 接地 )を施す場合は、電流が安全かつ確実に( 大地に通ずる )ことができるようにしなければならない。
答え (4)
2012年(平成24年)問6
「電気設備技術基準の解釈」 に基づく、接地工事に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 大地との間の電気抵抗値が 2[Ω]以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は、非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事又は非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事の接地極に使用することができる。
- 22[kV]用計器用変成器の 2次側電路には、D種接地工事を施さなければならない。
- A種接地工事又はB種接地工事に使用する接地線を、人が触れるおそれがある場所で、鉄柱その他の金属体に沿って施設する場合は、接地線には絶縁電線 (屋外用ビニル絶縁電線を除く。)又は通信用ケーブル以外のケーブルを使用しなければならない。
- C種接地工事の接地抵抗値は、低圧電路において地路を生じた場合に、 0.5 秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500[Ω]以下であること。
- D種接地工事の接地抵抗値は、低圧電路において地路を生じた場合に、 0.5 秒以内に当該電路を自動的に遮断する装置を施設するときは、500[Ω]以下であること。
2012年(平成24年)問6 過去問解説
「特別高圧計器用変成器の2次側電路には、A種接地工事を施すこと。」なので、(2)の記述が誤りです。
電気設備技術基準の解釈 第28条「計器用変成器の2次側電路の接地」の規定より
答え (2)
2013年(平成25年)問4
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、機械器具(小出力発電設備である燃料電池発電設備を除く。)の金属製外箱等に接地工事を施さないことができる場合の記述の一部である。
- 電気用品安全法の適用を受ける( ア )の機械器具を施設する場合
- 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に( イ )( 2 次側線間電圧が 300[V]以下であって、容量が 3[kV・A]以下のものに限る。)を施設し、かつ、当該( イ )の負荷側の電路を接地しない場合
- 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける 漏電遮断機(定格感度電流が( ウ )[mA]以下、動作時間が( エ ) 秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 2重絶縁の構造 | 絶縁変圧器 | 15 | 0.3 |
(2) | 2重絶縁の構造 | 絶縁変圧器 | 15 | 0.1 |
(3) | 過負荷保護装置付 | 絶縁変圧器 | 30 | 0.3 |
(4) | 過負荷保護装置付 | 単巻変圧器 | 30 | 0.1 |
(5) | 過負荷保護装置付 | 単巻変圧器 | 50 | 0.1 |
2013年(平成25年)問4 過去問解説
電気設備技術基準の解釈 第29条「機械器具の金属製外箱等の接地」の規定です。
- 電気用品安全法の適用を受ける( 2重絶縁の構造 )の機械器具を施設する場合
- 低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に( 絶縁変圧器 )( 2 次側線間電圧が 300 [V] 以下であって、容量が 3[kV・A]以下のものに限る。)を施設し、かつ、当該( 絶縁変圧器 )の負荷側の電路を接地しない場合
- 水気のある場所以外の場所に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける 漏電遮断機(定格感度電流が( 15 )[mA]以下、動作時間が( 0.1 )秒以下の電流動作型のものに限る。)を施設する場合
答え (2)
2013年(平成25年)問9
次の文章は、我が国の電気設備の技術基準への国際規格の取り入れに関する記述である。
「電気設備技術基準の解釈」において、需要場所に施設する低圧で使用する電気設備は、国際電気標準会議が建築電気設備に関して定めた IEC 60364 規格に対応した規定により施設することができる。その際、守らなければならないことの一つは、その電気設備を一般電気事業者の電気設備と直接に接続する場合は、その事業者の低圧の電気の供給に係る設備の( )と整合がとれていなければならないことである。
上記の記述中の空白箇所に当てはまる最も適切なものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- 電路の絶縁性能
- 接地工事の施設
- 変圧器の施設
- 避雷器の施設
- 離隔距離
2013年(平成25年)問9 過去問解説
電気設備技術基準の解釈 第218条「国際規格の取り入れ」の規定です。
需要場所に施設する低圧で使用する電気設備は、国際電気標準会議が建築電気設備に関して定めた IEC 60364 規格に対応した規定により施設することができる。その際、守らなければならないことの一つは、その電気設備を一般電気事業者の電気設備と直接に接続する場合は、その事業者の低圧の電気の供給に係る設備の( 接地工事の施設 )と整合がとれていなければならないことである。
答え (2)
2015年(平成27年)問5
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器(鉄道若しくは軌道の信号用変圧器又は電気炉若しくは電気ボイラーその他の常に電路の一部を大地から絶縁せずに使用する負荷に電気を供給する専用の変圧器を除く。)に施す接地工事に関する記述の一部である。
高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、次のいずれかの箇所に( ア )接地工事を施すこと。
- 低圧側の中性点
- 低圧電路の使用電圧が( イ )V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは、( ウ )の1端子
- 低圧電路が非接地である場合においては、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の( エ )
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | B種 | 150 | 低圧側 | 混触防止板 |
(2) | A種 | 150 | 低圧側 | 接地板 |
(3) | A種 | 300 | 高圧側又は特別高圧側 | 混触防止板 |
(4) | B種 | 300 | 高圧側又は特別高圧側 | 接地板 |
(5) | B種 | 300 | 低圧側 | 混触防止板 |
2015年(平成27年)問5 過去問解説
電気設備技術基準 第24条「高圧又は特別高圧と低圧の混触による危険防止施設」の規定です。
高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、次のいずれかの箇所に( B種 )接地工事を施すこと。
- 低圧側の中性点
- 低圧電路の使用電圧が( 300 )V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは、( 低圧側 )の1端子
- 低圧電路が非接地である場合においては、高圧巻線又は特別高圧巻線と低圧巻線との間に設けた金属製の( 混触防止板 )
答え (5)
2016年(平成28年)問2
次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく電路に係る部分に接地工事を施す場合の、接地点に関する記述である。
- 電路の保護装置の確実な動作の確保、異常電圧の抑制又は対地電圧の低下を図るために必要な場合は、 次の各号に掲げる場所に接地を施すことができる。
- 電路の中性点( ア )電圧が 300V以下の電路において中性点に接地を施し難いときは、電路の一端子)
- 特別高圧の( イ )電路
- 燃料電池の電路又はこれに接続する( イ )電路
- 高圧電路又は特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には、次の各号によりB種接地工事を施すこと。
- 低圧側の中性点
- 低圧電路の( ア )電圧が 300V以下の場合において、接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは、低圧側の1端子
- 高圧計器用変成器の2次側電路には、( ウ )接地工事を施すこと。
- 電子機器に接続する( ア )電圧が( エ )V以下の電路、その他機能上必要な場所において、電路に接地を施すことにより、感電、火災その他の危険を生じることのない場合には、電路に接地を施すことができる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 使用 | 直流 | A種 | 300 |
(2) | 対地 | 交流 | A種 | 150 |
(3) | 使用 | 直流 | D種 | 150 |
(4) | 対地 | 交流 | D種 | 300 |
(5) | 使用 | 交流 | A種 | 150 |
2016年(平成28年)問2 過去問解説
電路に係る部分に接地工事を施す場合の接地点
- 電路の保護装置の確実な動作の確保,異常電圧の抑制または対地電圧の低下を図るために必要な場合は,次の各号に掲げる場所に接地を施すことができる(解釈 第19条1項)。
- 電路の中性点(使用電圧が 300V 以下の電路において中性点に接地を施し難いときは,電路の一端子)
- 特別高圧の直流電路
- 燃料電池の電路またはこれに接続する直流電路
- 高圧電路または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器には,次の各号によりB種接地工事を施すこと (解釈第24条1項) 。
- 低圧側の中性点
- 低圧電路の使用電圧が 300V 以下の場合において,接地工事を低圧側の中性点に施し難いときは,低圧側の1端子
- 高圧計器用変成器の2次側電路には,D種接地工事を施すこと(解釈第28条1項)。
- 電子機器に接続する使用電圧が 150V 以下の電路,その他機能上必要な場所において,電路に接地を施すことにより,感電,火炎その他の危険を生じることのな い場合には,電路に接地を施すことができる(解釈第19条6項)。
答え (3)