電気工事士法:第二種電気工事士電気工事士法

第二種電気工事士

第二種電気工事士の筆記試験に初心者の方でも簡単に独学で合格する勉強方法を紹介しています。第二種電気工事士の筆記試験は、過去問から繰り返し出題されていますので、出題分野毎に過去問をまとめて解くことで、効果的な勉強方法となります。このページでは、一般用電気工作物の保安に関する法令「電気工事士法」について、解説しています。

電気工事士法

電気工事士は、一般用電気工作物を設置しまたは変更する工事の作業に従事するための資格(第1種・第2種)です。また、第1種電気工事士、特種電気工事資格者および認定電気工事従事者は、自家用電気工作物のうち 500[kW]未満の需要設備を設置し、または変更する工事の作業に従事することもできます。

電気工事士法は義務を定め、電気工事の欠陥による人身事故、火災事故および波及事故等の災害の発生の防止を図るために制定された法律です。 電気工事士法を施行するため、政令として電気工事士法施行令、省令として電気工事士法施行規則があります。

電気工事士法の目的

この法律は、電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め、もつて電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする。

電気工事士法第1条

電気工事士の工事範囲

電気工事士は、一般用電気工作物の工事を行う第2種電気工事士、自家用電気工作物のうち 500[KW]未満の需要設備の工事を行うことができる第1種電気工事士があります。その他にネオン工事、非常用予備発電装置工事の工事ができる特種電気工事資格者があります。

尚、第1種電気工事士は、第2種電気工事士の工事ができる範囲の工事を行うことができます。また、第1種電気工事士の工事ができる範囲のうち、電圧 600[V]以下で使用する自家用電気工作物に係る簡易電気工事(電線路に係るものは除く)については、認定電気工事従事者の資格があれば工事を行うことができます。

電気工事士の工事範囲
電気工事士の工事範囲

*注  ネオン用として設備する分電盤、主開閉器、タイムスイッチ、点滅器、ネオン変圧器、ネオン管およびこれらの付属設備

**注 非常用予備発電装置として設置する原動機、発電機、配電盤およびこれらの付属設備

電気工事士等の義務

  • 電気工事士は、電気工事士法で定められた電気工事の作業を行うときは、[電気設備に関する技術基準を定める省令に適合するよう」作業を行わなければならない。
  • 電気工事士は、電気工事士法で定められた電気工事の作業を行うときは、「電気用品安全法に定める適正な表示がされた電気用品」を用いて電気工事作業に従事しないといけない。
  • 電気工事士は、一般用電気工作物の電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければならない。

第2種電気工事士の免状

記載事項①免状の種類  ②免状の交付番号  ③交付年月日  ④氏名  ⑤生年月日
交付・再交付免状の交付・再交付は、都道府県知事に提出
書き換え申請記載事項に変更があった場合は、免状を交付した都道府県知事に書き換えを申請(住所変更は申請の必要なし)
返納法令違反等により、免状の返納を命ぜられたときは、遅滞なく返納を命じた都道府県知事に返納する

電気工事士にしかできない作業

電気工事士の免状が必要な作業の例です。

  • 電線相互を接続する作業
  • がいしに電線を付け外しする作業
  • 電線を直接造営材などに付け外しする作業
  • 電線管、線樋 、ダクトなどに電線を収める作業
  • 配線器具を造営材などに付け外しする作業。又はこれに電線を接続する作業
  • 電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業
  • 電線、電線管、線樋 、ダクトその他これらに類する物が造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を付け外しする作業
  • 金属製の電線管、線樋 、ダクトその他これらに類する物又はこれらの附属品を、建造物のメタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの部分に付け外しする作業
  • 配電盤を造営材に付け外しする作業
  • 接地線を自家用電気工作物に取り付け、若しくはこれを取り外し、接地線相互若しくは接地線と接地極とを接続し、又は接地極を地面に埋設する作業
  • 電圧600Vを超えて使用する電気機器に電線を接続する作業

電気工事士以外でもできる作業(軽微な作業)

電気工事士の免状が不要な作業例です。これらを「軽微な作業」といいます。

  • 電圧600V以下で使用する接続器(差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットなど)、または電圧600V以下で使用する開閉器(ナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチなど)にコードまたはキャブタイヤケーブルを接続する工事
  • 電圧600V以下で使用する電動機などの電気機器(配線器具を除く)、または電圧600V以下で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする工事
  • 電圧600V以下で使用する電力量計、電流制限器、ヒューズを付け外しする工事
  • 電鈴、インターホン、火災感知器、豆電球などに使用する小型変圧器(二次電圧が36V以下)の二次側の配線工事
  • 電線を支持する柱、腕木などを設置・変更する工事
  • 地中電線用の暗きょまたは管を設置・変更する工事

電気工事業の業務の適正化に関する法律

電気工事業の業務の適正化に関する法律は、電気工事業を営む者の登録および通知等を義務付け、その業務について規制を行い、一般用電気工作物および自家用電気工作物(500[kW]未満の需要設備)の保安の確保を図るために制定された法律です。

電気工事業を営む者の登録等

  • 電気工事業を営もうとする方は、経済産業大臣または都道府県知事の登録を受けなければならない。
  • 電気工事業者の登録有効期間は5年間で、有効期間満了後も電気工事業を営もうとする方は更新の登録を受けなければならない。
  • 一般用電気工事の業務を行う登録電気工事業者は、第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の取得後電気工事に関し3年以上の実務経験を有する第二種電気工事士を、その業務を行う営業所ごとに、主任電気工事士として置かなければならない。
  • 電気工事業者は、営業所ごとに帳簿を備え、経済産業省令で定める事項を記載し、5年間保存しなければならない。
  • 一般用電気工事の業務を行う電気工事業者は、営業所ごとに、絶縁抵抗計、接地抵抗計並びに抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計を備えなければならない。

一般用電気工作物の保安に関する法令:第二種電気工事士 過去問

(財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士の筆記試験に出題された問題です。

電気工事士法

電気工事士法に違反しているものは。

  1. 電気工事士試験に合格したが、電気工事の作業に従事しないので都道府県知事に免状の交付申請をしなかった。
  2. 電気工事士が経済産業大臣に届け出をしないで、複数の都道府県で電気工事の作業に従事した。
  3. 電気工事士が住所を変更したが、30日以内に都道府県知事にこれを届け出なかった。
  4. 電気工事士が電気工事士免状を紛失しないよう、これを営業所に保管したまま電気工事の作業に従事した。

電気工事士は、一般用電気工作物の電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければならなりません。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)下期 問28
2017年(平成29年)上期 問28

電気工事士法

電気工事士の義務又は制限に関する記述として、誤っているものは。

  1. 電気工事士は、電気工作物の工事に特定電気用品を使用するときは、電気用品安全法に定められた適正な表示が付されたものでなければ使用してはならない。
  2. 電気工事士は、一般用電気工作物の電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければならない。
  3. 電気工事士は、一般用電気工作物に係る電気工事の作業に従事するときは、「電気設備に関する技術基準を定める省令」に適合するようにその作業をしなければならない。
  4. 電気工事士は、住所を変更したときは、免状を交付した都道府県知事に申請して免状の書換えをしてもらわなければならない。

免状の記載事項は、①免状の種類  ②免状の交付番号  ③交付年月日  ④氏名  ⑤生年月日 です。住所は記載されていませんので、住所を変更したときの免状の書換えは不要です。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2010年(平成22年)問28
2012年(平成24年)下期 問29
2014年(平成26年)下期 問28類似
2016年(平成28年)上期 問28類似
2019年(令和元年)上期 問28類似

電気工事士法

電気工事士の義務又は制限に関する記述として、誤っているものは。

  1. 電気工事士は、電気工事士法で定められた電気工事の作業に従事するときは、電気工事士免状を携帯していなければならない。
  2. 第二種電気工事士のみの免状で、需要設備の最大電力が500[kW]未満の自家用電気工作物の低圧部分の電気工事のすべての作業に従事することができる。
  3. 電気工事士は、氏名を変更したときは、免状を交付した都道府県知事に申請して免状の書換えをしてもらわなければならない。
  4. 電気工事士は、電気工事士法で定められた電気工事の作業を行うときは、電気設備に関する技術基準を定める省令に適合するよう作業を行わなければならない。

自家用電気工作物の低圧部分の電気工事は、「第1種電気工事士」または「認定電気工事従事者」しか、作業に従事できません。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2008年(平成20年)上期 問28類似
2013年(平成25年)上期 問28
2018年(平成30年)下期 問28

電気工事士法

電気工事士法において、第二種電気工事士免状の交付を受けている者であってもできない工事は。

  1. 一般用電気工作物のネオン工事
  2. 一般用電気工作物の接地工事
  3. 自家用電気工作物(500[kW]未満の需要設備)の地中電線用の管の設置工事
  4. 自家用電気工作物(500[kW]未満の需要設備)の非常用予備発電装置の工事

自家用電気工作物(500[kW]未満の需要設備)の非常用予備発電装置の工事は、第二種電気工事士は、従事することができません。なお、ハの地中電線用の管の設置工事は、軽微な工事に該当します。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2007年(平成19年)問29
2010年(平成22年)問30
2011年(平成23年)上期 問28
2016年(平成28年)下期 問28
2018年(平成30年)上期 問28

電気工事士法

電気工事士法において、一般用電気工作物の作業で、電気工事士でなければ従事できない作業は。

  1. インターホーンの施設に使用する小型変圧器(二次電圧36[V]以下)の二次側配線工事の作業
  2. 電線を支持する柱、腕木を設置する作業
  3. 電線管をねじ切りし、電線管とボックスを接続する作業
  4. 電力量計の取り付け作業

電気工事士でなければできない作業の一つに、「電線管を曲げ、若しくはねじ切りし、又は電線管相互若しくは電線管とボックスその他の附属品とを接続する作業」があります。

答え(ハ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2006年(平成18年)問29類似
2012年(平成24年)上期 問28
2016年(平成28年)上期 問29
2019年(令和元年)下期 問28類似

電気工事士法

電気工事士法において、一般用電気工作物の作業で、電気工事士でなければ従事できない作業は。

  1. 電動機の端子にキャプタイヤケーブルをねじ止めする作業
  2. 金属管に電線を収める作業
  3. 火災報知器の施設に使用する小型変圧器(二次電圧36[V]以下)の二次側配線工事の作業
  4. ソケットにコードを接続する作業

電気工事士でなければできない作業の一つに、「電線管、線樋 、ダクトなどに電線を収める作業」があります。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2012年(平成24年)下期 問28

電気工事士法

電気工事士法において、一般用電気工作物の作業で、電気工事士でなければ従事できないものは。

  1. 開閉器にコードを接続する工事
  2. 配電盤を造営材に取り付ける作業
  3. 地中電線用の暗きょを設置する工事
  4. 火災感知器に使用する小型変圧器(二次電圧が36[V]以下)二次側の配線工事

電気工事士でなければできない作業の一つに、「配電盤を造営材に付け外しする作業」があります。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2013年(平成25年)下期 問28
2015年(平成27年)下期 問28

電気工事士法

電気工事士法において、一般用電気工作物の工事又は作業でa、bともに電気工事士でなければ従事できないものは。

  1. a : 接地極を地面に埋設する。
    b : 電圧 100 [V] で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする。
  2. a : 地中電線用の暗きょを設置する。
    b : 電圧 200 [V] で使用する電力量計を取り付ける。
  3. a : 電線を支持する柱を設置する。
    b : 電線管に電線を収める。
  4. a : 配電盤を造営材に取り付ける。
    b : 電線管を曲げる。

「配電盤を造営材に取り付ける」,「電線管を曲げる」は,電気工事士でなければできない作業である。

答えはニ.である。

「配電盤を造営材に取り付ける」「電線管を曲げる」は、電気工事士でなければできない作業です。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2014年(平成26年)上期 問28
2017年(平成29年)上期 問29類似
2017年(平成29年)下期 問28類似

電気工事士法

電気工事士法において,一般用電気工作物の工事又は作業でa,bともに電気工事士でなければ従事できないものは。

  1. a : 電線が造営材を貫通する部分に金属製の防護装置を取り付ける。
    b : 電圧 200 V で使用する電力量計を取り外す。
  2. a : 電線管相互を接続する。
    b : 接地極を地面に埋設する。
  3. a : 地中電線用の管を設置する。
    b : 配電盤を造営材に取り付ける。
  4. a : 電線を支持する柱を設置する。
    b : 電圧 100 V で使用する蓄電池の端子に電線をねじ止めする。

「電線管相互を接続」「接地極を地面に埋設」は、電気工事士でなければできない作業です。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2015年(平成27年)上期 問29

電気工事業の業務の適正化に関する法律

電気工事業の業務の適正化に関する法律に定める内容に、適合していないものは。

  1. 一般用電気工事の業務を行う登録電気工事業者は、第一種電気工事士又は第二種電気工事士免状の取得後電気工事に関し3年以上の実務経験を有する第二種電気工事士を、その業務を行う営業所ごとに、主任電気工事士として置かなければならない。
  2. 電気工事業者は、営業所ごとに帳簿を備え、経済産業省令で定める事項を記載し、5年間保存しなければならない。
  3. 登録電気工事業者の登録の有効期限は7年であり、有効期間の満了後引き続き電気工事業を営もうとする者は、更新の登録を受けれなければならない。
  4. 一般用電気工事の業務を行う電気工事業者は、営業所ごとに、絶縁抵抗計、接地抵抗計並びに抵抗及び交流電圧を測定することができる回路計を備えなければならない。

登録電気工事業者の登録の有効期間は7年であり、有効期間の満了後引き続き電気工事業を営もうとする者は、更新の登録を受けなければならない。
登録電気工事業者の登録の有効期間は5年です。有効期間の満了後引き続き電気工事業に従事するのであれば更新の登録を受けます。

登録電気工事業者の登録の有効期間は5年です。

答え(ハ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2009年(平成21年)問28

第二種電気工事士
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