風圧荷重と電線張力【電験三種-法規(施設管理)】

法規

電験三種の法規で出題される風圧荷重と電線張力について、初心者の方でも解りやすいように、基礎から解説しています。また、電験三種の試験で、実際に出題された過去問題も解説しています。

架空電線の風圧荷重

架空電線は、風による力を常に受けています。この力を風圧荷重といい、強風などで鉄塔が倒壊しないように、正しく求めておかなければなりません。風圧荷重は次の基準に従って求めます。

  1. 高温季、すべての地方 … 甲種風圧荷重を用います。
  2. 低温季、氷雪の多い地方で低温季に最大風圧を生じる地方 … 甲種風圧荷重または乙種風圧荷重の大きいほうを適用します。
  3. 低温季、氷雪の多い地方で低温季に最大風圧を生じない地方 … 乙種風圧荷重を用います。
  4. 低温季、氷雪の多い地方以外の地方 … 丙種風圧荷重を用います。

甲種風圧荷重

風圧の単位 パスカル[Pa]は、断面積 1m2 にかかる力[N]を表します。風圧による長さ 1[m] あたりの荷重は、風圧 980[Pa]と電線の断面積を掛けることで求めることができます。この電線 1[m]当たりの断面積を垂直投影断面積といい、S[m2]とすると、甲種風圧荷重 FK[N]は次の式で求めることができます。

FK=980×S[N]

乙種風圧荷重

比重 0.9、厚さ 6[mm]の氷雪が付着したことを想定します。また、甲種の半分の風圧 490[Pa]による風圧荷重として計算します。垂直投影断面積を S[m2]とすると、乙種風圧荷重 FO[N]は次の式で求めることができます。

FO=490×S[N]

丙種風圧荷重

甲種の半分の風圧 490[Pa]による風圧荷重として計算します。垂直投影断面積を S[m2]とすると、丙種風圧荷重 FH[N]は次の式で求めることができます。

FH=490×S[N]

支線の張力と強度計算

電柱は、電線による回転モーメントと支線による回転モーメントを受けます。回転モーメントとは、回転中心からの距離と、力の水平成分との積になります。電柱の場合は、もし支線が切れた場合、電柱と地表の接触点を中心に回転して倒れます。ここが回転中心になります。

次の図のような、電線の水平張力 T[kN]と、支線にかかる力 P[kN]の関係は、地面を基準とした力のモーメントで考えると次のとおりになります。

Pcosθ・H2=T・H1[N・m]

また、電柱が複数の電線や支線によって支持されている場合、右回りのモーメントと左回りのモーメントが等しくなるようにすれば良いことになります。尚、支線は支持物の強度を分担しています。支線には以下の条件があります。

  • 支線の安全率は 2.5以上であること。ただし、高圧又は特別高圧の架空電線路の支持物として使用する木柱、A種鉄筋コンクリート柱又はA種鉄柱を下記に施設する場合は安全率 1.5以上
    1. 電線路の直線部分でその両側の径間の差が大きい箇所
    2. 電線路中 5°を超える水平角度をなす箇所
    3. 電線路中全架渉線を引き留める箇所
  • 支線をより線とした場合
    1. 素線 3本以上よりあわせたもの
    2. 素線には直径 2mm 以上及び引っ張り強さ 0.69kN/mm2 以上の金属線を用いること

支線の素数

支線の素数は規程から 3本以上必要で、支線に加わる張力を P[N]、 支線 1条あたりの引張荷重を t[N]、安全率を F とすると、支線の必要条数 n[条]は、次の式で求めることができます。尚、小数点以下は切り上げます。

$n=\displaystyle \frac{ P×F }{t }$ [条]

安全率 F は、2.5と 1.5の取り扱いを間違えないように注意が必要です。

電線のたるみ

電線は、断線しないように「たるみ」を持たせて架線しなければなりません。たるみを大きくすれば、支持物の高さは高くなると共に電線の短絡故障につながりやすくなります。また、逆にたるみを小さくするために電線を強く張れば、支持物の設計強度が大きくなると共に冬季の着氷雪時には過大な張力が加わるおそれがあります。電線のたるみの大きさを弛度(ちど)といい、次の式で求めることができます。

たるみ

$D=\displaystyle \frac{ wS^2 }{ 8T }$
 
$D$:たるみ[m]
$w$:電線1m当たりの荷重[N/m]
$S$:径間[m]
$T$:水平張力[N]

電線の許容引張荷重

 電線の水平方向の引張荷重(張力)については安全率を f とすると解釈66条におい次のように定められています。

  • 高圧架空電線はケーブルである場合を除き、次のような安全率 f による弛度によって施設すること。
    1. 硬銅線または耐熱銅合金線では 2.2以上
    2. その他の電線では 2.5以上

 許容引張荷重 T[N]は、電線の有する引張荷重(張ぱり強さ)T’[N]を安全率 f で割った値になります。

$T=\displaystyle \frac{ T’ }{ f}$ [N]

  

電験三種-法規(施設管理)過去問題

2003年(平成15年)問11

氷雪の多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方で、人家が多く連なっている場所以外の場所における高圧架空電線路の電圧の風圧荷重について、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし、電線は図のような硬銅より線とする。また、甲種風圧荷重は 980[Pa]、乙種風圧荷重の計算に使う氷雪の厚さは 6[mm]とする。

(a) 高温季における電線1条、長さ 1[m]当たりの水平風圧荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1) 3.6 (2) 9.4 (3) 9.6 (4) 10.9 (5) 25.4

(b) 低温季における電線 1条、長さ 1[m]当たりの水平風圧荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1) 7.7 (2) 11.3 (3) 14.3 (4) 15.4 (5) 28.5

2003年(平成15年)問11 過去問解説

(a) 高温期は甲種風圧荷重を適用します。電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を S[m2]とすると、

$S=11.1×10^{-3}[m^2]$

よって甲種風圧荷重 $F_K$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_K&=&S×980\\\\&=&11.1×10^{-3}×980\\\\&=&10.9[N]\end{eqnarray}$

答え (4)

(b) 電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を $S’$[m2]とすると、乙種風圧荷重の計算に使う氷雪の厚さは 6[mm]としますので、

$\begin{eqnarray}S’&=&(11.1×10^{-3}+2×6×10^{-3})×1\\\\&=&23.1×10^{-3}[m^2]\end{eqnarray}$

よって乙種風圧荷重 $F_O$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_O&=&S’×490\\\\&=&23.1×10^{-3}×490\\\\&=&11.3[N]\end{eqnarray}$

低温季、氷雪の多い地方で低温季に最大風圧を生じる地方 は、甲種風圧荷重または乙種風圧荷重の大きいほうを適用します。$F_K<F_O$[N]なので、$F_O$ を適用します。

答え (2)

2004年(平成16年)問11

図のように低圧架空電線と高圧架空電線を併架するA種鉄筋コンクリート柱がある。この電線路の引留め箇所において下記の条件で支線を設けるものとする。

  1. 低高圧電線路の離隔距離を 2[m]とし、高圧電線の取り付け高さを 10[m]、低圧電線と支線の取り付け高さをそれぞれ 8[m]とする。
  2. 支線には直径 2.3[mm]の亜鉛めっき鋼線(引張強さ 1.23[kN/mm2]を素線とし、また、素線のより合わせによる引張荷重の減少係数は無視するものとする。
  3. 低圧電線の水平張力は 4[kN]、高圧電線のそれは 9[kN]とし、これらの全荷重を支線で支えるものとする。

このときの、次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) 支線に生じる引張荷重[kN]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1) 15.4 (2) 19.1 (3) 25.4 (4) 27.4 (5) 29.0

(b) 「電気設備技術基準の解釈」によれば、支線の素線の条数を最小いくらにしなければならないか。

(1) 5 (2) 8 (3) 10 (4) 12 (5) 14

2004年(平成16年)問11 過去問解説

(a) 力のモーメントの関係を考えます。

$Pcosθ×H_2=T_1H_1+T_2H_2$
$Pcosθ×8=9×10+8×4$
$Pcosθ=15.25$
$P×\displaystyle \frac{ 6 }{ 10 }=15.25$
$P=25.4$[kN]

答え (3)

(b) 支線に加わる張力を $P$[N]、 支線1条あたりの引張荷重を $t$[N]、安全率を $F$ とするとA種鉄筋コンクリート柱の安全率 $F$ は 1.5 ですので、支線の必要条数 $n$[条]は、

$\begin{eqnarray}n&=&\displaystyle \frac{ P×F }{t }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 25.4×1.5 }{\displaystyle \frac{ π×2.3^2 }{2^2 }×1.23 }\\\\&=&7.46⇒8[条]\end{eqnarray}$

答え (2)

2005年(平成17年)問11

人家が多く連なっている場所以外の場所であって、氷雪の多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方以外の地方に設置されている、55[mm2](素線径 3.2[mm]、7本より線)の硬銅より線を使用した特別高圧架空電線路がある。この電線路の電線の風圧荷重について、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) 高温季と低温季においてそれぞれ適用される電線の風圧荷重の種類として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

(b) 低温季における電線 1条、長さ 1[m]当たりの水平風庄荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。
ただし、電線に対する甲種風圧荷重は 980[Pa]、乙種風圧荷重では厚さ 6[mm]の氷雪が付着するものとする。

(1)4.7 (2)6.4 (3)7.6 (4)9.4 (5)10.6

2005年(平成17年)問11 過去問解説

(a) 解釈第57条より、題意においては、高温季においては、甲種で、低温季では乙種が適用されます。

答え (2)

(b) 低温季、氷雪の多い地方で低温季に最大風圧を生じない地方は、乙種風圧荷重を用います。電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を $S’$[m2]とすると、乙種風圧荷重の計算に使う氷雪の厚さは 6[mm]としますので、

$\begin{eqnarray}S’&=&(3.2×3×10^{-3}+2×6×10^{-3})×1\\\\&=&21.6×10^{-3}[m^2]\end{eqnarray}$

よって乙種風圧荷重 $F_O$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_O&=&S×490\\\\&=&21.6×10^{-3}×490\\\\&=&10.6[N]\end{eqnarray}$

答え (5)

2008年(平成20年)問11

高圧架空電線に硬銅線を使用して、高低差のない場所に架設する場合、電線の設計に伴う許容引張荷重と弛度(たるみ〉に関して。次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし、径間 250[m]、電線の引張強さ58.9[kN]、電線の重量と水平風圧の合成荷重が 20.67[N/m]、安全率は 2.2 とする。

(a) この電線の許容引張荷重[kN]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)23.56 (2)26.77 (3)29.45 (4)129.6 (5)147.3

(b) 電線の弛度[m]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1)4.11 (2)6.04 (3)6.85 (4)12.02 (5)13.71

2008年(平成20年)問11 過去問解説

(a) 許容引張荷重 $T$[N]は、電線の有する引張荷重(張ぱり強さ)$T’$[N]を安全率 $f$ で割った値になります。

$\begin{eqnarray}T&=&\displaystyle \frac{ T’ }{ f}\\\\&=&\displaystyle \frac{ 58.9 }{ 2.2}\\\\&=&26.77[kN]\end{eqnarray}$

答え (2)

(b) 電線1m当たりの荷重を $w$[N/m]、径間を $S$[m]、水平張力を $T$[N]とすると、電線の弛度 $D$[m]は、

$\begin{eqnarray}D&=&\displaystyle \frac{ wS^2 }{ 8T }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 20.67×250^2 }{ 8×26.77×10^3 }\\\\&=&6.04\end{eqnarray}$

答え (2)

2009年(平成21年)問12

図のように、高圧架空電線路中で水平角度が 60[°]の電線路となる部分の支持物(A種鉄筋コンクリート柱)に下記の条件で電気設備技術基準の解釈に適合する支線を設けるものとする。

  1. 高圧架空電線の取り付け高さを 10[m]、支線の支持物への取り付け高さを 8[m]、この支持物の地表面の中心点と支線の地表面までの距離を 6[m]とする。
  2. 高圧架空電線と支線の水平角度を 120[°]、高圧架空電線の想定最大水平張力を 9.8[kN]とする。
  3. 支線には亜鉛めっき鋼より線を用いる。その素線は、直径 2.6[mm]、引張強さ 1.23[kN/mm2]である。素線のより合わせによる引張荷重の減少係数を 0.92とし、支線の安全率を1.5とする。

このとき、次の(a)及び(b)に答えよ。

(a) 支線に働く想定最大荷重[kN]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1) 10.2  (2) 12.3  (3) 20.4  (4) 24.5  (5) 40.1

(b) 支線の素線の最小の条数として、正しいものは次のうちどれか。

(1) 3  (2) 7  (3) 9  (4) 13  (5) 19

2009年(平成21年)問12 過去問解説

(a) 力のモーメントの関係を考えます。

$Pcosθ・H_2=T・H_1$

$P×\displaystyle \frac{ 6 }{ 10 }×8=2×9.8×cos60°×10$

$P=20.4[kN]$

答え (3)

(b) 支線に加わる張力を $P$[N]、 支線1条あたりの引張荷重を $t$[N]、安全率を $F$ とすると題意より、支線の必要条数 $n$[条]は、

$\begin{eqnarray}n&=&\displaystyle \frac{ P×F }{t }\\\\&=&\displaystyle \frac{ 20.4×1.5 }{\displaystyle (\frac{ π×2.6^2 }{2^2 }×1.23)×0.92 }\\\\&=&5.1⇒6 [条]\end{eqnarray}$

6[条]は選択肢にありませんので、直近上位の 7[条]を選びます。

答え (2)

2010年(平成22年)問13

氷雪の多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風圧を生ずる地方以外の地方において、電線に断面積 150 [mm2] ( 19本/ 3.2[mm])の硬銅より線を使用する特別高圧架空電線路がある。この電線 1条、長さ 1[m]当たりに加わる水平風圧荷重について、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし、電線は図のようなより線構成とする。

(a) 高温季における風圧荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1) 6.8 (2) 7.8 (3) 9.4 (4) 10.6 (5) 15.7

(b) 低温季における風圧荷重[N]の値として、最も近いのは次のうちどれか。

(1) 12.6 (2) 13.7 (3) 18.5 (4) 21.6 (5) 27.4

2010年(平成22年)問13 過去問解説

(a) 高温期は甲種風圧荷重を適用します。電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を $S$[m2]とすると、

$\begin{eqnarray}S&=&3.2×5×10^{-3}×1\\\\&=&16×10^{-3}[m^2]\end{eqnarray}$

よって甲種風圧荷重 $F_K$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_K&=&S×980\\\\&=&16×10^{-3}×980\\\\&=&15.68[N]\end{eqnarray}$

答え (5)

(b) 低温季、氷雪の多い地方で低温季に最大風圧を生じない地方は、乙種風圧荷重を用います。電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を $S’$[m2]とすると、乙種風圧荷重の計算に使う氷雪の厚さは 6[mm]としますので、

$\begin{eqnarray}S’&=&(3.2×5×10^{-3}+2×6×10^{-3})×1\\\\&=&28×10^{-3}[m^2]\end{eqnarray}$

よって乙種風圧荷重 $F_O$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_O&=&S’×490\\\\&=&28×10^{-3}×490\\\\&=&13.72[N]\end{eqnarray}$

答え (2)

2014年(平成26年)問11

鋼心アルミより線(ACSR)を使用する 6600V 高圧架空電線路がある。この電線路の電線の風圧荷重について「電気設備技術基準の解釈」に基づき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。なお、下記の条件に基づくものとする。

  1. 氷雪が多く、海岸地その他の低温季に最大風圧を生じる地方で、人家が多く連なっている場所以外の場所とする。
  2. 電線構造は図のとおりであり、各素線、鋼線ともに全てが同じ直径とする。
  3. 電線被覆の絶縁体の厚さは一様とする。
  4. 甲種風圧荷重は 980Pa、乙種風圧荷重の計算に使う氷雪の厚さは 6mm とする。

(a) 高温季において適用する風圧荷重(電線 1条、長さ 1m当たり)の値[N]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 4.9 (2) 5.9 (3) 7.9 (4) 9.8 (5) 21.6

(b) 低温季において適用する風圧荷重(電線 1条、長さ 1m当たり)の値[N]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 4.9 (2) 8.9 (3) 10.8 (4) 17.7 (5) 21.6

2014年(平成26年)問11 過去問解説

(a) 高温期は甲種風圧荷重を適用します。電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を $S$[m2]とすると、

$\begin{eqnarray}S&=&(2.0×3+2.0×2)×10^{-3}×1\\\\&=&10×10^{-3}[m^2]\end{eqnarray}$

よって甲種風圧荷重 $F_K$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_K&=&S×980\\\\&=&10×10^{-3}×980\\\\&=&9.8[N]\end{eqnarray}$

答え (4)

(b) 電線 1[m]当たりの垂直投影断面積を $S’$[m2]とすると、乙種風圧荷重の計算に使う氷雪の厚さは 6[mm]としますので、

$\begin{eqnarray}S’&=&(10×10^{-3}+2×6×10^{-3})×1\\\\&=&22×10^{-3}[m^2]\end{eqnarray}$

よって乙種風圧荷重 $F_O$[N]は、

$\begin{eqnarray}F_O&=&S’×490\\\\&=&22×10^{-3}×490\\\\&=&10.8[N]\end{eqnarray}$

低温季、氷雪の多い地方で低温季に最大風圧を生じる地方 は、甲種風圧荷重または乙種風圧荷重の大きいほうを適用します。$F_K<F_O$[N]なので、$F_O$を適用します。

答え (3)

2015年(平成27年)問11

図のように既設の高圧架空電線路から、電線に硬銅より線を使用した電線路を高低差なく径間 40m延長することにした。新設支持物にA種鉄筋コンクリート柱を使用し、引留支持物とするため支線を電線路の延長方向 10mの地点に図のように設ける。電線と支線の支持物への取付け高さはともに 10mであるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 電線の水平張力を 13kNとして、その張力を支線で全て支えるものとする。支線の安全率を 1.5としたとき、支線に要求される引張強さの最小の値[kN]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 6.5 (2) 10.7 (3) 19.5 (4) 27.6 (5) 40.5

(b) 電線の引張強さを 28.6kN、電線の重量と風圧荷重との合成荷重を 18N/mとし、高圧架空電線の引張強さに対する安全率を 2.2としたとき、この延長した電線の弛度(たるみ)の値[m]は、いくら以上としなければならないか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 0.14 (2) 0.28 (3) 0.49 (4) 0.94 (5) 1.97

2015年(平成27年)問11 過去問解説

(a) 力のモーメントの関係を考えます。

$Pcosθ・H=T・H$

$Pcos45°=13000×1.5$

$P=27.6$[kN]

答え (4)

(b) 許容引張荷重 $T$[N]は、電線の有する引張荷重(張ぱり強さ)$T’$[N]を安全率 $f$ で割った値になりますので、

$T=\displaystyle \frac{ T’ }{ f}=\displaystyle \frac{28.6 }{ 2.2}=13[kN]$

電線1m当たりの荷重を $w$[N/m]、径間を $S$[m]、水平張力を $T$[N]とすると、電線の弛度 $D$[m]は、

$D=\displaystyle \frac{ wS^2 }{ 8T }=\displaystyle \frac{ 18×40^2 }{ 8×13000 }=0.28$[m]

答え (2)

法規電験3種
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