このページでは、保護機器の種類と特徴について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の機械科目で、実際に出題された保護機器の種類と特徴の過去問題の解き方も解説しています。
遮断器
遮断器は、負荷電流の開閉と事故電流の遮断を行う機器です。遮断器は、消弧装置を有しているので負荷電流が流れている状態でも開路することができます。遮断器の種類としては、油遮断器、磁気遮断器、空気遮断器、真空遮断器、ガス遮断器などがあります。
- 油遮断器(OCB)
油遮断器は、接点の開閉を油中で行う機器です。絶縁油及び熱分解発生ガス(水素ガス)を消弧媒質として使用しています。油遮断器、遮断時に接触子間に発生するアークにより、絶縁油が熱分解し、水素ガスが発生します。この水素ガスの絶縁耐力や冷却能力並びに絶縁油の絶縁耐力や冷却能力によりアークを遮断させています。
- 磁気遮断器(MBB)
磁気遮断器は、電磁力を利用して、アークを消弧させる機器です。遮断時に接触子間に発生したアークに、自己電流によって生じる磁束を作用させて、アークをアークシュートの狭い溝に導いて引き延ばし、冷却して消弧させています。
- 空気遮断器(ABB)
空気遮断器は、圧縮空気を利用して、アークを消弧させる機器です。遮断時に接点間に発生したアークに圧縮空気を吹き付けて、アークを吹き飛ばし、消弧させています。そのため遮断時に大きな破裂音が発生します。
- 真空遮断器(VCB)
真空遮断器は、真空中におけるアークの拡散作用を利用した機器です。真空遮断器の開閉電極は、真空バルブ 内に密閉され、電極を開閉する操作機構、可動電極が動作しても真空を保つベローズ、回路と接続する導体などで構成されています。
- ガス遮断器(GCB)
ガス遮断器は、六フッ化硫黄ガス(SF6ガス)を消弧媒質として使用した機器です。SF6ガスは、安定性の高い化合物であり、不燃、無色、無臭、無毒の気体です。比重は空気の約5倍で、絶縁耐力は電極形状によって大きく変化しますが、平等電界中では空気の2~3倍あり、約3気圧で絶縁油以上となる性質があります。また、消弧性能は、空気の約100倍といわれています。
ガス遮断器の消弧原理は、接点間に発生したアークに、主接触子に連動するパッファシリンダ内で圧縮された高圧SF6ガスをノズル部を通して吹き付けて、消弧させています。
電力用コンデンサ
電力用コンデンサは、遅れ無効電力を消費する調相装置です。力率を進めるために用いられます。重負荷時には無効電力が増加し、系統の電圧が低下する傾向にありますので、電力用コンデンサを投入し、系統の電圧降下を補償しています。
電力用コンデンサは、コンデンサ本体と、放電コイル、直列リアクトルで構成されています。放電コイルは、コンデンサが電路から切り離された時に、残留電荷を放電する目的で設置されています。また直列リアクトルは、過大な高周波電流の流入を抑制する目的で設置されています。
電路に電力コンデンサを接続すると、電源に含まれている第五高調波成分の増幅により、電力損失の増大や機器の絶縁破壊が発生する場合があります。そのため、電力コンデンサの静電容量と直列共振状態を構成するリアクタンスを電力コンデンサに直列に接続しています。
保護継電器の種類
- 過電流継電器 (OCR)
電流の大きさが設定値以上になると動作する継電器です。過負荷を検出するものから、故障電流を検出するものまであります。
- 地絡過電流継電器(GR)
零相電流が設定値以上になると動作する継電器です。地絡事故の検出に用います。
- 地絡過電圧継電器 (OVGR)
零相電圧が設定値以上になると動作する継電器です。地絡事故の検出を補助します。
- 電圧継電器 (VR)
電圧の大きさが設定値になると動作する継電器です。設定値以上の電圧で動作する過電圧継電器(OVR)は、電圧条件確認用や絶縁保護監視として用いられています。設定値より低い電圧で動作する不足電圧継電器(UVR)は、故障検出用として用いられています。
- 差動継電器 (DFR)
保護区間に流入する電流と保護区間より流出する電流のベクトル差(差電流)を検出し、一定値以上で動作する継電器です。変電所では、変圧器内部故障の保護に用いられています。また、母線、発電機、送電線の保護などにも用いられています。
- 比率差動継電器 (RDFR)
差電流の通過電流に対する比率が設定値以上になると動作する差動継電器です。外部事故などで通過電流が大きくなると、変流器の特性差や飽和により継電器が誤動作しやすくなります。比率差動継電器では、この原因による誤動作を防ぐことができ、故障検出感度および動作速度を高くできます。
- 短絡方向継電器 (DSR)
一定方向に一定値以上の短絡電流が流れた場合に動作する継電器です。
- 距離継電器 (DR)
故障点までのインピーダンスが一定値以下で動作する継電器です。
- 周波数継電器 (FR)
周波数の大きさが一定値以上または一定値以下になると動作する継電器です。
変圧器の内部故障検出
変電所に使用されている主変圧器の内部故障を確実に検出するためには、電気的な保護継電器や機械的な保護継電器が用いられます。電気的な保護継電器としては、主に比率差動継電器が用いられ、機械的な保護継電器としては油流の急変や分解ガス量を検出するブッフホルツ継電器、油圧の急変を検出する継電器などが用いられます。また、故障時に変圧器内部の圧力上昇を緩和するために、放圧装置が取り付けられています。
ブッフホルツ継電器は、変圧器本体とコンサベータとの間に取り付けられ、変圧器内部故障の際に発生するガスあるいは絶縁油の油流を検出する継電器です。
電験三種-機械(電気機器)過去問
2000年(平成12年)問8
遮断器は、( ア )で高圧の回路を開閉したり、故障時の電流を遮断したりするために用いられる。現在、広く用いられている遮断器の消弧方式には、次のようなものがある。
- 磁気遮断器は、開閉動作を大気中で行うもので、遮断電流で発生した( イ )を用いてアークを消弧室に 引き込んで、アークを引き伸ばしながら冷却して消弧する方式のものである。
- 真空遮断器は、真空の特質である高い( ウ )と消弧能力を利用したもので、真空容器の中で接点の開閉を行わせる方式のものであり、多頻度の開閉操作に適している。
- ガス遮断器は、消弧能力の優れた( エ )を圧縮して、アークに吹き付けて消弧する方式のもので、高電圧、大容量の遮断器として広く用いられている。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 負荷状態 | 磁界 | 絶縁耐力 | 六ふっ化硫黄ガス |
(2) | 無負荷状態 | 熱流 | 絶縁抵抗 | フロンガス |
(3) | 短絡状態 | 磁界 | 冷却耐力 | 窒素ガス |
(4) | 負荷状態 | 熱流 | 絶縁耐力 | フロンガス |
(5) | 短絡状態 | 磁界 | 冷却能力 | 六ふっ化硫黄ガス |
2000年(平成12年)問8 過去問解説
遮断器は、( 負荷状態 )で高圧の回路を開閉したり、故障時の電流を遮断したりするために用いられる。現在、広く用いられている遮断器の消弧方式には、次のようなものがある。
- 磁気遮断器は、開閉動作を大気中で行うもので、遮断電流で発生した( 磁界 )を用いてアークを消弧室に 引き込んで、アークを引き伸ばしながら冷却して消弧する方式のものである。
- 真空遮断器は、真空の特質である高い( 絶縁耐力 )と消弧能力を利用したもので、真空容器の中で接点の開閉を行わせる方式のものであり、多頻度の開閉操作に適している。
- ガス遮断器は、消弧能力の優れた( 六ふっ化硫黄ガス )を圧縮して、アークに吹き付けて消弧する方式のもので、高電圧、大容量の遮断器として広く用いられている。
答え (1)
2006年(平成18年)問7
高圧回路に設置される発電機、電動機などの回転機器の( ア )を雷又は回路の開閉などに起因する( イ )から保護する目的で、( ウ )と避雷器を並列に接続したものを、回転機器の近傍に設置する場合がある。
( ウ )は急しゅんなサージに対する保護を行い、避雷器は所定のレベル以下に電圧の( エ )を制限する作用を行う。
また、開閉器が真空遮断器の場合、他の遮断器に比べ開閉時の発生サージ電圧が高いため、開閉サージからの保護を目的として、( ウ )と抵抗を直列に接続したものを、真空遮断器の負荷側導体と対地間に設置する場合がある。
上記の記述の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 導体 | 過電圧 | リアクトル | 波高値 |
(2) | 導体 | 過電流 | コンデンサ | 波高値 |
(3) | 絶縁体 | 過電圧 | リアクトル | 実効値 |
(4) | 絶縁体 | 過電圧 | コンデンサ | 波高値 |
(5) | 導体 | 過電流 | リアクトル | 実効値 |
2006年(平成18年)問7 過去問解説
高圧回路に設置される発電機、電動機などの回転機器の( 絶縁体 )を雷又は回路の開閉などに起因する( 過電圧 )から保護する目的で、( コンデンサ )と避雷器を並列に接続したものを、回転機器の近傍に設置する場合がある。
( コンデンサ )は急しゅんなサージに対する保護を行い、避雷器は所定のレベル以下に電圧の( エ )を制限する作用を行う。
また、開閉器が真空遮断器の場合、他の遮断器に比べ開閉時の発生サージ電圧が高いため、開閉サージからの保護を目的として、( 波高値 )と抵抗を直列に接続したものを、真空遮断器の負荷側導体と対地間に設置する場合がある。
高圧コンデンサには、瞬間的なサージ電圧を吸収することによって、機器の破損を防止する働きもあります。
答え (4)
2007年(平成19年)問8
遮断器は送配電線や変電所母線、電気機器などの( ア )故障時にその回路を遮断するための開閉器であるが、平常時は回路の開閉操作にも用いられる。
電路を開閉する装置として他に( イ )があり、単に充電された電路を開閉するためのみに用いられる。
遮断器にはいくつか種類があるが、22[kV]以下のものでは( ウ )及び保守性から従来の( エ )遮断器に代わって、真空遮断器が用いられる。また、22[kV]を超えるものには優れた絶縁性能を持つSF6(六ふっ化硫黄)ガスを使用したガス遮断器が用いられている。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 断 線 | 断路器 | 防音 | 油 |
(2) | 短 絡 | 負荷開閉器 | 防火 | 油 |
(3) | 断 線 | 断路器 | 防火 | 空気 |
(4) | 短 絡 | 断路器 | 防火 | 油 |
(5) | 断 線 | 負荷開閉器 | 防音 | 空気 |
2007年(平成19年)問8 過去問解説
遮断器は送配電線や変電所母線、電気機器などの( 短絡 )故障時にその回路を遮断するための開閉器であるが、平常時は回路の開閉操作にも用いられる。
電路を開閉する装置として他に( 断路器 )があり、単に充電された電路を開閉するためのみに用いられる。
遮断器にはいくつか種類があるが、22[kV]以下のものでは( 防火 )及び保守性から従来の( 油 )遮断器に代わって、真空遮断器が用いられる。また、22[kV]を超えるものには優れた絶縁性能を持つSF6(六ふっ化硫黄)ガスを使用したガス遮断器が用いられている。
答え (4)
2008年(平成20年)問8
変圧器の異常を検出し、油入変圧器を保護・監視する装置としては、大別して電気的、機械的及び熱的な3種類の継電器(リレー)が使用される。これらは、遮断器の引き外し回路や警報回路と連動される。
電気的保護装置としては、( ア )継電器を用いるのが一般的である。この継電器の動作コイルは、変圧器の一次巻線側と二次巻線側に設置されたそれぞれの変流器の二次側の( イ )で動作するように接続される。
機械的保護装置としては、変圧器内部の油圧変化率、ガス圧変化率、油流変化率で動作する継電器が用いられる。また、変圧器内部の圧力の過大な上昇を緩和するために、( ウ )が取り付けられている。
熱的保護・監視装置としては、( エ )温度や巻線温度を監視・測定するために、ダイヤル温度計や( オ )装置が用いられる。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
(1) | 過電圧 | 和電流 | 放圧装置 | 油 | 絶縁監視 |
(2) | 比率差動 | 差電流 | 放圧装置 | 油 | 巻線温度指示 |
(3) | 過電圧 | 差電流 | コンサベータ | 鉄心 | 巻線温度指示 |
(4) | 比率差動 | 和電流 | コンサベータ | 鉄心 | 絶縁監視 |
(5) | 電流平衡 | 和電流 | 放圧装置 | 鉄心 | 巻線温度指示 |
2008年(平成20年)問8 過去問解説
変圧器の異常を検出し、油入変圧器を保護・監視する装置としては、大別して電気的、機械的及び熱的な3種類の継電器(リレー)が使用される。これらは、遮断器の引き外し回路や警報回路と連動される。
電気的保護装置としては、( 比率差動 )継電器を用いるのが一般的である。この継電器の動作コイルは、変圧器の一次巻線側と二次巻線側に設置されたそれぞれの変流器の二次側の( 差電流 )で動作するように接続される。
機械的保護装置としては、変圧器内部の油圧変化率、ガス圧変化率、油流変化率で動作する継電器が用いられる。また、変圧器内部の圧力の過大な上昇を緩和するために、( 放圧装置 )が取り付けられている。
熱的保護・監視装置としては、( 油 )温度や巻線温度を監視・測定するために、ダイヤル温度計や( 巻線温度指示 )装置が用いられる。
答え (2)
2009年(平成21年)問8
高圧負荷の力率改善用として、その負荷が接続されている三相高圧母線回路に進相コンデンサが設置される。この進相コンデンサは、保護のためにリアクトルが( ア )に挿入されるが、その目的は、コンデンサの電圧波形の( イ )を軽減させ、かつ、進相コンデンサ投入時の突入電流を抑制するものである。したがって、進相コンデンサの定格設備容量は、コンデンサと( ア ) リアクトルの定格容量は、一般的には5次以上の高調波に対して、進相コンデンサ設備のインピーダンスを( ウ )にし、また、コンデンサの端子の上昇を考慮して、コンデンサの定格容量の( エ )[%]としている
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 直列 | ひずみ | 容量性 | 3 |
(2) | 並列 | 波高率 | 誘導性 | 6 |
(3) | 直列 | 波高率 | 容量性 | 3 |
(4) | 並列 | ひずみ | 容量性 | 6 |
(5) | 直列 | ひずみ | 誘導性 | 6 |
2009年(平成21年)問8 過去問解説
高圧負荷の力率改善用として、その負荷が接続されている三相高圧母線回路に進相コンデンサが設置される。この進相コンデンサは、保護のためにリアクトルが( 直列 )に挿入されるが、その目的は、コンデンサの電圧波形の( ひずみ )を軽減させ、かつ、進相コンデンサ投入時の突入電流を抑制するものである。したがって、進相コンデンサの定格設備容量は、コンデンサと( 直列 ) リアクトルの定格容量は、一般的には5次以上の高調波に対して、進相コンデンサ設備のインピーダンスを( 誘導性 )にし、また、コンデンサの端子の上昇を考慮して、コンデンサの定格容量の( 6 )[%]としている
答え (5)
2010年(平成22年)問7
力率改善の目的で用いる低圧進相コンデンサは、図のように直列に 6[%]のリアクトルを接続することを標準としている。このため、回路電圧 $V_L$[V]の設備に用いる進相コンデンサの定格電圧 $V_N$[V]は、次の式で与えられる値となる。
$V_N=\displaystyle\frac{V_L}{1-\displaystyle\frac{L}{100}}$
ここで、$L$は、組み合わせて用いる直列リアクトルの%リアクタンスであり、$L=6$ である。
これから、回路電圧 220[V](相電圧 127.0[V])の三相受電設備に用いる進相コンデンサでは、コンデンサの定格電圧を 234[V](相電圧 135.1[V])とする。
定格設備容量 50[kvar]、定格周波数 50[Hz]の進相コンデンサ設備を考える。その定格電流は、131[A]となる。この進相コンデンサ設備に直列に接続するリアクトルのインダクタンス[mH](1相分)の値として、最も近いのは次のうちどれか。
(1) 0.20 (2) 0.34 (3)3 .09 (4) 3.28 (5) 5.35
2010年(平成22年)問7 過去問解説
直列リアクトルの相電圧を $V_R$[V]、コンデンサの定格相電圧を $V_N$[V]とすると、
$V_L=V_N-V_R$
$V_R=135.1-127.0=8.1$[V]
リアクトルのインダクタンス $L$[H]、コンデンサの定格電流 $I$[A]とすると、
$V_R=2πfLI$
$L=\displaystyle\frac{V_R}{2πfI}=\displaystyle\frac{8.1}{2×π×50×131}≒0.20$[mH]
答え (1)
2010年(平成22年)問9
真空遮断器(VCB)は $10^{-5}$[MPa]以下の高真空中での高い( ア )と強力な拡散作用による( イ )を利用した遮断器である。遮断電流を増大させるために適切な電極材 料を使用するとともに、アークを制御することで電極の局部過熱と溶融を防いでいる。電極部は( ウ )と呼ばれる容器に収められており、接触子の周囲に円筒状の金属製シー ルドを設置することで、電流遮断時のアーク(電極から蒸発した金属と電子によって構成 される)が真空中に拡散し絶縁筒内面に付着して絶縁が低下しないようにしている。真空 遮断器は、アーク電圧が低く電極の消耗が少ないので長寿命であり、多頻度の開閉用途に 適していることと、小形で簡素な構造、保守が容易などの特徴があり、24[kV]以下の電 路において広く使用されている。一方で他の遮断器に比べ電流遮断時に発生するサージ電 圧が高いため、電路に接続された機器を保護する目的でコンデンサと抵抗を直列に接続し たもの又は( エ )を遮断器前後の線路導体と大地との間に設置する場合が多い。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正し いものを組み合わせたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 冷却能力 | 消弧能力 | 空気容器 | リアクトル |
(2) | 絶縁耐力 | 消弧能力 | 真空容器 | リアクトル |
(3) | 消弧能力 | 絶縁耐力 | 空気容器 | 避雷器 |
(4) | 絶縁耐力 | 消弧能力 | 真空容器 | 避雷器 |
(5) | 消弧能力 | 絶縁耐力 | 真空容器 | 避雷器 |
2010年(平成22年)問9 過去問解説
真空遮断器(VCB)は $10^{-5}$[MPa]以下の高真空中での高い( 絶縁耐力 )と強力な拡散作用による( 消弧能力 )を利用した遮断器である。遮断電流を増大させるために適切な電極材 料を使用するとともに、アークを制御することで電極の局部過熱と溶融を防いでいる。電極部は( 真空容器 )と呼ばれる容器に収められており、接触子の周囲に円筒状の金属製シー ルドを設置することで、電流遮断時のアーク(電極から蒸発した金属と電子によって構成 される)が真空中に拡散し絶縁筒内面に付着して絶縁が低下しないようにしている。真空 遮断器は、アーク電圧が低く電極の消耗が少ないので長寿命であり、多頻度の開閉用途に 適していることと、小形で簡素な構造、保守が容易などの特徴があり、24[kV]以下の電 路において広く使用されている。一方で他の遮断器に比べ電流遮断時に発生するサージ電 圧が高いため、電路に接続された機器を保護する目的でコンデンサと抵抗を直列に接続し たもの又は( 避雷器 )を遮断器前後の線路導体と大地との間に設置する場合が多い。
答え (4)
2017年(平成29年)問9
次の文章は、電力用コンデンサに関する記述である。
電力用コンデンサには、進相コンデンサ、調相コンデンサ及び直列コンデンサがあり、さらにフィルタ用コンデンサやサージ吸収用コンデンサなどを含めることがある。電力用コンデンサは、一般的に複数枚の薄葉誘電体を金属はく電極とともに巻き込み、リード線を引き出した単位コンデンサの集合で構成し、容器などに収納したものである。また、電極として蒸着金属が用いられることがある。誘電体には、広い面積にわたり厚さが均一であること、適当な機械的強度を有すること、誘電率が( ア )その温度変化が少ないこと、誘電正接が( イ )絶縁抵抗及び絶縁耐力が( ウ )こと、耐熱性に優れ長期安定性に優れていることなどが求められる。
電力用コンデンサの( エ )点検としては、油漏れ、発錆、がいしの汚損、容器の変形、端子部の過熱及び機器の異常過熱などの有無について確認を行う。また、数年ごとあるいは異常発生時に行う( オ )点検として、( エ )点検項目のほかにコンデンサの静電容量・損失の測定、端子-外箱間の絶縁抵抗測定、耐電圧試験などを実施する。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | (オ) | |
(1) | 高く | 小さく | 高い | 日常 | 特別 |
(2) | 高く | 大きく | 高い | 日常 | 特別 |
(3) | 低く | 大きく | 高い | 特別 | 日常 |
(4) | 高く | 小さく | 低い | 特別 | 日常 |
(5) | 低く | 大きく | 低い | 特別 | 日常 |
2017年(平成29年)問9 過去問解説
電力用コンデンサには、進相コンデンサ、調相コンデンサ及び直列コンデンサがあり、さらにフィルタ用コンデンサやサージ吸収用コンデンサなどを含めることがある。電力用コンデンサは、一般的に複数枚の薄葉誘電体を金属はく電極とともに巻き込み、リード線を引き出した単位コンデンサの集合で構成し、容器などに収納したものである。また、電極として蒸着金属が用いられることがある。誘電体には、広い面積にわたり厚さが均一であること、適当な機械的強度を有すること、誘電率が( 高く )その温度変化が少ないこと、誘電正接が( 小さく )絶縁抵抗及び絶縁耐力が( 高い )こと、耐熱性に優れ長期安定性に優れていることなどが求められる。
電力用コンデンサの( 日常 )点検としては、油漏れ、発錆、がいしの汚損、容器の変形、端子部の過熱及び機器の異常過熱などの有無について確認を行う。また、数年ごとあるいは異常発生時に行う( 特別 )点検として、( 日常 )点検項目のほかにコンデンサの静電容量・損失の測定、端子-外箱間の絶縁抵抗測定、耐電圧試験などを実施する。
答え (1)