リレーシーケンスの基礎知識について、やさしく解説します。シーケンスの基本論理回路といわれている、「AND回路」「OR回路」「NOT回路」「NAND回路」「NOR回路」について、動作の仕方を理解しておきましょう。基本論理回路を覚えて組み合わせることで、応用力が身に付いてきます。
AND回路
AND回路は入力が二つ以上あるとき、その全ての入力信号が「ON」になれば、出力が「ON」になる回路です。次の図はAND回路の例です。入力の押しボタンスイッチ[BS1] と入力の押しボタンスイッチ[BS2] が「ON(押す)」になったら出力であるランプ[L]が点灯「ON」します。
「 [BS1] と [BS2] 」を英語表記では「 [BS1] and [BS2] 」と書くことからAND回路といわれています。
入力の押しボタンスイッチ[BS1] と [BS2]が同時に押されると、リレー[R]が動作してリレー[R]のメーク接点[R-a]が閉じます。すると、ランプ[L]が点灯します。このように直列に接続された接点が動作した時に働く回路をAND回路といいます。
AND回路の動作をタイムチャートで表すと次のようになります。タイムチャートで時間経過ごとに各制御機器がどのような動きをしているかを追って見ていくことで、シーケンスの動作について理解しやすいと思います。
OR回路
OR回路は、入力が二つ以上あるとき、そのいずれかの入力信号が「ON」になったら出力が「ON」になる回路です。次の図はOR回路の例です。入力の押しボタンスイッチ[BS1]または、入力の押しボタンスイッチ[BS2] が「ON(押す)」になったら出力であるランプ[L]が点灯「ON」します。
「 [BS1] または [BS2] 」を英語表記では「 [BS1] or [BS2] 」と書くことからOR回路といわれています。
入力の押しボタンスイッチ[BS1]または[BS2]のどちらかが押されると、リレー[R]が動作してリレー[R]のメーク接点[R-a]が閉じます。すると、ランプ[L]が点灯します。このように並列に接続された接点のいずれかが動作した時に働く回路をOR回路といいます。
OR回路の動作をタイムチャートで表すと次のようになります。
NOT回路
NOT回路は入力が「ON」のときは出力が「OFF」、入力が「OFF」のときは出力が「ON」になる回路です。NOT回路のことを論理否定回路といいます。
次の図はNOT回路の例です。入力の押しボタンスイッチ[BS1] が「ON(押す)」のときは、出力であるランプ[L]が消灯 「OFF」します。入力の押しボタンスイッチ[BS1] が「OFF(離す)」のときは、出力であるランプ[L]が消灯は点灯「ON」します。
入力の押しボタンスイッチ[BS1] が押されると、リレー[R]は不動作となり、ランプ[L]が消灯します。このように入力の押しボタンスイッチ[BS1]の接点が作動した状態で出力のランプ[L]が不動作となる回路をNOT回路といいます。
NOT回路の動作をタイムチャートで表すと次のようになります。
NAND回路(NOT-AND)
NAND回路はNOT回路とAND回路を組み合わせた回路です。論理積否定回路ともいいます。
入力の押しボタンスイッチ[BS1] と[BS2]が同時に押されると、リレー[R]は不動作となり、出力のランプ[L]が消灯します。このように接続された入力押しボタンスイッチの接点の全てが作動した状態で不動作となる回路をNAND回路といいます。
NAND回路の動作をタイムチャートで表すと次のようになります。
NOR回路(NOT-OR)
NOR回路はNOT回路とOR回路を組み合わせた回路です。論理和否定回路ともいいます。
入力の押しボタンスイッチ[BS1] と[BS2]のどちらかが押されると、リレー[R]は不動作となり、出力のランプ[L]が消灯します。このように接続された入力押しボタンスイッチの接点のいずれかがが作動した状態で不動作となる回路をNOR回路といいます。
NOR回路の動作をタイムチャートで表すと次のようになります。
基本論理回路である、「AND回路」「OR回路」「NOT回路」「NAND回路」「NOR回路」について、動作の仕方は必ず理解しておきましょう。これらを組み合わせることで、シーケンス制御は成り立っています。