指示電気計器の原理と構成【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「指示電気計器の原理と構成」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

指示電気計器の原理と構成

指示電気計器は電圧計、電流計あるいは電力計などのように、指針の振れが直接に測定値を指示するもので、つぎのような構成要素から成立っています。

駆動装置

指示計器に被測定量を正確に指示させるためには、測ろうとする量に応じて計器の指針を動かさなければなりません。この力を駆動トルクといい、 このトルクを生じさせる部分を駆動装置といいます。駆動装置では、次の点が重要になります。

  • 駆動トルクが被測定量の変化に従って正しく変化すること
  • 消費電力が少なくて十分の駆動トルクを得ること
第1図

制御装置

指示計器の指示が被測定量を正確に指示させるためには、その可動部分の変位に相当する反対方向のトルクを生じる装置を設けなければなりません。この反抗トルクを制御トルクといい、このトルクを生じる装置を制御装置といいます。制御装置は、制御トルクが可動部分の変位に対応して正確に変化するものであり、また周囲の環境(温度や湿度など)によって変化しないものでなければなりません。

第2図

制動装置

指示計器の指針は、ただちに被測定量を指示することが必要です。しかし、場合によっては可動部分の急激な変位によって振動を生じ指針が最終値に落ち付くまでに時間がかかることがあります。これを防ぐための装置を制動装置といいます。

第3図

目盛と指針

計器の指針の振れは目盛によって読みとれますので、この両者が一体となって被測定量を表示することになります。このため目盛は正確で、読みとりやすいものでなりません。

第4図

その他

計器の可動部分を支えるための軸受、計器を収納するための外箱などがあります。なお、制御装置と軸受とを一本化したものにスパンバンド支持方式というもがあります。この方式によると軸受を使用する必要がないので摩擦による誤差を生ぜず、高感度の計器や衝撃・振動に強い計器を作ることができます。

第5図

外箱は用途によっていろいろのものが用いられています。一般には、携帯用計器の外箱は合成樹脂製のものが、配電盤用には金属製または合成樹脂製のものが多いです。

指示計器の種類、誤差、取扱い上の注意

指示計器の種類

指示計器を動作原理から分類すると第1表のようになります。これは駆動装置がどのような原理によって駆動トルクを生じるかという観点から分類したもので、一般的なもののみを掲げたものです。

計器の誤差

計器には必ず誤差が生じますが、その大きさはメーカや計器の種類によって異なります。JISにおいてはこれを定量的に表示するため第2表のように許容誤差を定めています。ここで、例えば 0.5級 の計器というのは、目盛の有効測定範囲*で誤差が定格値の 0.5% 以下でなければならないという意味です。

有効測定範囲* 
等分目盛またはこれに準じる場合は目盛の全部、零の付近で著しく縮少した目盛では定格値からその25%までを有効測定範囲とすることになっています

取扱い上の注意

指示計器は測定した量を正確に指示しなければならないのは当然ですが、応答性がよく、過負荷に耐え、機械的に丈夫なものでなければなりません。また、周囲の状況や使用状態によって誤差を生じないことが望ましいです。

使用方法による誤差

自己加熱や制御バネの疲労に注意しなければなりません。定格値をこえる過大な負担をかけると、計器は破損したり、大きな狂いを生じます。過負荷に対する耐力は、計器の種類や正確さの階級によって異なりますが。その程度は規格化されていますので、詳しくはメーカから資料をとっておくといいでしょう。

周囲状況による誤差

計器は微弱な電力で動作するものであるため、外部の磁界や電界などの周囲状況によって誤差を生じることがあります。特に動作磁界の弱い電流力計形の計器などでは、外部磁界の影響を受けやすいので、その影響を受けない場所で測定するとか、薄鉄板で磁気しゃへいを施すなどの方法が必要となる場合があります。

使用電気回路の影響

電気計器は、使用する回路状態によっても誤差を生じます。たとえば、交流用計器の場合は、電圧波形・周波数・力率などの影響を受けることがあります。これは計器のインピーダンスが変化するために生じるものです。したがって、使用する回路条件にも留意することが必要です。

測定にあたつての注意

実際に測定を行うと、指針が振れてそれを読むということになりますが、測定では特につぎの3点に注意しなければなりません。

視差の防止

指示を読みとるときに必らず目を指針の正面に持ってくることが必要です。微少な指示の差を問題にするような場合は特に注意しなければななりません。

測定中の結線換え

測定中に指針の振れが過大あるいは過小のため、隣のタップ(レンジ)につなぎ換えようとするときは、電流を流したまま結線変更をしてはなりません。必らず一度スイッチを切ってから結線変更をしないと危険な場合があります。

波形誤差

鉄心を含む強電回路には第3高調波が含まれ、電子管や半導体を含む回路には第2高調波が含まれやすい。したがってこれらの回路測定では基本波以外の波形の重畳率が大きい場合は特別な測定方法を考えなければなりません。

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