事故の報告【電験三種-法規(電気関係法令)】

法規

電験三種の法規で出題される事故の報告について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。

事故の報告

電気関係報告規則第3条によれば、電気事業者または自家用電気工作物の設置者は、 電気事故が発生した際、24時間以内に速報、30日以内に詳報を産業保安監督部長に伝えなければなりません。

なお、以前は速報は48時間以内と規定されていました。

事故の発生を知つた時から24時間以内可能な限り速やかに事故の発生の日時及び場所、事故が発生した電気工作物並びに事故の概要について、電話等の方法により行うとともに、事故の発生を知つた日から起算して三十日以内に様式第十三の報告書を提出して行わなければならない。ただし、当該事故の原因が自然現象であるものについては、同様式の報告書の提出を要しない。

電気関係報告規則第3条

電気関係報告規則に基づいて、設置者が業保安監督部長に報告しなければならない事故は次のとおりです。

  • 感電等で人が死傷した事故(死亡又は入院)
  • 電気火災(半焼以上)
  • 公共施設を使用不可能にしたり社会的影響を及ぼした事故
  • 主要電気工作物の破損事故(電圧1万V以上の需要設備に限る)
  • 波及事故(電圧3000V以上の自家用電気工作物に限る)

波及事故とは、電力会社や近隣の他需要家に対して停電などの被害を与えるものをいいます。

  

電験三種-法規(電気関係法令)過去問題

1997年(平成9年)問8

受電電圧 6.6[kV]の自家用電気工作物を設置する事業所における次の事例のうち、電気関係報告規則に基づいて、設置者が所轄経済産業局長に対して報告すべき事故に該当しないものはどれか。

  1. 電圧 100[V]の屋内配線が過負荷により高熱となり、電気災害が発生し全焼した。
  2. 落雷により高圧負荷開閉器が焼損し、電気事業者に供給支障事故を発生させた。
  3. 高圧の断路器を誤って操作した電気工事作業者が、発生したアーク熱により全治1ヶ月の火傷を負った。
  4. 高圧の受電用真空遮断器が誤動作により損傷し、操作不能になった。
  5. 従業員が、分電盤内の電圧 200[V]の端子に触れて、全治1週間の感電負傷した。

1997年(平成9年)問8 過去問解説

報告すべき事故に該当しないものは(4)です。

答え (4)

1999年(平成11年)問8(改)

自家用電気工作物を( ア )する者は、自家用電気工作物において感電死傷事故が発生したときは、「電気関係報告規則」に基づき、事故の発生を知った時から( イ )時間以内に電気事故の( ウ )を、また、事故の発生を知った日から起算して( エ )日以内に( オ )を産業保安監督部長に報告しなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ),(エ)及び(オ)に記入する字句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)
(1)管理12速報7詳報
(2)設置24第一報7第二報
(3)設置24速報14詳報
(4)設置24速報30詳報
(5)管理48第一報30第二報

1999年(平成11年)問8(改) 過去問解説

自家用電気工作物を( 設置 )する者は、自家用電気工作物において感電死傷事故が発生したときは、「電気関係報告規則」に基づき、事故の発生を知った時から( 24 )時間以内に電気事故の( 速報 )を、また、事故の発生を知った日から起算して( 30 )日以内に( 詳報 )を産業保安監督部長に報告しなければならない。

答え (4)

2008年(平成20年)問2(改)

次の文章は、「電気関係報告規則」の事故報告についての記述の一部である。

  1. 電気事業者は、電気事業の用に供する電気工作物(原子力発電工作物を除く。)に関して、次の事故が発生したときは報告しなければならない。
  2. ( ア )又は破損事故若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が死傷した事故(死亡又は病院若しくは診療所に治療のため入院した場合に限る。)
  3. 上記の規定による報告は、事故の発生を知った時から( イ )時間以内可能な限り速やかに事故の発生の日時及び場所、事故が発生した電気工作物並びに事故の概要について、電話等の方法により行うとともに、事故の発生を知った日から起算して( ウ )日以内に様式第11の報告書を提出して行わなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア),(イ)及び(ウ)に当てはまる語句又は数値として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア)(イ)(ウ)
(1)感電2430
(2)火災2430
(3)感電2414
(4)火災2414
(5)火災4814

2008年(平成20年)問2(改) 過去問解説

  1. 電気事業者は、電気事業の用に供する電気工作物(原子力発電工作物を除く。)に関して、次の事故が発生したときは報告しなければならない。
  2. ( 感電 )又は破損事故若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が死傷した事故(死亡又は病院若しくは診療所に治療のため入院した場合に限る。)
  3. 上記の規定による報告は、事故の発生を知った時から( 24 )時間以内可能な限り速やかに事故の発生の日時及び場所、事故が発生した電気工作物並びに事故の概要について、電話等の方法により行うとともに、事故の発生を知った日から起算して( 30 )日以内に様式第11の報告書を提出して行わなければならない。

答え (1)

2010年(平成22年)問3

「電気関係報告規則」に基づく、電気事故に関して、受電電圧 6600[V]の自家用電気工作物を設置する事業場における下記(1)~(5)の事故事例のうち、事故報告に該当しないものはどれか。

  1. 自家用電気工作物の破損事故に伴う構内1号柱の倒壊により道路をふさぎ、長時間の交通障害を起こした。
  2. 補修作業員が、作業中誤って分電盤内の低圧 200[V]の端子に触れて感電負傷し、治療のため3日間入院した。
  3. 電圧 100[V]の屋内配線の漏電により火災が発生し、建屋が全焼した。
  4. 従業員が、操作を誤って高圧の誘導電動機を損壊させた。
  5. 落電により高圧負荷開閉器が破損し、電気事業者に供給支障を発生させたが、電気火災は発生せず、また、感電死傷者は出なかった。

2010年(平成22年)問3 過去問解説

報告すべき事故に該当しないものは(4)です。

答え (4)

法規電験3種
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