電線の許容電流と最高許容温度:第二種電気工事士

第二種電気工事士の筆記試験に初心者の方でも簡単に独学で合格する勉強方法を紹介しています。第二種電気工事士の筆記試験は、過去問から繰り返し出題されていますので、出題分野毎に過去問をまとめて解くことで、効果的な勉強方法となります。このページでは、配電理論及び配線設計「電線の許容電流と最高許容温度」について、解説しています。

電線の太さと許容電流

電線に流すことができる最大の電流値を許容電流といいます。電線は断面積が小さいほど抵抗が大きくなります。細い電線に大電流を流すと、熱が発生して絶縁被覆が溶けたり、焼損したりすることがあります。そのような、事故を防ぐため、電線の太さによって流すことができる最大の電流が決まっています。

電線には1本の銅線で出来ている単線と、複数の銅線がまとまったより線があります。それぞれの直径や断面積によって、許容電流は異なります。

電線の太さと許容電流の関係

表1

表1は、単独で電線を使った場合の許容電流です。ケーブル配線や、金属管配線、合成樹脂管配線などでは、電流減少係数を乗じた値が許容電流になります。

表2

電線の最高許容温度

絶縁電線は、銅線などの導体をビニルなどの絶縁物で被覆した電線です。主な絶縁電線として、IV(600Vビニル絶縁電線)HIV(600V二種ビニル絶縁電線)、DV(引込用ビニル絶縁電線)、OW(屋外用ビニル絶縁電線)などがあります。

ケーブルは導体を絶縁体で被覆したものをさらに保護被覆で保護したものです。保護被覆を外装被覆またはシースといいます。線の数により、単心,2心,3心などがあります。主なケーブルとしては、600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)600 V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)、無機絶縁ケーブル(MI)などがあります。

絶縁電線やケーブルは、使用可能な最高許容温度が定められており、主なものは次の通りです。

絶縁電線やケーブルの最高許容温度

  • 600 V ビニル絶縁電線(IV)・・・60℃
  • 600 V 二種ビニル絶縁電線(HIV)・・・75℃
  • 600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形(VVF)・・・60℃
  • 600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)・・・60℃
  • 600 V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)・・・90℃

配電理論及び配線設計:第二種電気工事士 過去問

(財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士の筆記試験に出題された問題です。

問1 金属管による低圧屋内配線工事①

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径 1.6[mm]の 600 V ビニル絶縁電線(軟銅線) 5本を収めて施設した場合、電線 1本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は 30[°C]以下、電流現象係数は 0.56 とする。

イ. 15 ロ. 17 ハ. 19 二. 27

周囲温度 30[°C]以下のとき、1.6[mm]の 600 V ビニル絶縁電線(単線)の許容電流は 27[A]です。したがって、電流減少係数を乗じた値が、求める許容電流値ですので、

27×0.56=15[A]

(小数点以下は、七捨八入します。)

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2009年(平成21年)上期 問8
2011年(平成23年)上期 問6 類似
2013年(平成25年)上期 問8
2015年(平成27年)上期 問7 類似
2017年(平成29年)下期 問7 類似

問2 金属管による低圧屋内配線工事②

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に直径 2.0[mm]の 600Vビニル絶縁電線(軟銅線)5本を収めて施設した場合、電線 1本あたりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は 30[°C]以下、電流減少係数は 0.56とする。

イ. 15 ロ. 19 ハ. 27 二. 35

周囲温度 30[°C]以下のとき、2.0[mm]の 600 V ビニル絶縁電線(単線)の許容電流は 35[A]です。したがって、電流減少係数を乗じた値が、求める許容電流値ですので、

35×0.56=19[A]

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2006年(平成18年)問8 類似
2011年(平成23年)下期 問6
2013年(平成25年)下期 問8 類似
2014年(平成26年)下期 問9 類似
2015年(平成27年)下期 問8
2016年(平成28年)下期 問7 類似
2017年(平成29年)上期 問7
2018年(平成30年)上期 問8 類似
2019年(令和元年)上期 問8

問3 金属管による低圧屋内配線工事③

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に断面積 3.5[mm²]の 600Vビニル絶縁電線(軟銅線)3本を収めて施設した場合、電線 1本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は 30[°C]以下、電流減少係数は 0.70 とする。

イ. 19 ロ. 26 ハ. 34 二. 49

周囲温度 30[°C]以下のとき、3.5[mm²]の 600 V ビニル絶縁電線(単線)の許容電流は 37[A]です。したがって、電流減少係数を乗じた値が、求める許容電流値ですので、

37×0.70=26[A]

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2016年(平成28年)上期 問8

問4 金属管による低圧屋内配線工事④

金属管による低圧屋内配線工事で、管内に断面積 5.5[mm²] の 600 V ビニル絶縁電線(軟銅線) 3 本を収めて施設した場合、電線 1 本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は 30[°C]以下、電流減少係数は 0.70 とする。

イ. 19 ロ. 24 ハ. 34 二. 49 

周囲温度 30[°C]以下のとき、5.5[mm²]の 600 V ビニル絶縁電線(単線)の許容電流は 49[A]です。したがって、電流減少係数を乗じた値が、求める許容電流値ですので、

49×0.70=34[A]

答え(ハ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2014年(平成26年)上期 問7

問5 PF 管による低圧屋内配線工事

合成樹脂管可とう電線管(PF 管)による低圧屋内配線工事で、管内に断面積 5.5[mm²]の 600Vビニル絶縁電線(軟銅線)3 本を収めて施設した場合、電線 1 本当たりの許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は 30[°C]以下、電流減少係数は 0.70 とする。

イ. 26 ロ. 34 ハ. 42 二. 49 

周囲温度 30[°C]以下のとき、5.5[mm²]の 600 V ビニル絶縁電線(単線)の許容電流は 49[A]です。したがって、電流減少係数を乗じた値が、求める許容電流値ですので、

49×0.70=34[A]

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2007年(平成19年) 問8 類似
2012年(平成24年)上期 問6 類似
2019年(令和元年)下期 問8

問6 ケーブルの許容電流

低圧屋内配線工事に使用する 600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(銅導体)、導体の直径 2.0[mm]、3 心の許容電流[A]は。
ただし、周囲温度は 30[°C]以下、電流減少係数は 0.70 とする。

イ. 19 ロ. 24 ハ. 33 二. 35 

周囲温度 30[°C]以下のとき、2.0[mm]の 600 V ビニル絶縁電線(単線)の許容電流は 35[A]です。したがって、電流減少係数を乗じた値が、求める許容電流値ですので、

35×0.70=24[A]

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2008年(平成20年)問8 類似
2012年(平成24年)下期 問6
2018年(平成30年)下期 問8

問7 電線の許容温度①

低圧屋内配線として使用する 600Vビニル絶縁電線(IV)の絶縁物の最高許容温度[°C]は。

イ. 30 ロ. 45 ハ. 60 二. 75 

600 V ビニル絶縁電線(IV)の最高許容温度は 60[°C]と定められています。

答え(ハ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2013年(平成25年)上期 問12
2016年(平成28年)上期 問13
2018年(平成30年)上期 問12

問8 電線の許容温度②

絶縁物の最高許容温度が最も高いものは。

  1. 600 V 二種ビニル絶縁電線(HIV)
  2. 600 V ビニル絶縁電線(IV)
  3. 600 V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(VVR)
  4. 600 V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)

HIVの許容温度は 75[°C]、IVの許容温度は 60[°C]、VVRの許容温度は 60[°C]、CVの許容温度は 90[°C]と定められています。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2008年(平成20年)問11
2014年(平成26年)下期 問12
2019年(令和元年)下期 問12

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