電動機を始動・停止させる方法【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「電動機を始動・停止させる方法」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

よく使用される電動機

電動機は、ビル設備の動力源として、いろいろ使用されていますが、そのうちでも、構造が簡単で、運転と保守が容易であることから、かご形三相誘導電動機が最も多く用いられています。そこで、動力設備の運転、つまり、かご形三相誘導電動機(以下電動機という)の運転について述べることにします。

電動機を始動、停止する方法

電動機は、三相交流電圧を印加すると回転し、機械動力を発生することは充分におわかりと思います。そこで、電源である動力幹線と電動機の間に、開閉器を接続します。この開閉器を、第1図のように閉じれば、動力幹線から電動機に三相の200Vの電圧が印加されるので、電動機は回転し始動し、また、開閉器を第2図のように開けば、電圧が印加されないから、電動機は停止することになります。このように、開閉器を直接入切して、電動機を始動、停止する方法を直接的制御といいます。この場合、開閉器としては、配線用しゃ断器が多く用いられています。

電動機を始動、停止する方法

電動機のじか入れ始動法

電動機の始動、停止の方法として、三相交流電源と電動機の間に配線用しゃ断器のみを用いた直接的制御においては、遠く離れたところからの遠方制御に不便であるところから、配線用しゃ断器と電動機の間に、さらに電磁接触器を接続した第3図のような間接的制御が、一般に用いられています。

電動機のじか入れ始動法
第3図 電動機のじか入れ始動法

この場合、配線用しゃ断器は、電源スイッチとして電源電圧の投入、しゃ断を行うとともに過電流保護として用います。電磁接触器は、常時の負荷電流を開閉し、その操作はボタンスイッチにより行うようにします。

この回路は、電動機に電源電圧の全電圧を印加して始動することから、じか入れ始動法といいます。じか入れ始動法は、電動機に最初から電源電圧を加えて始動することから、“ 全電圧始動法”ともいい、比較的容量の小さい電動機に多く用いられています。しかし、特別の始動装置を用いることなく、操作も簡単で大きな始動トルクが得られることから、電源の容量が電動機の容量に比べて、充分余裕のある場合には、相当大きな電動機までこの方式が用いられています。

電動機の始動法のいろいろ

電動機が始動するときの電流は、定格電流の5~ 7倍になるので、電動機のじか入れ始動法は、大きなビルで電源容量の比較的大きい場合はよいのですが、電源容量が小さく、配電線の容量も充分でない場合は、電動機の始動時に、電源の電圧が急激に低下して、他の設備に悪影響を与えることになります.

そこで、この対策として、電動機の始動時に低い電圧が加わるようにする減電圧始動法が用いられます。この減電圧始動法には、スターデルタ始動法, リアクトル始動法,始動補償器始動法などがあります。

スターデルタ始動法

電動機の各相の固定子巻線の両端から、口出線を6本引き出しておきます。始動時には、電動機の固定子巻線をスター(Y)結線とし、各相の巻線に電源電圧の $\displaystyle\frav{1}{\sqrt{3}}$ に等しい減電圧を加えることにより、始動電流を小さくします。電動機が加速したら、すばやく、デルタ(△)結線に切り換えて、電源電圧を直接印加して、運転に入る方式をいいます(第4図)。

スターデルタ始動法
第4図 スターデルタ始動法

リアクトル始動法

電動機と電源との間に、始動リアクトルを挿入しておきます。始動時には、始動電流によって生ずるリアクトル降下分だけ、電動機に加わる電圧を下げ、速度が加速したのち、リアクトルを短絡して、電源電圧を直接印加する方式をいいます(第5図)。

リアクトル始動法
第5図 リアクトル始動法

始動補償器始動法

電動機と電源との間に、単巻変圧器を接続しておきます。そして、始動の際は、この単巻変圧器により降下された電圧を電動機に印加し、電動機が加速したら単巻変圧器を切り離し短絡して、電源電圧に切り換え運転に入る方式をいいます(第6図)。

始動補償器始動法
第6図 始動補償器始動法

この他に、電動機の一次側に抵抗器を挿入し、その電圧降下を利用して、低減した電圧を印加する一次抵抗始動法、また単巻変圧器始動に類似していますが、接触器が切り換わるときに、電動機が電源から切り放されることのないコンドルファ始動法などがあります。

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