クランプ電流計の使い方【電気・電子計測】

計測

クランプ電流計の測定原理や使い方を説明します。 通常の電流計で回路の電流を測定するには、回路の途中に電流計を入れる必要があります。連続的に電流を監視するなら、電流計を付けたままにしておけばよいのですが、回路をいったん切って電流計を挿入するのは手間のかかる作業であるとともに装置を停止しなければなりません。クランプ電流計は、電流の流れている電線をくわえ込むだけで電流を測定できますから便利です。 このページでは、初心者の方でもわかりやすいように、クランプ電流計の使い方についてやさしく解説しています。

クランプ電流計の測定原理

クランプ電流計は、回路の途中に電流計を入れなくても電流が測定できます。電流測定の原理は、電線に電流が流れるとそのまわりに同心円状の磁力線が発生する「アンペアの右ねじの法則」を利用しいています。

図1のように電線のまわりを鉄心のような磁気を通しやすい材料で取り巻きますと電線から出ている磁力線が鉄心の中を通ります。そこで、この鉄心にコイルを巻き付けますとこのコイルには電圧が発生し、一種の変圧器となります。磁力の強さは、電流の大きさに比例しますから、コイルの電圧を測定すると電流の大きさを測定することが可能になります。

図1

この測定法では、電線を通る電流を測定器に流して測定するわけではありませんから、電線の途中に電流計を挿入する必要がありません。なお、動作原理が異なりますが、磁気検出センサのホール素子を利用した計器では直流電流を測定できるものもあります。

電流測定法

電流を計測するときには、あらかじめ回路電流を推定して大きめのレンジに設定しておきます。次に開閉レバーを押して分割変流器の部分を開け、電線をくわえた後に開閉レバーを離し、分割変流器を閉じます。これで、電流値が指示されます。この際注意しなければならないことは、図2(b)のように2本の線を同時にくわえ込んではいけません。

これは、単相交流であれば、一方の線を流れる電流と他の線を流れる電流は、逆方向で同じ大きさですから、電流によって発生する磁力が逆になります。結果として、線をクランプしている鉄心と鎖交する磁力線は0になり、電流の検出はできなくなってしまいます。三相交流でも複数の線を同時にクランプすると正しい計測はできません。クランプする電線は1本だけにします。

図2

電圧測定のようにリード線を使って測定するのであれば、高い位置や狭いところの測定をするときでも、計器本体を見やすい位置に置いて指示値を読み取ることが可能ですが、一般的なクランプ電流計では、クランプ部と目盛部が一体になっており、指示を読み取ることができないことがあります。そこで、測定値の読取りが困難な位置の計測でも問題がないようにするために、指示を固定する指針ロック機能を持っています。

指針ロック機能は指針を固定する機能で、ロックを解除した状態で電流を測定し、そこで指針をロックします。その後、開閉レバーを開けて手元に持ってきて指示値を読み取ります。指針ロックはメモリ機能ですから、別の計測をする前にロックを解除しませんと、元の指示のままで、新しい指示値には変わりませんから、正しい計測はできません。

漏れ電流の測定

単相交流の場合、 一方の線を流れる電流と他の線を流れる電流は、逆方向で同じ大きさですから、電流によって発生する磁力が逆になります。結果として、線をクランプしている鉄心と鎖交する磁力線は0になり、電流の検出はできません。

もし、漏れ電流があった場合、負荷側から流れる電流で誘起された磁界は、 電源側から流れる電流で誘起された磁界よりも、漏れた電流の分だけ、少 ない磁界が発生することになります。その為、差し引き、漏れた電流の分だけ の磁界を測定できます。 単相交流の場合二線を一括して、三相の場合は三線を一括して 同時にくわえ込むと漏れ電流が測定できます。

接地線を流れる漏洩電流の測定

図3は、電動機の例ですが、これ以外の電気・電子機器にも安全のために、接地線(アース線)が付けられています。正常な状態では接地線には電流は流れないのですが、機器内の絶縁低下や配線と機器の筐体が短絡(ショート)すると電流(地絡電流)が流れます。接地線の電流をクランプ電流計で測定することで、異常の有無を調べることができます。

図3
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