電線・ケーブルとその許容電流範囲【電気設備】

電気設備

これだけは知っておきたい電気設備の基礎知識をご紹介します。このページでは「電線・ケーブルとその許容電流範囲」について、維持管理や保全などを行う電気技術者の方が、知っておくとためになる電気の基礎知識を解説しています。

裸電線の種類

電線の材質によって1種類の金属からなる銅線、アルミ線、鉄線と、 2種からなる銅合金線、アルミ合金線、銅覆鋼線、アルミ覆鋼線などがあります。よく使われている裸電線では、亜鉛メッキ鋼線の上にアルミ線をより合わせた鋼心アルミより線(ACSR)は架空送電線として多く用いられています。AーMgーSi系の熱処理形合金で高い抗張力をもつものにイ号アルミ合金線があります。

裸電線の許容電流

架空線の許容電流は、電流による電線温度で定められます。硬銅線、硬アルミ線、イ号アルミ合金線では、連続使用で90℃、短時間使用で100℃ が推奨されています。耐熱銅、耐熱アルミ合金線では連続使用で150℃、短時間で180℃ が可能とされています。次表は第2種硬銅より線、耐熱硬銅より線、硬アルミより線、イ号アルミ合金より線の許容電流です。

裸電線の許容電流
裸電線の許容電流

次に送電線に短絡、接地などの故障が発生したとき瞬時電流によって温度が上昇しても、電線の強度が問題とならない限界温度は、硬銅線、硬アルミ線についてはそれぞれ200℃ , 180℃ とみられ、イ号アルミ合金線および耐熱アルミ合金線では、それぞれ150℃ ,260℃ とされています。この限度に相当する電流値を瞬時電流容量といいます。

絶縁電線の種類

一般に絶縁電線とは、電力ケーブル、通信用ケーブル以外の電線、ケーブルについての総称で、その構成は主として導体、絶縁体、保護被覆から構成されています。導体は主として銅またはアルミ合金が用いられ、縁体は無機材料、繊維、紙、天然ゴム、合成ゴム、プラスチック、エナメル、ワニスなどが用いられます。保護被覆材料は電線の外的保護、つまり用途に応じて、機械的、化学的、電気的、磁気的、虫・ねずみなどから守るための保護で、その材料には、ゴム、プラスチック、金属、ワニス、塗料などが用いられます。配電用電線でよく使われるものをあげると、

  • 屋外用ビニル絶縁電線(OW):主として屋外用架空電線として使用され、耐候性の優れたビニルを被覆したもので、絶縁体の色は黒が標準となっている
  • 屋外用ポリエチレン絶縁電線(OE):これは定格電圧6600Vの高圧配電線用として使われている。構造は導体上に黒色のポリエチレンを被覆したもので、導体には1種硬銅より線を用いたものと鋼心アルミより線を用いたものがある
  • 屋外用架橋ポリエチレン電線(OC):構造はOEと同じであるが耐熱温度が高いので、許容電流はOEより15%大きくとることができる
  • 引込用ビニル絶縁電線(DV):これは600V以下の架空引込線用として使われている

このほか屋内配電線には600Vビニル絶縁電線(IV)が使用されています。ビニル電線の特長は、難燃、耐油耐化学薬品性、耐オゾン性、耐摩耗性などが良好であるとともに色別が容易なことで、黒,白,赤,緑,黄,青の6色が標準として規定されています。

絶縁電線の許容電流

電線内の電力損は主として $IR^2$ の熱として電線の温度を上昇させます。電線の温度はこの内部から発生する熱量と、表面から外部に放散される熱量とが等しくなったとき一定となりますが、電線に使われている各種の絶縁体は、温度がある程度以上あがると劣化が著しく促進されて、電線の寿命を短縮していくものです。したがって、各種の絶縁体にはそれぞれ最高許容温度があり、第1表は各種絶縁体の最高許容温度を示します。

また、電線の許容電流は布設条件例えば、線ぴおよび電線管などに入れた場合または架空で布設する場合によって異なってきます。第2表は各種屋外用電線の許容電流、第3表は線ぴおよび電線管に電線を収めた場合の電流の低減割合を示したものです。

ケープルの種類と許容電流

ケーブルの種類も多く、従来のベルト紙ケーブル、SLケーブル、HケーブルなどのソリッドケーブルおよびOFケーブルその他の圧力形ケーブルのほかに、ゴムおよびプラスチックケーブルとしてCVケーブル、EVケーブル、BNケーブル、PNケーブルが広く使われていますが、特にCVケーブルがよく使われています。

CVケーブルの正式名称は、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルで、ポリエチレンを架橋し立体網目状分子構造としたことによって、ポリエチレンの欠点である耐熱性が大幅に改善され、配電用電力ケーブルの主役を占めるようになり、送電用ケーブルとしても優れた電気特性をもち、軽量で乾式タイプであるため布設およびその後の保守も容易であるという長所があるため、 66 kV~ 77kV 級の特別高圧用にもOF形ケーブルに代わって広範囲にわたって使われています。

また、第1図のように単心CVケーブルを3条より合わせたトリプレックス形ケーブルは3心共通シースケーブルに比べて熱抵抗が小さく、電流容量が約10%大きく、ケーブル重量として約10%軽くなります。また、単心ケーブルに比べて熱伸縮の吸収が優れており、短絡電流力に対する特性も良好であるなど幾多の長所があります。第2図はCVケーブルの短絡許容電流を短絡時間をパラメータとして示したものです。また、第4表は各種ケーブルの短絡時の最高許容温度です。

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