記録計器とデジタル計器【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「記録計器とデジタル計器」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

記録計器設置の意義

電気設備においては電圧、電流、力率、周波数あるいは電力量などいろいろな諸量を測定しています。これらの中で電流や電力などは電気設備の稼働とともに連続して変動するのが普通ですが、指示計器でこれを記録しておくことはできません。しかし、受電設備から負荷設備までの中で電気がどのように使用されているかを記録しておくことは、電気の合理的な使用の検討あるいは電気設備の改善、 メンテナンスなどを行ううえで重要なことであって、この役目をするのが記録計器です。記録計器を設置する意義はつぎのように要約できます。

  1. 異常の早期発見
  2. 故障発生の原因追求
  3. 設備管理能力の向上
  4. 設備機器の適正運転
  5. 保安の確保
  6. 新規計画設備などへのデータ提供
  7. 各種データの保管,分析による省力化の推進

記録計器の構成

記録計器は計器の指示を記録用紙(チャート)の上に記録させるものです。この計器は、被測定量を指示させる指示機構、記録用紙と用紙を繰り出す機構、記録用紙に指示を記録する機構などを主たる構成要素としています。

自動平衡式記録計器の原理

記録計器には指示計器の指針にペンを取り付けて、指針の振れを直接記録用紙に記録するタイプの直動式記録計器がありますが、これより精度のよいタイプの記録計器もあります。自動平衡式記録計がこれにあたります。これは電位差計と増幅器およびサーボモータを内蔵した形態をとったものです。つまり、被測定量が接続されたとき測定回路の不平衡分を検出してこれを増幅し、サーボモータの操作機構に働きかけて回路を自動的に平衡させながらその変化を記録するものです。

第1図は、 自動平衡回路の例を示します。その原理は、おおよそつぎのようになります。

第1図

この回路において、$E_X$ は被測定量を直流電圧に変換したものです。$E_X$ はすべり抵抗の電圧降下 $RI$ と比較され、その差電圧によって電動機界磁巻線 $F$ には電流 $i$ が流れます。それによって電動機は回転し、すべり抵抗の接触子 $C$ が移動すします。この場合 $C$ の移動は $RI$ と $E_X$ とが等しくなるような方向です。

$RI$ と $E_X$ とが平衡すれば $F$ に電流が流れなくなって $C$ は停止します。したがって $C$ と運動するペンを用いると電圧 $E_X$ の被測定量が自動的に記録されます。

第2図は、 インピーダンス平衡形記録計の例です。温度の変化に応じて測温抵抗の抵抗値が変化しますが、その変化量はブリッジ回路の平衡条件を変化させます。したがって測温抵抗 $X$ と平衡点が見出せるまで摺動抵抗 $R$ が変化します。記録ペン $P$ は接触子 $b$ とともに動く構造となっていますので、測温抵抗 $X$ の変化がチャートに記録されることになります。

第2図

指示計器には、アナログ形とデジタル形があるように記録計にも両方の形があります。アナログ形は記録対象が時間的にどのような変化をしているかを一目のうちに連続曲線としてみれるのに対して、デジタル形は多量のデータを一つの数表に記録しておくことができ、保存が容易です。また、必要によってはハードディスクなどに記憶しておき、記憶データをもとに新しいデータを作り出す(データの加工)こともできます。

デジタル計器は、ICの技術の発展と量産により安価になってきています。自動化計測としても、測定部分にデジタル計器が多く用いられてきています。

データロガ

記録計および監視制御機能を備えた装置にデータロガという装置があります。受電設備から負荷設備までの監視制御点数は設備の規模によって大きく異なります。複雑多岐にわたった設備の点検・監視・記録すべき項目はもはや人手で処理できるものではありません。このような場合、データロガを採用すれば数百点の諸量はたちまちのうちにプリントアウトされ、必要なデータは即座に得られます。

これには必要に応じて制御機能をもたせたり、設定値をこえる量に対する警報など高速、高度な性能をもたせることができます。一定時間(毎時間や30分間隔など)ごとにタイプアウトされるデータはそのまま作表され、運転日報とすることができるので後日の貴重なデータを与えることにもなります。

ディジタル計器の例

ディジタル計器の特長の一つに多機能性をあげることができます。例えば、 1台のディジタル計器で直流電
流、直流電圧、交流電流、交流電圧および抵抗の5種類が回路計のように簡単な操作で測定できるものもあ
ります。第1表はデジタル計器の測定対象および測定範囲の例です。

なお、第3図の例のように、測温器や湿度発信器(感湿器)などと組合わせて温・湿度などを測定することもできます。このほかにも、振動や流量あるいは圧力測定などにも広く応用されています。

第3図
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