第二種電気工事士の筆記試験に初心者の方でも簡単に独学で合格する勉強方法を紹介しています。第二種電気工事士の筆記試験は、過去問から繰り返し出題されていますので、出題分野毎に過去問をまとめて解くことで、効果的な勉強方法となります。このページでは、電気工事の施工方法「特殊場所に施工する低圧屋内配線工事」について、解説しています。
特殊場所に施工する低圧屋内配線工事
電気工事を施工する際に、可燃性ガスや爆発性の粉じんなどの危険物がある場所では、その環境に応じた施工方法で工事を行う必要があります。
電気設備技術基準では、次のような場所を特殊な場所として区分されています。
施設場所の区分 | 特徴 |
---|---|
可燃性ガス等のある場所 | 可燃性のガスまたは引火性物質の蒸気が漏れまたは滞留し、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所 |
爆燃性粉じんのある場所 | マグネシウムやアルミニウムなど粉じんや火薬類の粉末など、空気中に浮遊した状態や床上に蓄積した状態で着火したときに爆発するおそれがあり、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所 |
危険物等のある場所 | セルロイド、マッチ、石油などの危険物を製造、または貯蔵する場所 |
可燃性粉じんのある場所 | 小麦粉、でん粉、その他の可燃性粉じんで、空気中に浮遊した状態や床上に蓄積した状態で着火したときに爆発するおそれがあり、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所 |
特殊な場所での施工方法
特殊場所と施工できる工事の種類は、次のとおりです。
特殊場所の区分 | 金属管工事 | ケーブル工事 | 合成樹脂管工事 |
---|---|---|---|
可燃性ガス等のある場所 | 〇 | 〇 | × |
爆燃性粉じんのある場所 | 〇 | 〇 | × |
危険物等のある場所 | 〇 | 〇 | 〇 |
可燃性粉じんのある場所 | 〇 | 〇 | 〇 |
- ケーブル工事は、がい装ケーブルまたはMIケーブルを使う場合を除き、管その他の防護装置に収めて施設します。また、可燃性ガス等のある場所および爆燃性粉じんのある場所は、キャブタイヤケーブルは使用できません。
- 金属管工事は、薄鋼電線管以上の強度を有するものを使います。
- 合成樹脂管工事は、厚さ2mm未満の合成樹脂管とCD管は使用できません。
電気工事の施工方法:第二種電気工事士 過去問
(財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士の筆記試験に出題された問題です。
特殊場所に施工する低圧屋内配線工事
特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで,不適切なものは。
- プロパンガスを他の小さな容器に小分けする場所
合成樹脂管工事 - 小麦粉をふるい分けする粉じんのある場所
厚鋼電線管を使用した金属管工事 - 石油を貯蔵する場所
厚鋼電線管で保護した 600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブルを用いたケーブル工事 - 自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う場所
厚鋼電線管を使用した金属管工事
可燃性ガスの存在する場所では,金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの)またはケーブル工事(キャプタイヤケーブルを除く)が該当すします。
答え(イ)
特殊場所に施工する低圧屋内配線工事
特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで,不適切なものは。
- プロパンガスを他の小さな容器に小分けする可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管で保護した600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブルを用いたケーブル工事 - 小麦粉をふるい分けする可燃性粉じんのある場所
硬質塩化ビニル電線管 VE28 を使用した合成樹脂管工事 - 石油を貯蔵する危険物の存在する場所
金属線ぴ工事 - 自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管を使用した金属管工事
特殊な場所の工事の種類は下表のとおりです。
可燃性ガスの存在する場所 (プロパンガス等) | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) |
爆燃性粉じんの存在する場所 | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) |
危険物等の存在する場所 (石油等) | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) 合成樹脂管工事(厚さ2mm未満の合成樹脂管,CD管を除く) |
可燃性粉じんの存在する場所 | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) 合成樹脂管工事(厚さ2mm未満の合成樹脂管,CD管を除く) |
答え(ハ)
特殊場所に施工する低圧屋内配線工事
特殊場所とその場所に施工する低圧屋内配線工事の組合せで,不適切なものは。
- プロパンガスを他の小さな容器に小分けする可燃性ガスのある場所
MI ケーブルを使用したケーブル工事 - 石油を貯蔵する危険物の存在する場所
600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブルを防護装置に収めないで使用したケーブル工事 - 小麦粉をふるい分けする可燃性粉じんのある場所
硬質塩化ビニル電線管 VE28 を使用した合成樹脂管工事 - 自動車修理工場の吹き付け塗装作業を行う可燃性ガスのある場所
厚鋼電線管を使用した金属管工事
特殊な場所の工事の種類は下表のとおりです。
可燃性ガスの存在する場所 (プロパンガス等) | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) |
爆燃性粉じんの存在する場所 | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) |
危険物等の存在する場所 (石油等) | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) 合成樹脂管工事(厚さ2mm未満の合成樹脂管,CD管を除く) |
可燃性粉じんの存在する場所 | 金属管工事(薄鋼電線管以上の強度を有するもの) ケーブル工事(管その他の防護装置に収めて施設) 合成樹脂管工事(厚さ2mm未満の合成樹脂管,CD管を除く) |
ケーブル工事は、がい装ケーブルまたはMIケーブルを使う場合を除き、管その他の防護装置に収めて施設します。また、可燃性ガス等のある場所および爆燃性粉じんのある場所は、キャブタイヤケーブルは使用できません。
答え(ロ)
特殊場所に施工する低圧屋内配線工事
石油類を貯蔵する場所における低圧屋内配線の工事で,不適切なものは。
- 損傷を受けるおそれのないように施設した合成樹脂管工事(厚さ 2 [mm] 未満の合成樹脂製電線管及び CD 管を除く)
- 薄鋼電線管を使用した金属管工事
- MI ケーブルを使用したケーブル工事
- 600 V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルを防護装置に収めないで使用したケーブル工事
ケーブル工事は、がい装ケーブルまたはMIケーブルを使う場合を除き、管その他の防護装置に収めて施設します。また、可燃性ガス等のある場所および爆燃性粉じんのある場所は、キャブタイヤケーブルは使用できません。
答え(二)
ガス管と接近
ケーブル工事による低圧屋内配線で,ケーブルがガス管と接近する場合の工事方法として,「電気設備の技術基準の解釈」にはどのように記述されているか。
- ガス管と接触しないように施設すること。
- ガス管と接触してもよい。
- ガス管との離隔距離を 10 [cm] 以上とすること。
- ガス管との離隔距離を 30 [cm] 以上とすること。
配線は,水道管,ガス管又はこれらに類するものと接近し,又は交さする場合は,放電によりこれらの工作物を損傷するおそれがなく,かつ,漏電又は放電によりこれらの工作物を介して感電又は火災のおそれがないように施設しなければなりません。
また、低圧屋内配線が弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するものと接近し,又は交さする場合において,低圧屋内配線をがいし引き工事により施設するときは,低圧屋内配線と弱電流電線等又は水管,ガス管若しくはこれらに類するものとの離隔距離は,10cm(電線が裸電線である場合は,30cm)以上とすることと規定されています。
答え(イ)