変圧器の結線方式と台数制御【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「変圧器の結線方式と台数制御」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

変圧器の結線方式

複数台数の単相変圧器を使用するときは、これらを適当に組合せて結線します。この結線の仕方にいろいろな方式があり、これを変圧器の結線方式と呼んでいます。

変圧器の端子と表わし方

第1図(a)は単相変圧器の例ですが、高圧端子 (一次巻線側)が2個あり、普通は大文字 U , V の記号をつけて区別します。低圧端子(二次巻線側)も2個あり、普通は小文字 u , v の記号をつけて区別します。第1図(a)を表わすのに、第1図(b)のように書きます。

第1図

三相結線の仕方と表わし方

単相変圧器が3台( Tl , T2 , T3 )があり、第2図(a)のように三相交流電源 ABC より電気供給を受けようとしている。3台の変圧器で三相交流負荷に電気を送るように、一次側を△ (デルタ:三角)、二次側をY (スター:星形)に結線すると第2図(b)のようになり、これは(C)図のようにも書き表わします。

第2図

三相結線

第3図

YーY結線(星形・星形結線)

第3図(a)のように一次側をY、二次側もYに結線したものです。この結線方式は、極小容量のものにしか用いられません。

△ ―△結線(三角・三角結線)

第3図(b)のように一次側・二次側とも△に結線したものです。この結線では1台の変圧器に故障が生じても、残り2台の変圧器でV結線にして三相電力を送れる利点がありますが、中性点が接地できないため異常電圧が発生しやすく、 70 kV以下に用いられます。

Y一△結線(星形・三角結線)

第3図(c) のように一次側はY、二次側は△に結線したものです。この結線方式は受電用変電所に広く用いられているもので、中性点接地もできる利点があります。

△ 一Y結線(三角・星形結線)

第3図(d)のように一次側は△ 、二次側はYに結線したものです。この結線方式は,、ビルの変圧器によく用いられています。

V(ブイ)結線

第4図のように1台の変圧器が故障したときに、残り2台の変圧器で三相電力を供給する場合とか、将来の需要増を見込んで、当初は2台の変圧器で運転するときに用います。V結線としての三相出力 $W$ は

$W=\sqrt{3}P$〔kVA〕
$P$:変圧器1台の定格容量〔kVA〕

例えば、$P=100$ kVAの変圧器が、第3図(b)のように △結線で運転しているときは、負荷に供給できる電力は、$100× 3=300$ kVAですが、V結線にした場合は $\sqrt{3}×100=173$ kVAになります。

第4図

変圧器の効率と代数制御

変圧器の電力損失は、容量500 kVA以下では2 ~ 4%、大容量変圧器では1%程度でありますが、ビルや工場では変圧器は常時使用されているので、年間での電力損失の合計は大きなものになります。そこで、変圧器が2台以上ある場合は、負荷の状況によって変圧器の運転台数を最適値に制御することが考えられます。これを変圧器の台数制御といい、省エネルギーの一環を担っています。

無負荷損と負荷損

変圧器の電力損失 $W_e$ は、

$W_e$=無負荷損十負荷損

無負荷損の大部分は鉄損で、変圧器を充電中は負荷電流の大小に関係なく常に電力損失を発生します。

無負荷損≒鉄損$W_i$〔W〕

負荷損とは変圧器に負荷をかけると、変圧器巻線に負荷電流が流れ、負荷電流によって巻線内に発生する抵抗損が大部分です。

定格容量 $P_n$〔kVA〕の変圧器に $P_L$〔kVA〕の負荷をかけたときには、

銅損=$\left(\displaystyle\frac{P_L}{P_n}\right)^2×W_e$〔W〕
ただし、$W_e$:定格容量 $P_n$ の負荷がかけられたときの、変圧器の銅損〔W〕

効率

変圧器の損失 $W_e$ は、

$W_e=W_i+\left(\displaystyle\frac{P_L}{P_n}\right)^2×W_e$ 〔W〕

で表わすことができ、変圧器の運転効率が最大になるときは、

鉄損=銅損

$W_i=\left(\displaystyle\frac{P_L}{P_n}\right)^2×W_e$

$P_L=P_n\sqrt{\displaystyle\frac{W_i}{W_e}}$〔kVA〕

となり、さらに損失比 $r=\displaystyle\frac{W_e}{W_i}$ とすれば、

$P_L=\displaystyle\frac{P_n}{\sqrt{r}}$〔kVA〕

となります。

負荷曲線を考慮した台数制御

第5図のように負荷変動するビルの変圧器について、 変圧器1台と2台運転の場合の電力損失を比較してみます。ただし、ビル電気系統図は第6図のとおりで、変圧器の仕様は次のとおりです。

第5図
第6図

定格容量:10000〔kVA〕(1号,2号とも各々)
銅損: $W_e=64.0$〔kW〕
鉄損:$W_i=14.0$〔kW〕

変圧器2台のうち、 1台は停止、1台のみ運転するときの銅損の求め方は第1表に示したように481〔kWh〕になります。したがって、変圧器1台の1日24時間の損失は、

電力損失=銅損十鉄損=481(第1表より)+14.0 (鉄損)× 24(h)=817〔kWh〕

変圧器2台ともに並行運転したときの損失は同様にして、次のようになります。

電力損失=912〔kWh〕

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