ON-OFF制御とは?

自動制御と計装

 「フィードバック制御」において、一番単純なシステムに「オンオフ制御」という方式があります。「オンオフ制御」は検出器やセンサーからの信号を読み取り、目標値と比較しながら設備機器の運転や停止をして目標値に近づける命令です。このページでは、初心者の方でもわかりやすいように、「オンオフ制御」についてやさしく解説しています。

ON-OFF制御

 熱帯魚の飼育を例に挙げますが、水槽内の温度が設定値25℃より低いときはヒータをONにして水温を上げます。水温上がり設定値25℃より高くなれば、ヒータをOFFにします。このようにヒータをON-OFFすることにより、温度を一定に保つ制御方式をオンオフ制御といいます。操作量が設定値を境に、0%と100%の2つの値で動作することから、2位置動作とも呼ばれます。

 設定値25℃ちょうどでON-OFFさせると、水温が25℃ぴったりになった時、ヒーターはON-OFFを繰り返し、機械的にも電気的にもあまりよくありません。そのためにON-OFFの領域をオーバーラップさせます。このオーバーラップした動作隙間を「デファレンシャル」といいます。

ON-OFF制御

オーバーシュートとサイクリング

 オンオフ制御は、温度が設定値より高くなると、直ちにヒータを切ります。しかし、ヒータの余熱の影響で、ヒータを切った後も、一時的に温度は上昇します。逆に水温が下降してきて、ヒータをオンにしたときも、ヒータの熱伝達の遅れの影響で温度は一時的に下降します。また、センサ部分の検出遅れも無視することはできません。このように、行き過ぎた量のことを「オーバーシュート」といいます。

 オンオフ制御の特徴として、動作信号は設定値を超えると操作量がONになり、設定値を下回ると操作量がOFFになります。このような制御を行うときの制御量の変化を時間を追って考えてみます。通常の制御系では、制御量の信号が検出器に至るまでに時間がかかります。このことを「むだ時間」というのですが、制御量が設定値になっても検出器にはその信号が伝わっていません。

 温度が上昇し、設定値となっても検出器はそれ以下を検出しています。その後、むだ時間分だけ遅れて、検出器は設定値だと検出しスイッチをOFFにします。温度が下降した場合も同じで、むだ時間分だけ遅れることになります。

 下図のように、設定値の周辺で温度の波が振動する現象は、外乱によって発生しているのではなく、ON-OFFを繰り返す制御動作に起因しています。このように、制御動作が原因で、実測値の変数が波打つことを「ハンチング」といいます。ON-OFF制御では、このハンチングを無くすことができないことが欠点とも言えます。そのため、ON-OFF制御は精度をあまり必要としない自動制御としてよく用いられています。

オーバーシュートとサイクリング

ON-OFF制御の工夫

 オンオフ制御では、むだ時間とデファレンシャルの影響が大きいため、制御量は設定値を中心に脈動します。操作量が端から端まで一度に大きく変わるので、制御量の脈動は大きくなります。制御量の脈動は、必要な最小限の操作量にすれば、デファレンシャルによる変動のみに近づきます。しかし、このような制御では、運転開始時に制御量が設定値まで上がるのに時間が掛かりすぎて実用的な制御では、なくなってしまいます。この脈動を小さくするために、オンオフ制御ではいろいろな工夫が行われています。

 例えば、温度を一定に保つオンオフ制御では、ヒーターを二組用意し、一組のヒーターは設定値を保つのに必要な最小限の熱量を常時与えながら、もう一組のヒーターでオンオフ制御し、温度を一定に保つ方法があります。

また、時間比例制御とよばれるオンオフ制御は、設定値を中心として比例帯を設け、検出信号が比例帯に入るまではONまたはOFFのままで、比例帯に入るとこまめにON-OFFを繰り返す制御などがあります。

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