一つの押しボタンの信号で出力がONとOFFを繰り返す回路をオルタネート回路といいます。又、フリップフロップ回路やラチェット回路、プッシュオン・プッシュオフ回路ともいいます。このページでは、オルタネート回路を通して、複雑なシーケンス回路におけるリレーと接点の動作を順を追って理解してもらえるように、やさしく解説しています。
オルタネート(フリップフロップ)回路
コイルに電圧が加わるたびに接点が交互に切り換わるラチェットリレーといった製品があります。ラチェットリレーは入力のパルスごとに2極の各接点が交互に切り換え動作を行います。 モータなどの交互運転、切り換え運転に適しています。 独自のラチェット機構の採用により接点の切り替えを行っています。
このラチェットリレーを普通のリレーを使って回路を組むことも可能です。シーケンス図にすると、次のようになります。オルタネート回路やフリップフロップ回路と呼ばれています。リレーの動作は複雑になりますが、一つのボタンのON・OFFでRXリレーが切り替わるところに注目して見ていただければと思います。
オルタネート動作の順序
オルタネート順序①
- 押しボタンスイッチBS1を押します。
- 押しボタンスイッチBS1を押すことにより、リレーR1が動作します。
- リレーR1の動作に伴って、3つあるリレーR1の接点が動作します。
オルタネート順序②
- リレーR1の接点の動作により、リレーRXが動作します。
- リレーRXの動作に伴って、2つあるリレーRXの接点が動作します。
- リレーRXは自己保持します。
オルタネート順序③
- 押しボタンスイッチBS1を離します。
- 押しボタンスイッチBS1を離すことにより、リレーR1が復帰します。
- リレーR1の復帰に伴って、リレーR1の接点が復帰します。
オルタネート順序④
- リレーR1の接点が復帰により、リレーR2が動作します。
- リレーR2の動作に伴って、2つあるリレーR2の接点が動作します。
- リレーR2は自己保持します。
オルタネート順序⑤
- 押しボタンスイッチBS1を押します。
- 押しボタンスイッチBS1を押すことにより、リレーR1が動作します。
- リレーR1の動作に伴って、3つあるリレーR1の接点が動作します。
オルタネート順序⑥
- リレーR2動作中であり、リレーR1の接点が動作することにより、リレーR3が動作します。
- リレーR3の動作に伴って、2つあるリレーR3の接点が動作します。
- リレーR3は自己保持します。
オルタネート順序⑦
- リレーR3の接点の動作により、リレーRXが復帰します。
- リレーRXの復帰に伴って、リレーRXの接点が復帰します。(RX自己保持解除)
- リレーRXの接点の復帰に伴って、リレーR2が復帰します。
- リレーR2の復帰に伴って、リレーR2の接点が復帰します。(R2自己保持解除)
オルタネート順序⑧
- 押しボタンスイッチBS1を離します。
- 押しボタンスイッチBS1を離すことにより、リレーR1が復帰します。
- リレーR1の復帰に伴って、リレーR1の接点が復帰します。
- すると①の状態に戻ります。
以上がオルタネート回路の説明になります。難解な回路ですが、理解して頂けたでしょうか?オルタネート回路のように、リレーと接点をうまく組み合わせることにより、色々なシーケンス動作を実現できます。ちなみにオルタネート回路は、ポンプ2台を交互に運転させたいときの回路などに応用されています。