保安原則と公害の防止【電験3種-法規(電気設備技術基準)】

法規

電験3種の法規で出題される保安原則と公害の防止について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験3種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。

保安の原則

 電気工作物による危険や障害を防止するため、電気事業法では技術基準に適合するものでなければならないと定められています。電気設備技術基準で規制されている基本的な保安の原則は、次のとおりです。

  1. 感電、火災等の防止
  2. 異常の予防及び保護対策
  3. 電気的、磁気的障害の防止
  4. 供給支障の防止

 電気設備技術基準では、この4つの保安の原則を電気供給施設と電気使用施設の設備ごとに大きく分けて、規制しています。尚、次に示す条文は、重要ですので覚えておいてください。

  • 電気設備における感電、火災等の防止(電技 第4条)
    電気設備は、感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。
     
  • 電気設備の電気的、磁気的障害の防止(電技 第16条)
    電気設備は、他の電気設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないように施設しなければならない。
     
  • 電気設備による供給支障の防止(電技 第18条)
    1. 高圧又は特別高圧の電気設備は、その損壊により一般送配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないように施設しなければならない。
    2. 高圧又は特別高圧の電気設備は、その電気設備が一般送配電事業の用に供される場合にあっては、その電気設備の損壊によりその一般送配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないように施設しなければならない。

公害等の防止

 電気設備技術基準 第19条では、電気工作物による大気汚染や水質汚濁、騒音・振動等の公害を防止するため、必要な技術的事項を規制しています。例としては、次のような内容です。

  • 公害等の防止(電技 第19条)
    1. 騒音規制法または振動規制法の規定による特定施設を設置する発電所または変電所、開閉所もしくはこれらに準ずる場所であって指定された地域内に存するものにおいて発生する騒音または振動は、規制基準に適合しなければならない。
    2. 中性点直接接地式電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出および地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
    3. ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する絶縁油を使用する電気機械器具及び電線は、電路に施設してはならない。

 また、電気関係報告規則 第4条 では、公害防止等に関する届出が義務化されています。例えば、ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物(PCB電気工作物)を設置しているか、予備として保有している場合は、管轄している産業保安監督部長へ届け出なければならないと規定されています。

電験3種-法規(電気設備技術基準)過去問題

1998年(平成10年)問8

電気事業法では、「電気設備技術基準」は次に揚げるところ等によらなければならないことが定められている。

  1. 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は( ア )に損傷を与えないようにすること。
  2. 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に( イ )に障害を与えないようにすること。
  3. 事業用電気工作物の損傷により電気事業者の( ウ )に著しい支障を及ぼさないようにすること。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に記入する字句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

( ア )( イ )( ウ )
(1)他の工作物電気的又は磁気的電気の供給
(2)物 件磁気的又は機械的設備の運用
(3)他の工作物電気的又は磁気的供給設備の機能
(4)物 件電気的又は磁気的電気の供給
(5)他の工作物磁気的又は機械的供給設備の機能

1998年(平成10年)問8 過去問解説

電気設備技術基準第4条「電気設備における感電、火災の防止」、16条「電気設備の電気的、磁気的障害の防止」18条「電気設備による供給支障の防止」の規定です。

  1. 事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は( 物件 )に損傷を与えないようにすること。
  2. 事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に( 電気的又は磁気的 )に障害を与えないようにすること。
  3. 事業用電気工作物の損傷により電気事業者の( 電気の供給 )に著しい支障を及ぼさないようにすること。

答え(4)

2002年(平成14年)問2

次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく保安原則、公害等の防止に関する記述である。

  1. 高周波利用設備(電路を( ア )として利用するものに限る。以下同じ。)は、他の高周波利用設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。
  2. ( イ )の電気設備は、その損壊により一般電気事業者の電気の供給に著しく支障を及ぼさないように施設しなければならない。
  3. ( ウ )電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
  4. ポリ塩化ビフェニルを含有する( エ )を使用する電気機械器具は、電路に施設してはならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

 ( ア )( イ )( ウ )( エ )
(1)高周波電流の伝送路高圧又は特別高圧中性点直接接地方式絶縁油
(2)特別高圧の電路低圧 高圧及び特別高圧中性点直接接地方式絶縁油
(3)高周波利用設備自家用電気工作物特別高圧冷却材
(4)高周波防止設備自家用電気工作物特別高圧絶縁油
(5)高周波電流の伝送路特別高圧高圧又は特別高圧絶縁油

2002年(平成14年)問2 過去問解説

電気設備技術基準第17条「高周波利用設備への障害の防止」、18条「電気設備による供給支障の防止」、19条「公害等の防止」の規定です。

  1. 高周波利用設備(電路を( 高周波電流の伝送路 )として利用するものに限る。以下同じ。)は、他の高周波利用設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼすおそれがないように施設しなければならない。
  2. ( 高圧又は特別高圧 )の電気設備は、その損壊により一般電気事業者の電気の供給に著しく支障を及ぼさないように施設しなければならない。
  3. ( 中性点直接接地方式 )電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
  4. ポリ塩化ビフェニルを含有する( 絶縁油 )を使用する電気機械器具は、電路に施設してはならない。

答え(1)

2003年(平成15年)問3

次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく公害等に関する記述である。

  1. ( ア )電路に接続する変圧器を設置する場合には、絶縁油の( イ )への流出及び( ウ )への侵入を防止するための措置が施されていなければならない。
  2. ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具は( エ )に施設してはならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

 (ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)屋外の構 外農 地電 路
(2)特別高圧の構 内発変電所
(3)中性点直接接地式構 外 地 下電 路
(4)中性点非接地式構 内地 下発変電所
(5)特別高圧河 川農 地電 路

2003年(平成15年)問3 過去問解説

電気設備技術基準第19条「公害等の防止」の規定です。

  1. ( 中性点直接接地式 )電路に接続する変圧器を設置する場合には、絶縁油の( 構外  )への流出及び( 地下 )への侵入を防止するための措置が施されていなければならない。
  2. ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具は( 電路 )に施設してはならない。

答え(3)

2008年(平成20年)問8

次の文章は、「電気設備技術基準」及び「電気関係報告規則」に基づくポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」という。)を含有する絶縁油を使用する電気機械器具(以下「PCB電気工作物」という。)の取扱いに関する記述である。

  1. PCB電気工作物を新しく電路に施設することは( ア )されている。
  2. PCB電気工作物に関しては、次の報告が義務付けられている。
    ① PCB電気工作物であることが判明した場合の報告
    ② 上記①の報告内容が変更になった場合の報告
    ③ PCB電気工作物を( イ )した場合の報告
  3. 上記2の報告の対象となるPCB電気工作物には、( ウ )がある。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア)(イ)(ウ)
(1)禁 止廃 止CVケーブル
(2)制 約廃 止電力用コンデンサ
(3)制 約転 用電力用コンデンサ
(4)制 約転 用CVケーブル
(5)禁 止廃 止電力用コンデンサ

2008年(平成20年)問8 過去問解説

電気設備技術基準第19条「公害等の防止」、電気関係報告規則 第4条「公害防止等に関する届出」の規定です。

  1. PCB電気工作物を新しく電路に施設することは( 禁止 )されている。
  2. PCB電気工作物に関しては、次の報告が義務付けられている。
    ① PCB電気工作物であることが判明した場合の報告
    ② 上記①の報告内容が変更になった場合の報告
    ③ PCB電気工作物を( 廃止 )した場合の報告
  3. 上記2の報告の対象となるPCB電気工作物には、( 電力用コンデンサ )がある。

答え(5)

2009年(平成21年)問4

次の文章は、「電気設備技術基準」の公害等の防止について及び「電気関係報告規則」の公害防止等に関する届出についての記述の一部である。

a.( ア )に接続する変圧器を設置する箇所には、( イ )の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
b.電気事業者又は自家用電気工作物を設置する者は、( ウ )の破損その他の事故が発生し、( イ )が構内以外に排出された、又は地下に浸透した場合には、事故の発生後可能な限り速やかに事故の状況及び講じた措置の概要を当該( ウ )の設置の場所を管轄する産業保安監督部長へ届けなければならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(ア)(イ)(ウ)
(1)中性点非接地式電路絶縁油変圧器
(2)中性点直接接地式電路廃 液貯油施設
(3)中性点非接地式電路廃 液変圧器
(4)送電線路絶縁油電気工作物
(5)中性点直接接地式電路絶縁油電気工作物

2009年(平成21年)問4 過去問解説

電気設備技術基準第19条「公害等の防止」、電気関係報告規則 第4条「公害防止等に関する届出」の規定です。

a.( 中性点直接接地式電路 )に接続する変圧器を設置する箇所には、( 絶縁油 )の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
b.電気事業者又は自家用電気工作物を設置する者は、( 電気工作物 )の破損その他の事故が発生し、( 絶縁油 )が構内以外に排出された、又は地下に浸透した場合には、事故の発生後可能な限り速やかに事故の状況及び講じた措置の概要を当該( 電気工作物 )の設置の場所を管轄する産業保安監督部長へ届けなければならない。

 電気関係報告規則第4条では、電気工作物の破損その他の事故が発生し、有害物質又は同項に規定する指定物質を含む水が当該指定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある場合、事故の発生後可能な限り速やかに事故の状況および講じた措置の概要を当該電気工作物の設置の場所を管轄する産業保安監督部長へ届け出なければならないと規定されています。

答え(5)

2012年(平成24年)問3

次の a から c の文章は、電気設備に係る公害等の防止に関する記述の一部である。
「電気事業法」並びに「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。

a.電気事業法において、電気工作物の工事、維持及び運用を規制するのは、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図るためである。
b.変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する、大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設(一定の燃焼能力以上のガスタービン及びディーゼル機関)から発生するばい煙の排出に関する規制については、電気設備技術基準など電気事業法の相当規定の定めるところによることとなっている。
c.電気機械器具であって、ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用するものは、新しく電路に施設してはならない。ただし、この規制が施行された時点で現に電路に施設されていたものは、一度取り外しても、それを流用、転用するために新たに電路に施設することができる。

(1)適 切適 切適 切
(2)適 切適 切不適切
(3)適 切不適切不適切
(4)不適切適 切適 切
(5)不適切不適切適 切

2012年(平成24年)問3 過去問解説

a.電気事業法の目的を示しています。適切です。

b.発電用火力設備に関する技術基準を定める省令の公害の防止についての規定(大気汚染防止法に規定するばい煙発生施設から発生するばい煙の排出に関する規制)は、変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する電気設備又は電力保安通信設備に附属する電気設備について準用する(電気設備技術基準第19条)。 適切です。

c.ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気機械器具及び電線は、電路に施設してはならない(電気設備技術基準第19条)。不適切です。

答え(2)

2017年(平成29年)問3

次の文章は、「電気設備技術基準」における公害等の防止に関する記述の一部である。

a 発電用( ア )設備に関する技術基準を定める省令の公害の防止についての規定は、変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する電気設備又は電力保安通信設備に附属する電気設備について準用する。
b 中性点( イ )接地式電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
c 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律の規定により指定された急傾斜地崩壊危険区域内に施設する発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所の電気設備、電線路又は電力保安通信設備は、当該区域内の急傾斜地の崩壊( ウ )するおそれがないように施設しなければならない。
d ポリ塩化ビフェニルを含有する( エ )を使用する電気機械器具及び電線は、電路に施設してはならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(ア)(イ)(ウ)(エ)
(1)電 気直 接による損傷が発生冷却材
(2)火 力抵 抗を助長し又は誘発絶縁油
(3)電 気直 接を助長し又は誘発冷却材
(4)電 気抵 抗による損傷が発生絶縁油
(5)火 力直 接を助長し又は誘発絶縁油

2017年(平成29年)問3 過去問解説

電気設備技術基準第19条「公害等の防止」の規定です。

a 発電用( 火力 )設備に関する技術基準を定める省令の公害の防止についての規定は、変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所に設置する電気設備又は電力保安通信設備に附属する電気設備について準用する。
b 中性点( 直接 )接地式電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。
c 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律の規定により指定された急傾斜地崩壊危険区域内に施設する発電所又は変電所、開閉所若しくはこれらに準ずる場所の電気設備、電線路又は電力保安通信設備は、当該区域内の急傾斜地の崩壊( を助長し又は誘発 )するおそれがないように施設しなければならない。
d ポリ塩化ビフェニルを含有する( 絶縁油 )を使用する電気機械器具及び電線は、電路に施設してはならない。

答え(5)

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