抵抗の分類と抵抗値【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「抵抗の分類と抵抗値」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

抵抗の分類

抵抗は、ある箇所間の電気の通じにくさを表すものですが、考えている対象に応じて「導体抵抗」、「絶縁抵抗」、「接触抵抗」、「接地抵抗」と分類することができます。

導体抵抗

導体抵抗は、電線の電気抵抗を意味するもので、電線の断面積を $A$ [㎡]、長さを $l$ [m]、絶縁材料の抵抗率を $ρ$ [Ωm]とすると、次のように表すことができます。

$R=\displaystyle\frac{ρl}{A}$ [Ω] … (1)

導体抵抗は、その導体に直流電流が流れた場合と交流電流が流れた場合とで異なります。正確には直流導体抵抗と交流導体抵抗は区別しなければありません。直流導体抵抗と交流導体抵抗の関係は次のとおりです。

交流抵抗=(1)式で求めた直流抵抗×(1+表皮係数) [Ω] … (2)

絶縁抵抗

絶縁抵抗とは、図1のように導体相互間、導体と大地相互間の電気抵抗をいいます。その大きさは、相互間の単位長さ当たりの抵抗を $r_i$ [Ω]、導体の長さを $l$ [m]とすると、次のように表すことができます。

$R=\displaystyle\frac{r_i}{l}$ [Ω] … (3)

図1

ここで注意しなければならないのが、$ρ$ と $r_i$ が同じ次元の単位になっていることです。導体抵抗の場合は $R$ は $l$ に比例し、絶縁抵抗の場合は $R$ は $l$ に反比例しています。この理由は、$ρ$ と $r_i$ の意味が異なるためで、電線と絶縁物の状態を図2のように仮定すると、(1)式の $A$ および $l$ に相当するものが、それぞれ図2の $al$ および $d$ になるからです。

図2

接触抵抗

導体と導体を接触させて電流を流した場合、その接触部の境界面に他の部分よりも高い電気抵抗が現れます。これを接触抵抗といい、導体内部の抵抗に比べて高い値を示します。また、電圧と電流との関係が非線形やヒステリシスを表すなど性質も異なってきます。接触抵抗が生じる原因は、図3に示すように見かけの接触面は大であっても、実際に電気的に接触している部分が小さいので電流の通路が絞られるからです。また、接触面に皮膜が形成されて高抵抗を示すこともあります。接触抵抗は $F$ を接触力[kg]とすると次の式で表すことができます。

$R=kF^{-n}$

$k$ や $n$ は接触部分の形状や表面の状態により定まる係数で、銅の点接点の場合 $n=\displaystyle\frac{1}{2}$ , $k=0.00023$ 、線接触の場合 $n=\displaystyle\frac{2}{3}$ , $k=0.00033$ などの数値になります。

図3

接地抵抗

図4のように導体A,Bを充分に離してAB間に電圧を加えると電流が流れます。これは大地が抵抗をもった一種の導体として作用し、閉回路を形成するからです。図4の針電極Pの位置をA点からB点方向に移動していくと、その途中で電圧計の指示がほぼ一定値 $E_A$ [V]を示すようになります。このとき、電流を $I$ [A]とすると導体Aの接地抵抗 $R_A$ [Ω]は、次のようになります。

$R_A=\displaystyle\frac{E_A}{I}$

導体Bの接地抵抗 $R_B$ [Ω]は、次のようになります。

$R_B=\displaystyle\frac{E_0-E_A}{I}$

接地抵抗は電気保安上、重要な意味を持つものです。

図4

抵抗値について

抵抗値が問題となる例として、「電線の太さの選定」、「接触抵抗による局部加熱」、「電気機器の接地」について、説明をします。

電線の太さの選定

電線やケーブルの太さ(導体サイズ)の選定手順は、図5に示すとおりです。そのうち電圧降下から決まる最小太さの選定方法を説明します。

図5

日常使用している電線導体材料は軟銅です。軟銅の抵抗率は $\displaystyle\frac{1}{58}$ [Ω㎟/m]です。したがって負荷電流 $I$ [A]、配線長 $l$ [m]、配線の電圧降下の上限 $e$ [V] とすれば、必要な電線サイズ $A$ [㎟]は、

$R=\displaystyle\frac{l}{58A}$ , $V=2RI≦e$ … (1)

より

$A≧\displaystyle\frac{2lI}{58e}$ [㎟] … (2)

で求めることができます。ただし(2)式は直流2線式配電の場合で、交流配電の場合には電線のリアクタンスや負荷力率が関係してきますので、(2)式は概略値を与えるに過ぎないことに注意しておく必要があります。

尚、交流三相3線式の場合には(1)式で $V=\sqrt{3}RI$ とする必要がありますので、

$A≧\displaystyle\frac{\sqrt{3}lI}{58e}$ [㎟]

になります。

接触抵抗による局部加熱

電気配線では必ず導体と導体の接続を行います。特に機器導体部と電線導体との接続は、図6のように接続端子を使用して、ねじやボルトナットによる締め付けが行われるのが一般的です。この締め付け力が不良だと接触抵抗が大きくなり、接触部分に $RI^2$ で決まる発熱が発生し局部加熱します。そして直近に絶縁物がある場合は、その絶縁物が熱で劣化し、絶縁破壊事故が起こる危険性があります。また、直近に熱動形継電器がある場合は、誤動作を起こす可能性もあります。したがって、電気設備の定期的な停止点検では、接続部分に加熱変色や締め付け力のチェックを行うことが大切です。

図6

電気機器の接地

3kVや6kVの高圧電気を400Vや200V、100Vの低圧電気に降圧する変圧器の低圧側巻線は、保安上の理由により図7のように接地されています。したがって、そのような低圧電源に電気機器を接続する場合に電気機器内部で巻線の絶縁破壊故障(漏電)が発生すると、機器の外被(金属ケース)と大地間には電源電圧が現れます。

図7

したがって、ここに人間が触れるとその電圧により人体中に電流が流れて感電します。これを防ぐためには、漏電発生時に現れる電流を充分に小さくすればよいことになります。つまり、機器の外被を低抵抗接地すればよいということになります。このような目的で、電気機器の外被には接地を施すことが義務づけられています。尚、設置工事の接地抵抗値は次のとおりです。

  • 300V以下の低圧機器 … 100Ω以下
  • 300Vを超える低圧機器 … 10Ω以下
  • 高圧機器 … 10Ω以下
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