開閉器の役割【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「開閉器の役割」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

開閉器としゃ断器、電磁接触器との違い

開閉器(またはスイッチ)とは電気回路を開閉したり切換えたりする器具で、通常の負荷電流、励磁電流、充電電流、始動電流の開閉に使われますが、短絡電流のしゃ断に使用するしゃ断器とは区別されています。また開閉器と電磁接触器との区別は、構造的な面では開閉器は、開,閉いずれの状態でも可動接触部は、機械的なバネ作用その他により固定接触子に密着して静止の状態を保ち続けますが、電磁接触器は一般には開の状態では電磁力の作用がなく可動接触子は開の位置に静止しますが、閉の状態では電磁力が作用して可動接触子は固定接触子にある圧力で接触を保つものです。また、機能的な面では開閉器は短絡電流を通電する機能をもっており絶縁耐力も高くなっています。

これに対して電磁接触器は開閉ひん度が高く寿命も比較的長い特長をもっています。なお、電磁接触器にサーマルリレーを付属して一体構造としたものを電磁開閉器といいます。開閉器は構造が簡単で安価であるため高圧および低圧回路の比較的小容量の回路の開閉に使われています。

高圧開閉器

3.6kV以上の高圧回路に使用する開閉器には何らかの消弧装置をもっています。高圧負荷開閉器は正常な状態においては負荷電流、ループ電流、励磁電流、充電電流、進相マンデンサの電流の何れか一つ以上の開閉および通電ができ、かつその電路の短絡状態における異常電流を投入でき、また短時間電流性能を兼ね備えた開閉器をいいます。

負荷開閉器は消弧方式によって、油入開閉器、気中開閉器、ガス開閉器、真空開閉器などがあります。負荷開閉器は短絡電流をしゃ断する能力はないので、負荷開閉器に電カヒューズを取付けて開閉しゃ断能力をもたせた経済的な開閉装置も作られています。

次に真空開閉器は第1図に示すように真空容器の中に接触部が封入された真空バルブを各極ごとに備え、これに開閉操作機構を取付けた開閉器です。真空バルブ中は $10^{-4}~ 10^{-6}$ mmHg程度の真空に保たれています。真空中においては絶縁耐力が高く、ここで発生したアークは拡散によって消弧されるので、真空中の消弧は古くから研究されてきましたが、長期間にわたって真空が保持できる真空バルブと、しゃ断時の電流さい断現象によるサージ電圧の問題などが解決されてきたので、負荷開閉器、コンデンサ用開閉器として用いられています。高圧開閉器を消弧方式によって分けると第1表のとおりです。

第1図 真空容器

低圧開閉器

次に低圧開閉器は普通ナイフスイッチと呼ばれるもの、スナップ機構を利用したマイクロスイッチその他があります。ナイフスイッチは構造上カバー付ナイフスイッチと、カバーの付かないナイフスイッチがあり、カバー付ナイフスイッチは磁器製または合成樹脂製の台にナイフスイッチを取付け、前面に合成樹脂製の保護カバーを備え、カバーを開かずにスイッチの開閉ができ、カバーの中につめ付ヒューズを取付ける構造です。つめ付ヒューズのしゃ断電流はおよそ1000A位までで、定格電圧250Vの開放形ナイフスイッチの定格電流は15,30,60,100,200,300,400,600Aでヒューズ付のものとヒューズを付けないものとがあります。

ナイフスイッチの一般の構造は絶縁板にブレード、クリップ、ヒンジ、端子などの充電部を露出して取付けたもので、とって(主として合成樹脂成形品)によってブレードを動かして操作します。構造上開閉能力は小さく、また、開閉のひん繁な用途には不適当です。ナイフスイッチは一般に自然消弧ですので、しゃ断電流が少し大きくなるとアークが発生し、これに触れる危険もありますので、原則として大きな負荷電流の開閉はしないことが望ましいです。

配線に必要な開閉器のいろいろ

リクローザ

これは配電線の一時的な故障をしゃ断したり、事故区間の区分しゃ断を行うために用いられるもので、自動しゃ断と自動再投入を定められた時間間隔をもって行う開閉器です。配電線の故障が一時的なものであれば、再投入後そのまま給電でき、線路故障が永続的なものであれば、数回投入, しゃ断をくり返した後に開路状態のままロックされます(これは機能からみるとしゃ断器ともみられます)。

プライマリカットアウト

変圧器一次側の保護および開閉に用いられる磁器製のもので、ふたに開閉器の刃とヒューズ筒が取付けられています。定格電圧は7.2kV、定格電流は 30,50,100 Aがあり、ヒューズが切れるとふたが自動的に開くもの(ドロップアウト形)と、ふたは開かないがヒューズ筒が突き出てヒューズの溶断がわかるようになったものとがあります。このほか塩害地用として円筒形をしたものやヒューズ筒を2本装置して1段目のヒューズが溶断すると1~ 2秒後に2段目のヒューズによって再送電されるようにした再閉路形もあります.

ヒューズは特殊合金製の裸糸ヒューズで軟質プラスチックチューブをかぶせてあり、一端に取付けたリード線でやや引張りぎみにヒューズ筒に取付けられます。

プライマリカットアウト
第2図 プライマリカットアウト

低圧回路のスイッチ

カバー付ナイフスイッチ

尿素樹脂、メラミン樹脂、耐熱スチロール、硬質塩化ビニルなどの耐アーク性樹脂の成形品のカバーを付けたナイフスイッチで取付台には磁器製が多いです。カバーの機械的強さによって、A種とB種の2種類に分けられています。B種はA種よりも機械的に強いです。

なお、カバー付ナイフスイッチは 250V 以下の低圧配電盤や分電盤に使われるほか、電灯、電熱などの電源スイッチとしても使われています。しかし、これで直接電動機の運転停止を行うことは避けた方が良いです。カバー付ナイフスイッチは表面接続形と裏面接続形があり、また単投と双投、 2極と3極があり、定格電圧は 250V で定格電流は、JISでは 15,30,60,100A ですが、市場には 20,200,300,400,500A のものもあります。

カバー付ナイフスイッチ
第3図 カバー付ナイフスイッチ

箱形開閉器

箱形開閉器の名称は、電気用品取締法の用語で、一般には金属箱開閉器といわれるもののことです。この箱形開閉器は合成樹脂製のものが多く小容量の低圧電動機を操作するための手元開閉器として使われ、箱の中にはナイフスイッチ、ヒューズ、超過目盛付電流計および表示灯などがあります。

開閉器のハンドルは箱の外に出ていて、箱の外からスイッチの開閉ができるようになっており、内部の充電部分に触れるおそれのない構造となっています。また開閉器を切らないとふたは開けられないようになっており、ふたの裏側には電流計が取付けられているので、ふたを開けると電流計の回路は切れるようになっています。

前述のように箱形開閉器は従来は金属製箱で側面にハンドルの取付けられたものが多かったのですが、最近のものはプラスチック製箱で前面にハンドルのあるものが多いです。定格電圧は 250V、定格電流は 15,30,60,100,200A があります。第4図は箱形開閉器の略図です。

箱形開閉器
第4図 箱形開閉器

カットアウトスイッチ(ベビースイッチ)

安全開閉器ともよばれ、一般住宅などの引込開閉器(引込口用保安装置)や分岐開閉器として用いられています従来磁器製で、15~30A 程度の小容量のものでありましたが、最近では合成樹脂製で 60,100,200A 程度の大容量のものが、集合住宅の引込開閉器などに使用されています。

以上スイッチについて述べましたが、スイッチの取付け方は配線の向きによって水平に取付けたり、垂直に取付けたりしますが、特に注意を要することは電源側と負荷側を誤らぬことで、ブレードの方を負荷側とします(第5図参照)。

第5図
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