電気の各種効果とその応用【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「電気の各種効果とその応用」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

熱電効果

熱電効果は、金属および半導体の電気伝導現象における熱効果で、ゼーベック効果、ペルチェ効果、トムソン効果があります。

ゼーベック効果

ゼーベック効果は、2種類の金属A, Bを 第1図のように接続し、接続点 PとQをそれぞれ $t_p$〔℃〕, $t_Q$〔℃〕の温度に保つと端子 a― b間に直流起電力 $E$ が生じます。これをゼーベック効果といい、起電力 $E$ を熱起電力といいます。$t_Q$ を 0℃ とした場合、熱起電力は次式で近似されます。

$E=K_1t_p+k_2t_p^2$ ($k_1,k_2$ は定数) … (1)

第1図

ぺルチェ効果

ペルチェ効果はゼーベ ック効果の逆現象で、第1図の a一 b間に直流電圧を加えて直流電流を流すと、接続点 Pで発熱し、Q点では吸熱する現象をいいます。直流電流の方向を変えるとP点が吸熱点に、Q点が発熱点に入れ替わる性質を示します。

トムソン効果

第2図のように均質な物質の一部に温度差 $Δt$ があり、そこに電流 $I$ が流れるとその間で発熱または吸熱現象が生じます。これをトムソン効果といいます。

第2図

圧電気効果

水晶やロッシェル塩、チタン酸バリウムなどの結晶誘電体に機械的ひずみを加えると結晶面に電荷が発生し電圧を生じます。これを圧電気直接効果といいます。また、逆に前述の結晶体に電圧を加えると結晶体にひずみが生じます。これを圧電気逆効果といいます。

一般に圧電気効果を利用すれば、電気エネルギーと機械エネルギーの相互変換ができ、弱電分野、着火装置、計測装置に応用されています。

ケル(Kerr)効果

光に対して透明な等方性の誘電体に電界を加え、この物質および電界の双方に直角な方向から光を通すとその光が複屈接する現象が生じます。これをケル効果といいます。光を利用した電圧測定センサとして一部使用されています。

ホール効果

第3図のように金属または半導体の $x$ 方向から電流 $I$ を流し、$y$ 方向に磁界 $H$ を加えると $z$ 軸方向に次式で与えられる起電力が発生します。これをホール効果といいます。ホール効果は電流、電力、磁束の測定などに応用されています。

$V=Rh\displaystyle{μ_0HI}{d}$ … (1)
ただし、$Rh$:物質に固有の定数でホール係数
    $μ_0$:真空の透磁率

第3図

磁気抵抗効果

金属や半導体に磁界を加えると電気抵抗が変化する現象を磁気抵抗効果といいます。この効果は一般に半導体において著しく、磁界の測定 に利用されています。

磁気ひずみ

強磁性体を磁化すると磁区の回転に起因して寸法が変化します。この現象を磁気ひずみにおけるジュール効果といいます。また、逆に強磁性体に機械的ひずみを受けると磁化の状態が変化します。これを磁気ひずみにおけるヴィラリ効果といいます。磁気ひずみ現象は誘電体の圧電気現象に似ており、超音波振動子や真空管発振器の安定化などに使われています。

光電効果

半導体に光を照射することにより電気抵抗が変化したり、起電力が発生する現象を総称して光電効果といい、次のものがあります。

光導電効果

硫化カドミウムセルに光を照射するとその電気抵抗が減少し、その程度は光の大小に応じます。この現象を光導電効果といい、フォトダイオードやフォ トトランジスタに応用されています。

光起電効果

第4図のようにゲルマニウム(Ge) やシリコン(Si)のPN接合または半導体と金属との接触部に光を当てると光起電力を生じ、回路を閉じれば電流が流れます。これを光起電効果といい、太陽電池に応用されています。

第4図

電気効果を応用した機器

熱電対

熱電対はゼーベック効果を利用した温度測定用センサで、第5図 (a)に示すような使い方をします。熱電対線には第1表のような種類があります。熱電対線はこれを裸で使用すると腐食されるので普通は第5図 (b)に示すような保護管に収納されて使用します。

第5図

イグナイタ(点火装置)

ガス器具やライタに使用されているイグナイタには圧電気効果が利用されています。イグナイタの基本構成は第6図のようで、チタン酸バリウム磁器などの圧電素子をハンマーにより打撃することによって数 kV~ 10 kVの電圧を発生させ、それをスパークプラグに導いて火花放電を起こさせるものです。

第6図

圧電気効果と逆効果を利用するものとして水晶発振器 (第7図 )があります。水晶発振子の振動は極めて安定しているので、水晶発振器は高精度の定周波数を必要とする時計、CVCF装置などに使用されています。

第7図

ホール効果の応用

磁束計

磁界とホール素子を垂直に置いて素子の電流を一定にしておくと、ホール電圧は磁界と比例するので、ホール電圧を測定することにより磁界、磁束を読み取ることがでます。 これがホール効果磁束計です。

電力計

ホ ール電力計はホール素子を第8図のように接続したもので、ホール素子の電流 $I_H$ は電源電圧 $V_L$ に比例し、磁界 $H$ は負荷電流 $I_L$ に比例するので、ホール電圧 $V_H$ は (2)式より

$V_H∝I_HH∝V_L・I_L=P_L$

となり負荷電力 $P_L$ に比例する値となります。これがホール電力計です。

第8図

光通信

光通信は半導体の光導電効果と発光作用を利用したもので、その構成は第9図 のようになります。 E/O は電気信号を光信号に変換するもので、通電により光を放射する発光ダイオード(LED)を組み入れています。O/E は光信号を再び電気信号に変換するもので、光導電効果を有する電子なだれホトダイオード(APD)を組み入れ、光の強弱信号を電気の強弱信号にしています。

第9図
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