電験三種の法規で出題される電気用品安全法について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。
電気用品安全法
電気は使用を誤ると、人間にとって危険性が高いものです。発電から送電、 変電、そして電気を使用する末端の電気器具まで、全ての安全性を確保しなければなりま せん。そのため、電気消費者に最も近い部分である電気用品についての安全性を規定したものが「電気用品安全法」です。
目的(電気用品安全法第1条)
電気用品安全法は、電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的としています。
電気用品の範囲(電気用品安全法第2条)
電気用品安全法においては、電気工作物は「電気用品」と「特定電気用品」に分けられます。
電気用品
- 一般用電気工作物の部分となり、またはこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であつて、政令で定めるもの
- 携帯発電機であつて、政令で定めるもの
- 蓄電池であつて、政令で定めるもの
特定電気用品
構造または使用方法、その他の使用状況からみて特に危険または障害の発生するおそれが多い電気用品であつて、政令で定めるもの
技術基準適合義務(電気用品安全法第8条)
届出事業者は、届出に係る型式の電気用品を製造し、または輸入する場合においては、経済産業省令で定める技術上の基準に適合するようにしなければなりません。
また、届出事業者は、経済産業省令で定めるところにより、その製造または輸入に係る電気用品について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければなりません。
特定電気用品の適合性検査(電気用品安全法第9条)
特定電気用品について製造事業者は経済産業大臣が認定または承認する検査期間の適合性検査を受けなければなりません。
表示(電気用品安全法第10条)
届出事業者は、その届出に係る型式の電気用品の技術基準に適合するものは、当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示をすることができます。
特定電気用品の表示 <PS>Eマーク
<PS>Eマーク、認定(承認)検査機関名、届出事業者名、定格を表示します。
特定以外の電気用品 (PS)Eマーク
(PS)Eマーク、届出事業者名、定格を表示します。
電験三種-法規(電気関係法令)過去問題
2004年(平成16年)問7
次の文章は、「電気設備技術基準」に基づく電気用品に関する記述である。
- この法律において「電気用品」とは、次に揚げる物をいう。
- 一般用電気工作物(電気事業法第38条第1項に規定する一般用電気工作物をいう。)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、( ア )又は材料であって、政令で定めるもの
- ( イ )であって、政令で定めるもの
- 蓄電池であって、政令で定めるもの
- この法律において「( ウ )」とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は( エ )の発生するおそれが多い電気用品であって、政令で定めるものをいう。
上記の記述の空欄箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に記入する語句として、正しいものを組合せたのは次のうちどれか。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 器具 | 小形発電機 | 特殊電気用品 | 障害 |
(2) | 器具 | 携帯発電機 | 特定電気用品 | 障害 |
(3) | 器具 | 携帯発電機 | 特定電気用品 | 火災 |
(4) | 電線 | 小形発電機 | 特定電気用品 | 火災 |
(5) | 電線 | 小形発電機 | 特殊電気用品 | 事故 |
2004年(平成16年)問7 過去問解説
- この法律において「電気用品」とは、次に揚げる物をいう。
- 一般用電気工作物(電気事業法第38条第1項に規定する一般用電気工作物をいう。)の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、( 器具 )又は材料であって、政令で定めるもの
- ( 携帯発電機 )であって、政令で定めるもの
- 蓄電池であって、政令で定めるもの
- この法律において「( 特定電気用品 )」とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は( 障害 )の発生するおそれが多い電気用品であって、政令で定めるものをいう。
答え (2)
2008年(平成20年)問1
次の文章は、「電気用品安全法」についての記述であるが、不適切なものはどれか。
- この法律は、電気用品により危険及び障害の発生を防止することを目的としている。
- 一般用電気工作物の部分となる器具には電気用品となるものがある。
- 携帯用発電機にはで電気用品となるものがある。
- 特定電気用品とは、危険又は障害の発生するおそれの少ない電気用品である。
- PSEマーク(※注)は、特定電気用品に表示する記号である。
2008年(平成20年)問1 過去問解説
特定電気用品とは、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害の発生するおそれが多い電気用品です。
答え (4)
2015年(平成27年)問2
次の文章は、「電気用品安全法」に基づく電気用品の電線に関する記述である。
- ( ア )電気用品は、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害が発生するおそれが多い電気用品であって、具体的な電線については電気用品安全法施行令で定めるものをいう。
- 定格電圧が( イ )V 以上 600V 以下のコードは、導体の公称断面積及び線心の本数に関わらず、( ア )電気用品である。
- 電気用品の電線の製造又は( ウ )の事業を行う者は、その電線を製造し又は( ウ )する場合においては、その電線が経済産業省令で定める技術上の基準に適合するようにしなければならない。
- 電気工事士は、電気工作物の設置又は変更の工事に( ア )電気用品の電線を使用する場合、経済産業省令で定める方式による記号がその電線に表示されたものでなければ使用してはならない。( エ )はその記号の一つである。
上記の記述中の空白箇所(ア),(イ),(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
(ア) | (イ) | (ウ) | (エ) | |
(1) | 特定 | 30 | 販売 | JIS |
(2) | 特定 | 30 | 販売 | <PS>E |
(3) | 甲種 | 60 | 輸入 | <PS>E |
(4) | 特定 | 100 | 輸入 | <PS>E |
(5) | 甲種 | 100 | 販売 | JIS |
2015年(平成27年)問2 過去問解説
- ( 特定 )電気用品は、構造又は使用方法その他の使用状況からみて特に危険又は障害が発生するおそれが多い電気用品であって、具体的な電線については電気用品安全法施行令で定めるものをいう。
- 定格電圧が( 100 )V 以上 600V 以下のコードは、導体の公称断面積及び線心の本数に関わらず、( 特定 )電気用品である。
- 電気用品の電線の製造又は( 輸入 )の事業を行う者は、その電線を製造し又は( 輸入 )する場合においては、その電線が経済産業省令で定める技術上の基準に適合するようにしなければならない。
- 電気工事士は、電気工作物の設置又は変更の工事に( 特定 )電気用品の電線を使用する場合、経済産業省令で定める方式による記号がその電線に表示されたものでなければ使用してはならない。( <PS>E )はその記号の一つである。
答え (4)