第二種電気工事士の筆記試験に初心者の方でも簡単に独学で合格する勉強方法を紹介しています。第二種電気工事士の筆記試験は、過去問から繰り返し出題されていますので、出題分野毎に過去問をまとめて解くことで、効果的な勉強方法となります。このページでは、複線図の表示方法について、解説しています。
単線図から複線図
配線図は電気工事の行う際の設計図になるもので、一般的には単線図で表します。単線図とは電線の本数(条数)に関係なく、一つの回路の配線を1本(1条)の線で表したものです。
負荷(機械器具や照明器具など)に電気を供給するには、負荷に電圧を加えて電流を流す回路を作成しなければなりません。そのため、単線図だけでは判りにくいので、電気工事をする際は、複線図で考えます。
複線図は実際の配線に合わせた電気配線図のことで、何本の電線で配線され、どのように接続されているかを表した図です。単線図から複線図を書けるように、練習しておきましょう。
点滅器の複線図化
点滅器(スイッチ)は固定接点側に黒線を接続します。この黒線は、電源からの黒線(非接地側線)と接続されます。点滅器(スイッチ)のもう一方には、白線などを接続します。この白線などは、スイッチ返りの線と呼ばれ、照明器具などの負荷の電線と接続されます。
コンセントの複線図化
100Vコンセントは、「W」又は「N」の表示がある端子に白線を接続します。この白線は、電源からの白線(接地側線)と接続されます。コンセントのもう一方には、黒線を接続します。この黒線は、電源からの黒線(非接地側線)と接続されます。
照明器具などの複線図化
照明器具などの負荷は、「W」又は「N」の表示がある端子に白線を接続します。この白線は、電源からの白線(接地側線)と接続されます。照明器具などの負荷のもう一方には、黒線などを接続します。この黒線は、電源からの黒線(非接地側線)と接続されます。
複線図を書く手順
単線図を複線図に直すには、電源の白線(接地側線)と黒線(非接地側線)がそれぞれどこへつながるのかを、決まりごととして書くと解りやすいです。また、ジョイントボックス内の接続や電線本数(条数)も解りやすくなります。
図1の単線図から複線図を書きます。
図1の単線図の配置のように、図2のように器具を書きます。電源は接地側線を白丸、非接地側線を黒丸と書きます。
図3のように、電源の白線(接地側線)を、コンセントと照明器具などの負荷に接続します。
図4のように、電源の黒線(非接地側線)を、点滅器(スイッチ)とコンセントに接続します。
図5のように、点滅器(スイッチ)と電灯を接続します。
パイロットランプのあるスイッチ回路の複線図
ランプ・スイッチ・パイロットランプで構成された回路です。パイロットランプの点灯の仕方には、常時点灯・同時点滅・異時点滅の3通りがあります。
常時点灯の回路
電灯の点滅に関係なくパイロットランプは常に点灯します。
常時点灯の回路を複線図で表すときは、電源とパイロットランプを並列につなぎます(パイロットランプは、コンセントと同じようにつなぎます)。
常時点灯の回路の複線図
同時点滅の回路
電灯の点灯と同時にパイロットランプは点灯します。
同時点灯の回路を複線図で表すときは、負荷とパイロットランプを並列につなぎます(パイロットランプは、ランプと同じようにつなぎます)。
同時点滅回路の複線図
異時点滅の回路
電灯の点灯とパイロットランプの点灯が逆になります。
異時点灯の回路を複線図で表すときは、スイッチとパイロットランプを並列につなぎます。
異時点滅回路の複線図
3路スイッチの複線図
3路スイッチとは2か所のスイッチで照明器具の ON/OFF を行うスイッチです。3路スイッチは階段や廊下、出入り口が2か所以上ある部屋などで使用されます。
3路スイッチは、共通の端子を0として、1,3の回路を切り替えできるスイッチです。3路スイッチを2個用いることで、どちらのスイッチです電灯の点滅ができます。
3路スイッチの0番へは黒線をつなぎます。1番,3番へつなぐ線の色は何色でもいいのですが、同色があれば同色でつなぎます。電源の非接地側の黒線を入れる3路スイッチは、施工条件などで指定される場合があります。
尚、3箇所以上にスイッチを設置したいときは、四路スイッチを追加します。