電気事業法:第二種電気工事士

第二種電気工事士

第二種電気工事士の筆記試験に初心者の方でも簡単に独学で合格する勉強方法を紹介しています。第二種電気工事士の筆記試験は、過去問から繰り返し出題されていますので、出題分野毎に過去問をまとめて解くことで、効果的な勉強方法となります。このページでは、一般用電気工作物の保安に関する法令「電気事業法」について、解説しています。

電気事業法と施行規則

電気事業法は、電力使用者の利益保護や、電気事業者の運営、発電から送配電までに必要となる設備の工事・運用など、電気事業にかかわる様々な規定を定めた法律です。

「電気事業法」「電気用品安全法」「電気工事士法」「電気工事業の業務の適正化に関する法律」を電気保安4法と言われています。

電気事業法の目的

電気事業法の目的は次のように定義されています。

 この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。

電気事業法第1条

電気工作物

電気工作物とは、発電所・変電所・送電線・配電線・需要箇所など、電気を発生させてから消費するまでに関わる電線路やそれに付属する設備などのことです。この内、船舶、車両、航空機に設置されるものと、電圧30[V]未満の設備は除かれます。一般的には建築物に設置されている発変電・送配電設備が電気工作物として定義されています。

電気工作物の種類

電気工作物は、危険性の低いものを「一般用電気工作物」、危険性の高いものを「事業用電気工作物」、と区分されています。

一般用電気工作物

電気事業法第38条で、一般用電気工作物は次のように定義されています。

  1. 一般電気事業者から 600[V]以下の電圧で受電し、その受電の場所と同一の構内においてその受電に係る電気を使用するための電気工作物
  2. 構内に設置し、構内の負荷にのみ電気を供給する小出力発電設備設備
  3. 爆発性または引火性のものが存在する場所でないこと。

尚、「小出力発電設備」とは、600[V]以下の電気を発電する電気工作物です。ただし、複数設置したときの出力の合計が 50[kW]以上となるものは除きます。小出力発電設備は、比較的簡易な保安でも設置可能な分散型発電設備として、電気事業法施行規則第48条で次のように規定されています。

出力50kW未満の太陽電池発電設備

出力20kW未満の風力発電設備

出力20kW未満及び最大使用水量1m3/s未満の水力発電設備(ダムを伴うものを除く)

出力10kW未満の内燃力を原動力とする火力発電設備

出力10kW未満の燃料電池発電設備(固体高分子型のものであって、最高使用圧力が0.1MPa未満のものに限る)

電気事業法施行規則第48条

事業用電気工作物

事業用電気工作物は、「一般用電気工作物以外の電気工作物」です。つまり、 電気工作物を大きく分けると、一般用電気工作物と事業用電気工作物に分けられます。 事業用電気工作物は、さらに「電気事業用電気工作物」と「自家用電気工作物」に分類されます。

「電気事業用電気工作物」は、電力会社の電気設備のことを指します。「自家用電気工作物」は、電気事業法第38条で

電気事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物

電気事業法第38条

と定義されています。つまり、自家用電気工作物は、「電力会社の電気設備及び一般用電気工作物以外の電気工作物」です。自家用電気工作物には、以下のものが該当します。

  1. 電力会社等から 600[V]を超える電圧で受電して電気を使用する設備
  2. 小出力発電設備以外の発電設備を有するもの
  3. 電力会社等からの受電のための電線路以外に構外の電気工作物と電気的に接続されているもの
  4. 火薬工場および炭坑

爆発や引火の危険性がある火薬工場と炭坑は電気設備の不良が原因で災害が発生する危険が高いため、受電電圧や電力の容量に関係なく、電気工作物はすべて自家用電気工作物として扱われます。

電気設備技術基準

電気設備技術基準とは、電気事業法の規定の委任に基づいて経済産業大臣が制定した命令(省令)の一つです。正式な名称は、「電気設備に関する技術基準を定める省令」といいます。電気設備技術基準では、電気工作物が感電や火災そのほか人の体に危害を及ぼしたり、物に損害を与えないように作られた技術上の基準を定めています。

電圧の種別

電気設備技術基準では、電圧は低圧・高圧・特別高圧の3種類に区分されています。

交流直流
低圧600V 以下のもの750V 以下のもの
高圧600V を超え 7000V 以下のもの750Vを超え 7000V 以下のもの
特別高圧7000V を超えるもの7000V を超えるもの

電圧が高いほど、取り扱いに注意が必要が必要になるため、電気設備技術基準では、電圧の種別に従ってさまざまな規則が定められています。

電路の対地電圧の制限

屋内電路を施工する際に次のルールを定めています。

  • 使用電圧は300V以下
  • 住宅の屋内電路の対地電圧は原則150V以下(※定格消費電力が2kW以上の電気機械器具(冷蔵庫など)」や「これに電気を供給する屋内配線」を施設する場合は、対地電圧を300V以下にできる)
  • 住宅の屋内電路の対地電圧を300V以下とする場合、簡易接触防護措置、直接接続、開閉器および過電流遮断器、漏電遮断器を施設

一般用電気工作物の保安に関する法令:第二種電気工事士 過去問

(財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士の筆記試験に出題された問題です。

電気事業法

電気事業法の規定において、一般用電気工作物に関する記述として、正しいものは。ただし、煙火以外の火薬類を製造する事業場等の需要設備を除く。

  1. 低圧で受電する需要設備は、出力25[kW]の内燃力を原動力とする火力発電設備を同一構内に施設しても、一般用電気工作物となる。
  2. 低圧で受電する需要設備は、小出力発電設備を同一構内に施設しても、一般用電気工作物となる。
  3. 高圧で受電する需要設備であっても、需要場所の業種によっては、一般用電気工作物になる場合がある。
  4. 高圧で受電する需要設備は、受電電力の容量、需要場所の業種にかかわらず、すべて一般用電気工作物となる。

イ、は出力10kW以上なので、自家用電気工作物です。
ロ、は同一構内に施設しているので、一般用電気工作物です。
ハ、は高圧受電しているので自家用電気工作物です。業種による区分変更はありません。
ニ、は高圧受電しているので自家用電気工作物です。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2010年(平成22年)問29
2011年(平成23年)下期 問30

電気事業法

一般用電気工作物の適用を受けるものは。ただし、いずれも1構内に設置するものとする。

  1. 低圧受電で、受電電力40[kW]、出力15[kW]の太陽電池発電設備を備えた幼稚園
  2. 高圧受電で、受電電力65[kW]の機械工場
  3. 低圧受電で、受電電力35[kW]、出力15[kW]の非常用内燃力発電設備を備えた映画館
  4. 高圧受電で、受電電力40[kW]のコンビニエンスストア

イ、は出力50kW未満の太陽電池発電設備は、小出力発電設備(600 V 以下)に該当し、一般用電気工作物です。
ロ、は高圧受電しているので自家用電気工作物です。
ハ、は出力10kWを超えた内燃力発電設備ですので、自家用電気工作物です(小出力発電設備(600 V 以下)に該当しません。)
ニ、は高圧受電しているので自家用電気工作物です。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)上期 問30
2013年(平成25年)上期 問30 類題
2016年(平成28年)下期 問30

電気事業法

一般用電気工作物に関する記述として、誤っているものは。

  1. 高圧で受電するものは、受電電力の容量、需要場所の業種にかかわらず、すべて一般用電気工作物となる。
  2. 低圧で受電するものは、小出力発電設備を同一構内に施設しても一般用電気工作物となる。
  3. 低圧で受電するものであっても、火薬類を製造する事業場など、設置する場所によっては一般用電気工作物とならない。
  4. 低圧で受電するものであっても、出力60[kW]の太陽電池発電設備を同一構内に施設した場合、一般用電気工作物とならない。

イ、高圧で受電するものは、自家用電気工作物です。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2013年(平成25年)下期 問30

電気事業法

一般電気工作物の適用を受けないものは。ただし,発電設備は電圧 600 [V] 以下で,1 構内に設置するものとする。

  1. 低圧受電で,受電電力の容量が 40 [kW],出力 10 [kW]の太陽電池発電設備を備えた幼稚園
  2. 低圧受電で,受電電力の容量が 35 [kW],出力 15 [kW]の非常用内燃力発電設備を備えた映画館
  3. 低圧受電で,受電電力の容量が 45 [kW],出力 5 [kW]の燃料電池発電設備を備えた中学校
  4. 低圧受電で,受電電力の容量が 30 [kW],出力 15 [kW]の太陽電池発電設備と電気的に接続した出力 5 [kW]の風力発電設備を備えた農園

ロ、は出力10kWを超えた内燃力発電設備ですので、自家用電気工作物です(小出力発電設備(600 V 以下)に該当しません。)

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2013年(平成25年)下期 問30
2017年(平成29年)下期 問29類似

一般用電気工作物

一般用電気工作物に関する記述として,誤っているものは。

  1. 低圧で受電するもので,出力 60 kW の太陽電池発電設備を同一構内に施設するものは,一般用電気工作物となる。
  2. 低圧で受電するものは,小出力発電設備を同一構内に施設しても一般用電気工作物となる。
  3. 低圧で受電するものであっても,火薬類を製造する事業場など,設置する場所によっては一般用電気工作物とならない。
  4. 高圧で受電するものは,受電電力の容量,需要場所の業種にかかわらず,一般用電気工作物とならない。

イ、小出力発電設備(600 V)以下に該当する太陽電池発電設備の出力は 50 kW 未満 です。出力60KWは自家用電気工作物に該当します。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2015年(平成27年)下期 問30類似
2018年(平成30年)上期 問30類似
2019年(令和元年)上期 問30

電気の保安に関する法令

電気の保安に関する法令についての記述として,誤っているものは。

  1. 「電気工事士法」は,電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定めた法律である。
  2. 「電気設備に関する技術基準を定める省令」は,電気事業法の規定に基づき定められた経済産業省令である。
  3. 「電気用品安全法」は,電気用品の製造,販売等を規制し,電気用品の安全性を確保するために定められた法律で電気用品による危険及び傷害の発生を防止することを目的とする。
  4. 「電気用品安全法」において,電気工作物は,一般用電気工作物,電気事業の用に供する電気工作物,自家用電気工作物の3つに分類されている。

二、は電気工作物は,一般用電気工作物,電気事業の用に供する電気工作物,自家用電気工作物の3つに分類するのは,「電気事業法」です。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2015年(平成27年)上期 問28

電気事業法

電気事業法において、一般用電気工作物が設置されたとき及び変更工事が完成したときに、その一般用電気工作物が同法の省令で定める技術基準に適合しているかどうかの調査義務が課せられている者は。

  1. 電気工事業者
  2. 所有者
  3. 電気供給者
  4. 電気工事士

一般用電気工作物の設置および変更時は、電気供給者(電力会社)に調査義務があります。

答え(ハ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2008年(平成20年)下期 問29

電気設備の技術基準を定める省令

「電気設備に関する技術基準を定める省令」で定められている交流の電圧区分で、正しいものは。

  1. 低圧は600[V]以下、高圧は600[V]を超え10000[V]以下
  2. 低圧は600[V]以下、高圧は600[V]を超え7000[V]以下
  3. 低圧は750[V]以下、高圧は750[V]を超え10000[V]以下
  4. 低圧は750[V]以下、高圧は750[V]を超え7000[V]以下

交流の電圧区分は、低圧は600[V]以下、高圧は600[V]を超え7000[V]以下です。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2012年(平成24年)下期 問30

電気設備の技術基準を定める省令

「電気設備に関する技術基準を定める省令」における電圧の低圧区分の組合せで、正しいものは。

  1. 交流750[V]以下、直流600[V]以下
  2. 交流600[V]以下、直流600[V]以下
  3. 交流600[V]以下、直流750[V]以下
  4. 交流600[V]以下、直流700[V]以下

低圧の条件は、交流600[V]以下、直流750[V]以下です。

答え(ハ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2006年(平成18年)問28
2009年(平成21年)問29
2012年(平成24年)上期 問30
2014年(平成26年)上期 問30
2017年(平成29年)下期 問30
2018年(平成30年)下期 問30
2019年(令和元年)下期 問30

電気設備の技術基準を定める省令

特別な場合を除き、住宅の屋内電路に使用できる対地電圧の最大値[V]は。

  1. 100
  2. 150
  3. 200
  4. 250

特別な場合を除き、住宅の屋内電路に使用できる対地電圧の最大値は、150[V]です。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)上期 問29

第二種電気工事士
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