電気機器:第二種電気工事士

第二種電気工事士の筆記試験に初心者の方でも簡単に独学で合格する勉強方法を紹介しています。第二種電気工事士の筆記試験は、過去問から繰り返し出題されていますので、出題分野毎に過去問をまとめて解くことで、効果的な勉強方法となります。このページでは、電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具「電気機器」について、解説しています。

三相誘導電動機

誘導電動機(Induction Motor)は、ビルや工場で最も広く使われている電動機です。動作の原理は、3つの巻線に三相の交流電源を流したときにできる回転磁界で回転子を回転させます。

回転磁界の回転速度は電源の周波数に同期しているので、同期回転速度 NS といいます。電動機の回転子の回転速度 N は、同期回転速度 NS より数パーセント遅くなります。尚、負荷が増加することで低下する特徴があります。

又、電源線の3線のうち2線を入れ替えると、回転磁界の方向が逆になりますので、電動機は逆転します。

三相誘導電動機の力率は 0.8 程度です。力率を 1 近くに改善するには、電動機に並列に進相用コンデンサを接続します。

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進相用コンデンサ

三相誘導電動機の同期回転速度

同期回転速度 NS は、電源の周波数 f[Hz]に比例し、電動機の極数 p に反比例する。

$N_S=\displaystyle\frac{120f}{p}$[min-1

三相誘導電動機の逆転

電源線の3線のうち2線を入れ替える。

三相誘導電動機の力率改善

並列に進相用コンデンサを接続する。

三相誘導電動機の始動方式

誘導電動機に全電圧(じか入れ)を加えて始動しようとすると、始動電流は全負荷電流の 4 ~ 8 倍程度が流れ、電源や他の負荷に悪い影響を与えるので、始動装置を用いて大きな始動電流が流れないようにしています。その代表的なものに、スターデルタ始動法があります。

スターデルタ始動法

スターデルタ始動器を用いて、始動時に電動機の巻線をスター結線にし、運転時にデルタ結線にします。始動電流がじか入れ始動に比べ $\displaystyle\frac{1}{3}$ になりますが、始動時の回転力(トルク)も $\displaystyle\frac{1}{3}$ になり始動時間は長くなります。

スターデルタ始動

照明装置の種類と特徴

照明の種類特徴
白熱電球安価であるが、効率が悪い。
力率が良い。
寿命が短い。
ハロゲン電球白熱電球よりも寿命が長い。
映写用、自動車用、複写機用、スポット照明などに広く利用される。
蛍光灯白熱電球よりも寿命が長い。
発光効率が高い。
点滅が高頻度になると、寿命が短くなる。
LED電球寿命が長い。
発光効率が高い。
ナトリウムランプ黄橙色の単色光で煙・霧を透過する。

蛍光灯の種類と特徴

蛍光灯は、グロースタータ形、ラピッドスタート形、インバータ(高周波点灯専用形) に分かれています。いずれのタイプも、安定器が必要です。安定器は、ランプ電流をランプに合った値に制御するとともに、ランプの点灯に必要な開始電圧と、電極に適正な予熱電圧を供給します。また、力率の改善や電波障害等の機能を備えた、コンデンサを内蔵する種類もあります。

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安定器

インバータ(高周波点灯専用形)の安定器は、電子回路で構成され、グロースタータ形やラピッドスタート形よりも効率が良く、即時点灯ができます。また、高周波で動作するのでちらつきもなく、発光効率が高いのが特徴です。

天井付蛍光灯

天井付蛍光灯

天井直付蛍光灯は、天井に直に取り付ける蛍光灯です。

壁付蛍光灯

壁付蛍光灯

壁に取り付ける蛍光灯です。

シーリングライト(天井直付)

シーリングライト

天井に取り付ける照明器具です。

ペンダント

コードペンダント
チェーンペンダント

天井からぶら下げて取り付ける照明器具です。

シャンデリア

シャンデリア

多くの光源を持ち、インテリア性の高い照明器具です。

ダウンライト(埋込器具)

ダウンライト(埋込器具)

天井に埋め込まれて取り付ける照明器具です。

壁付照明器具

壁付照明器具

壁に取り付ける照明器具です。

引掛シーリング

引掛シーリング

天井に取り付て、照明器具に電源を供給する器具です。

線付防水ソケット

線付防水ソケット

仮設照明などで臨時配線の電球用ソケットとして使われる器具です。

電気機器と電気工事用の材料・工具:第二種電気工事士 過去問

(財)電気技術者試験センターが作成した第二種電気工事士の筆記試験に出題された問題です。

問1 三相誘導電動機①

三相誘導電動機が周波数 50 [Hz] の電源で無負荷運転されている。この電動機を周波数 60[Hz]の電源で無負荷運転した場合の回転の状態は。

  1. 回転速度は変化しない。
  2. 回転しない。
  3. 回転速度が減少する。
  4. 回転速度が増加する。

回転速度(同期速度) は、電源の周波数 f に比例します。電源の周波数が 50[Hz]から 60[Hz]に増加すると、電動機の回転速度も増加します。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2013年(平成25年)下期 問12
2017年(平成29年)下期 問13

問2 三相誘導電動機②

極数 6 の三相かご形誘導電動機を周波数 60[Hz]で使用するとき、最も近い回転速度[min-1]は。

  1. 600
  2. 1200
  3. 1800
  4. 3600

同期回転速度 NS は、電源の周波数 f[Hz]に比例し、電動機の極数 p に反比例しますので、

$N_S=\displaystyle\frac{120f}{p}=\displaystyle\frac{120×60}{6}=1200$[min-1

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)上期 問13 類似
2014年(平成26年)下期 問13
2015年(平成27年)下期 問13 類似
2018年(平成30年)上期 問13 類似
2018年(平成30年)下期 問13 類似
2019年(令和元年)上期 問14 類似

問3 三相誘導電動機③

一般用低圧三相かご形誘導電動機に関する記述で、誤っているものは

  1. じか入れ(全電圧)始動での始動電流は全負荷電流の 4 ~ 8 倍程度である。
  2. 電源の周波数が 60 [Hz] から 50 [Hz] に変わると回転速度が増加する。
  3. 負荷が増加すると回転速度がやや低下する。
  4. 3 本の結線のうちいずれか 2 本を入れ替えると逆回転する。
  1. 正しい記述です。
  2. 回転速度(同期速度) は、電源の周波数 f に比例します。電源の周波数が 60[Hz]から 50[Hz]に減少すると、電動機の回転速度も減少します。
  3. 正しい記述です。
  4. 正しい記述です。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2010年(平成22年)問12
2013年(平成25年)上期 問13
2017年(平成29年)上期 問13

問4 三相誘導電動機④

三相電動誘導機を逆回転させるための方法は。

  1. 三相電源の 3 本の結線を 3 本とも入れ替える。
  2. 三相電源の 3 本の結線のうち、いずれか 2 本を入れ替える。
  3. コンデンサを取り付ける。
  4. スターデルタ始動器を取り付ける。

電源線の3線のうち2線を入れ替えると、回転磁界の方向が逆になりますので、電動機は逆転します。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2009年(平成21年)問14
2011年(平成24年)下期 問14
2016年(平成28年)上期 問14

問5 三相誘導電動機⑤

三相誘導電動機の始動において、全電圧始動(じか入れ始動)と比較して、スターデルタ始動の特徴として、正しいものは

  1. 始動時間が短くなる。
  2. 始動電流が小さくなる。
  3. 始動トルクが大きくなる。
  4. 始動時の巻線に加わる電圧が大きくなる。

スターデルタ始動は、全電圧始動(じか入れ始動)と比較して、始動電流は $\displaystyle\frac{1}{3}$ になりますが、始動時の回転力(トルク)も $\displaystyle\frac{1}{3}$ になり始動時間は長くなります。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2019年(令和元年)下期 問14

問6 三相誘導電動機⑥

低圧三相誘導電動機に対して電力用コンデンサを並列に接続する目的は。

  1. 電動機の振動を防ぐ。
  2. 回転の力率を改善する。
  3. 回転速度の変動を防ぐ。
  4. 電源の周波数の変動を防ぐ。

三相誘導電動機の力率は 0.8 程度です。力率を 1 近くに改善するには、電動機に並列に進相用コンデンサを接続します。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2007年(平成19年)問14
2011年(平成24年)上期 問13

問7 三相誘導電動機⑦

必要に応じ始動時にスターデルタ始動を行う電動機は。

  1. 三相巻線形誘導電動機
  2. 三相かご形誘導電動機
  3. 直流分巻電動機
  4. 単相誘導電動機

スターデルタ始動は、三相かご形誘導電動機の始動法の一つがです。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2008年(平成20年)問12

問8 三相誘導電動機⑧

写真に示す機器の名称は。

  1. 低圧進相コンデンサ
  2. 変流器
  3. ネオン変圧器
  4. 水銀灯用安定器

力率を改善するのに使用する低圧進相コンデンサです。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2010年(平成22年)問15
2012年(平成24年)下期 問18
2015年(平成27年)上期 問16
2018年(平成30年)上期 問18

問9 照明装置①

霧の濃い場所やトンネル内等の照明に適しているものは

  1. ナトリウムランプ
  2. ハロゲン電球
  3. 水銀ランプ
  4. 蛍光ランプ

ナトリウムランプは黄橙色の単色光で煙・霧を透過します。そのため、霧の濃い場所やトンネル内の照明に適しています。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2014年(平成26年)下期 問15

問10 照明装置②

蛍光灯を、同じ消費電力の白熱電灯と比べた場合、正しいものは

  1. 力率が良い。
  2. 雑音(電磁雑音)が少ない。
  3. 寿命が短い。
  4. 発光効率が高い(同じ明るさでは消費電力が少ない)。

蛍光灯は発熱電灯より、力率が悪い,雑音が多い,寿命が長い,発光効率が高いといった特徴があります。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2009年(平成21年)問12
2015年(平成27年)下期 問14

問11 照明装置③

白熱電球と比較して、電球形 LED ランプ(制御装置内蔵形)の特徴として、誤っているものは

  1. 寿命が短い。
  2. 発光効率が高い(同じ明るさでは消費電力が少ない)。
  3. 価格が高い。
  4. 力率が低い。

LED ランプは発熱電球より、寿命が長い,発光効率が高い,価格が高い,力率が低いといった特徴があります。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2017年(平成29年)上期 問12
2017年(平成29年)下期 問15
2018年(平成30年)上期 問15

問12 照明装置④

点灯管を用いる蛍光灯と比較して、高周波点灯専用形の蛍光灯の特徴として、誤っているものは

  1. ちらつきが少ない。
  2. 発光効率が高い。
  3. インバータが使用されている。
  4. 点灯に要する時間が長い。

インバータ(高周波点灯専用形)の安定器は、電子回路で構成され、グロースタータ形やラピッドスタート形よりも効率が良く、即時点灯ができます。また、高周波で動作するのでちらつきもなく、発光効率が高いのが特徴です。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2013年(平成25年)上期 問14
2015年(平成27年)上期 問14
2016年(平成28年)上期 問15

問13 照明装置⑤

写真に示す器具の用途は。

  1. 蛍光灯の放電を安定させるために用いる。
  2. 電圧を変成するために用いる。
  3. 力率を改善するために用いる。
  4. 手元開閉器として用いる。

写真の器具の名称は蛍光灯用安定器です。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)下期 問14 類似
2013年(平成25年)下期 問17

問14 照明装置⑥

写真に示す器具の名称は。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-136.png
  1. 引掛シーリング(ボディー)
  2. ユニバーサル
  3. コードコネクタ
  4. ねじ込みローゼット

天井に取り付て、照明器具に電源を供給する器具で、引掛シーリングといいます。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2007年(平成19年)問16

問15 照明装置⑦

写真に示す器具の名称は。

  1. キーソケット
  2. ランプレセプタクル
  3. プルソケット
  4. 線付防水ソケット

仮設照明などで臨時配線の電球用ソケットとして使われる器具で、線付防水ソケットといいます。

答え(二)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)下期 問17

問16 電気機器①

組み合わせて使用する機器で、その組合せが明らかに誤っているものは

  1. ネオン変圧器と高圧水銀灯
  2. 零相変流器と漏電警報器
  3. 光電式自動点滅器と庭園灯
  4. スターデルタ始動器と一般用低圧三相かご形誘導電動機

ネオン変圧器と高圧水銀灯の組合せは不適です。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成23年)上期 問12
2014年(平成26年)上期 問11
2016年(平成28年)下期 問13
2017年(平成29年)下期 問12

問17 電気機器②

力率の最も良い電気機械器具は。

  1. 電気トースター
  2. 電気洗濯機
  3. 電気冷蔵庫
  4. 電球形LEDランプ(制御装置内蔵形)

電気トースターは、負荷が抵抗分だけですので、力率は 100 % です。

答え(イ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2011年(平成24年)上期 問14
2015年(平成27年)下期 問15

問18 電気機器③

系統連系型の太陽電池発電設備において使用される機器は。

  1. 低圧進相コンデンサ
  2. パワーコンディショナ
  3. 調光器
  4. 自動点滅器

パワーコンディショナは、直流の電気を交流に変換する装置です。系統連系のため、太陽電池で発電される直流の電気を、交流の電気に変換します。

答え(ロ)

第二種電気工事士試験 出題年度

2017年(平成29年)上期 問15
2018年(平成30年)下期 問15
2019年(令和元年)上期 問15

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